災害時の情報収集メディアとネット行動調査

災害時の情報収集メディアとネット行動調査

【eMark+】でみる!地震・台風・豪雨など自然災害時のネット行動特徴とは


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネットユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、地震や台風などの自然災害が発生した時に、一般消費者がどこで情報を収集しているかのアンケート調査を行い、地域や世代間の特徴、及び実際のネット行動を分析しました。

分析概要

全国のVALUESモニターを対象として、2015年10月14日~21日に災害に関するアンケート調査を実施。また、特に2015年9月は茨城県を中心に豪雨災害が発生し、甚大な被害をもたらしたことから、茨城県在住のモニターを抽出して、2015年9月にどのようなサイトに接触していたかを分析した。※ネット行動はPC上の行動ログを分析対象とした。

考察サマリ

消費者が「不安に感じている災害」は「地震」が75%でトップ。次に「台風(暴風雨)」(41%)、「火災」(41%)と続く。エリア毎の違いも浮き彫りに。

2015年10月にヴァリューズが実施したアンケートで、「不安に感じている災害」をたずねたところ、「地震」が75%でトップ、次に「台風(暴風雨)」(41%)、「火災」(41%)がほぼ同率で並びました。今年9月に被害が大きかった「豪雨」は29%、「河川の氾濫」は22%という結果になりました【図1】。

居住エリア別にみると、各エリアで不安に感じている災害に違いがみられました【図2】。北海道では「豪雪」が2位となり、関東、中部、四国では「地震」が8割前後を占めます。また、「台風(暴風雨)」は九州で61%と高くなっており、「地震」と並ぶスコアになっていました。

災害時の情報源は「テレビ」が77%で突出。2位以下は「インターネットのニュースサイト」(43%)、など即時性の高いインターネットのメディアが上位に並ぶ。SNSは男女とも20代では20%超となっており、他の年代との差が大きい。

続いて、自然災害が発生した際に、どこで情報を得ているかをたずねたところ、「テレビ」が77%で突出しており、2位以下は「インターネットのニュースサイト」(43%)、「インターネットの天気災害専門サイト」(33%)、「気象庁、消防庁など公的機関のサイト」(30%)、「Yahoo!、MSNなどのポータルサイト」(23%)とインターネットのメディアが上位に並びました【図3】。

性年代別にみると、テレビ、ラジオ、新聞といったマス媒体は年代の高い人ほど情報源とする割合が高く、一方でネット系メディアは年代の若い人ほど割合が高い傾向がみられました。
なかでもTwitter、Facebook、LINEなどのSNSは男女とも20代では20%超となっており、他の年代との差が大きくなっています【図4-1、4-2】

鬼怒川の氾濫など豪雨による被害の大きかった茨城県では、「国土交通省 関東地方整備局」HPへのアクセスが、前月比で10倍以上に伸びていた(2015年9月度)

アンケートの結果から、災害時における情報源としてインターネットはテレビに次いで高いメディアであることがわかりました。では実際に、災害時やその後にはどのようなサイトに接触しているのでしょうか。

「平成27年9月関東・東北豪雨災害」において、鬼怒川の氾濫など被害の大きかった茨城県のモニターパネルを抽出し、2015年9月にどのようなサイトに接触していたかを分析しました。

モニター全体と比べて2015年9月に接触率が高かったサイトの中から、災害時の情報収集サイトに関連したものをリストアップすると【図5】、国土交通省や地方自治体(茨城県、常総市)の公式サイトをはじめ、「東京電力 雨量・雷観測情報」や、鬼怒川堤防決壊により一部路線が運転を休止した「関東鉄道」が、モニター全体よりも茨城県のサイト接触率が高くなっていました。特に、「国土交通省 関東地方整備局」のサイトは、鬼怒川の堤防決壊や水位に関する情報が発信されており、茨城県モニターによるアクセス数は8月と比べて約13倍に伸びていました。より正確な情報を求めて公的機関のサイトを訪れるユーザーが多いと考えられます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


YouTube, Shorts & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 2>

YouTube, Shorts & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 2>

Gen Z has been enjoying videos since their school days and known as one of the first to adopt short-form videos. We’ll analyze how they use video-format social media and compare with Gen X and Y. This analysis will cover medium usage, popular content, daily integration, purchasing behavior, and awareness.


自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

日本生活協同組合連合会の「節約と値上げ」の意識についてのアンケート調査結果によると、回答者全体の93.3%の人が節約を意識しているという今、何かとメディアで取り上げられているのが「プチ贅沢」。本レポートでは、どのようにして「プチ贅沢」が生活に取り入れられているのか、日常生活における小さな幸せの追求が、どのようにして個人の生活の質を向上させているかという視点で、中でも手軽に取り入れられる「スイーツのプチ贅沢」にフォーカスを当て、考察しました。<br>※調査レポートは記事末尾のフォームより無料でダウンロードいただけます。商品企画やマーケティングをご担当の方はぜひご確認ください。


YouTube, Shorts, & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 1>

YouTube, Shorts, & TikTok: Comparing Gen X, Y, & Z! Usage rates, how they’re used, & effectiveness of ads <Part 1>

Gen Z has been enjoying videos since their school days and known as one of the first to adopt short-form videos. We’ll analyze how they use video-format social media and compare with Gen X and Y. This analysis will cover medium usage, popular content, daily integration, purchasing behavior, and awareness.


YouTube, YouTube Shorts, & TikTok usage: TikTok is about 40%! “Learning” for YouTube & “Trends” for TikTok

YouTube, YouTube Shorts, & TikTok usage: TikTok is about 40%! “Learning” for YouTube & “Trends” for TikTok

Compared to YouTube, which has a high usage rate, what is the usage rate of short-form videos, like YouTube Shorts and TikTok? What are their most popular videos, their position in daily life, how are they used? Which leads to purchasing a product? Based on the survey data, we investigated the usage of each medium.


【調査リリース】YouTube・YouTubeショート・TikTok利用実態 TikTokの利用率は約4割 YouTubeは学び、TikTokはトレンドがキーワード

【調査リリース】YouTube・YouTubeショート・TikTok利用実態 TikTokの利用率は約4割 YouTubeは学び、TikTokはトレンドがキーワード

高い利用率を誇るYouTubeに対し、YouTubeショートやTikTokといった短尺動画の利用率はどれだけの追い上げを見せているのでしょうか。それぞれでよく見られている動画や、生活の中での媒体の位置づけ、使い方や使い分けとは?商品の購買に一番繋がりやすいのはどの媒体?アンケートデータから、各媒体の利用実態を調査しました。


最新の投稿


電話・スマホでのコミュニケーションは通話よりもテキストを利用 テキストの良さは「後から読み返せる」「時間を気にしなくていい」【クロス・マーケティング調査】

電話・スマホでのコミュニケーションは通話よりもテキストを利用 テキストの良さは「後から読み返せる」「時間を気にしなくていい」【クロス・マーケティング調査】

株式会社クロス・マーケティングは、全国20歳~69歳の男女を対象に「電話での声と文字のやり取りに関する調査(2024年)」を実施し、結果を公開しました。


カーシェアの市場規模や利用者数を調査。主要サービスの公式サイト訪問データから考察

カーシェアの市場規模や利用者数を調査。主要サービスの公式サイト訪問データから考察

カーシェアは車を共同利用するサービスで、日本にシェアリングエコノミーの考え方が広がるとともに普及しました。今回は国内の主要な13のカーシェアサービスのWebサイトを訪問した人のデータから、カーシェア業界の市場規模やどのような層が関心があるのかを調査していきます。


スポーツの推し活をしている人が応援するために使っている金額は年間約3万2千円【ネオマーケティング調査】

スポーツの推し活をしている人が応援するために使っている金額は年間約3万2千円【ネオマーケティング調査】

株式会社ネオマーケティングは、全国の20歳~79歳の男女を対象に「スポーツの推し活」をテーマにインターネットリサーチを実施し、結果を公開しました。


実店舗でコスメ・アパレル商品購入時に「レビューをしたい」と感じている女性は8割以上【ReviCo調査】

実店舗でコスメ・アパレル商品購入時に「レビューをしたい」と感じている女性は8割以上【ReviCo調査】

株式会社ReviCoは、会員登録をしているブランドの実店舗で、月に1回以上アパレル・コスメ商品を購入している20~40代の女性を対象に、実店舗購入時のレビューに関する意識調査を実施し、結果を公開しました。


マーケティングに欠かせないファネル分析とは?種類や事例、分析に役立つツールを紹介

マーケティングに欠かせないファネル分析とは?種類や事例、分析に役立つツールを紹介

マーケティングに欠かせないファネル分析は、顧客の購買プロセスを可視化することで、自社の現状の課題を明確化するために行います。 売り上げをアップさせるためには、マーケティングファネルの概念を理解した上で、分析結果に基づいた効果的な施策を行う必要があります。 しかしながら、マーケティングファネルには種類があり、目的や課題によって利用するファネルが異なります。 そこで本記事では、マーケティングファネルの種類や事例に加え、やり方や円滑に分析できるツールについてご紹介します。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ