基礎から学ぶ!行動経済学の入門書籍10選

基礎から学ぶ!行動経済学の入門書籍10選

経済学に心理学を組み合わせる「行動経済学」はマーケティングと親和性が高いと言われます。行動経済学をビジネスに生かすには、よくまとまった本で学ぶのが近道です。今回は行動経済学書籍を10冊紹介します。


行動経済学の基礎を軽く紹介

経済学において、それぞれの理論を一般化する前提として「人は経済的合理性だけに基づき、個人主義的に行動する」と定義されます。

しかし実際は、人はときに合理的ではない行動を取ります。つまり現実世界では経済学の理論にあてはまらないケースが出てきてしまいます。

そこで心理学を取り入れ、より現実に近い経済活動の研究を目的としているのが「行動経済学」となります。

一般に知られた行動経済学として、以下のような理論があります。

プロスペクト理論
人は損失に対しては過大に評価する傾向があり、実際の損得と心理的な損得は一致しないという理論。

サンクコスト効果
サンクコストとは、費やしてしまったがどのようにしても取り戻せない金銭、時間、労力を指し、これらを取り戻そうとする心理効果。

アンカリング効果
アンカリング効果とは、初めに提示された情報が強い印象としてインプットされ、その後の意思決定に影響を与える効果。

理論の概要だけでは伝わりづらいかと思いますので、行動経済学についてはこちらの記事もぜひご一読ください。

行動経済学を学ぶのに最適な書籍10選

「実践 行動経済学」

2017年にノーベル経済学賞を受賞した、リチャード・セイラー教授による著書。本書のテーマ(原題)は「Nudge(ナッジ)」という行動経済学のいち理論で、非合理的な判断をしようとしていた人に対し、ちょっとした注意や合図を送り、合理的な判断ができるように促すというもの。

このナッジを活かせるシーンを紹介、検証し、合理的な判断をもとにしたベターな暮らしを送るための解説。そして医療や環境、婚姻制度などの社会制度変革の実践的なアイデアについても言及しています。

実践 行動経済学 Kindle版

「予想どおりに不合理」

心理学、ならびに行動経済学を専攻する研究者、ダン・アリエリー教授の著書で、ニューヨーク・タイムズのベストセラーになった一冊。この本が行動経済学ブームの火付け役とも言われています。行動経済学の基本を知りたい場合、最初に読むことをおすすめしたい一冊です。

本書では面倒なことを先延ばししてしまったり、思うように我慢(辛抱)ができないといった、生活の中で直面する問題について、さまざまな実験や検証を紹介しています。ほかにも行動経済学が日常に溶け込んでいる事例も紹介されており、読み応え十分となっています。

予想どおりに不合理  行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 Kindle版

「ファスト&スロー(上・下)」

2002年に行動経済学者として初のノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授による著書。

人の意思決定は「直観的な早い思考」と「論理的な遅い思考」が作用し、非合理的な判断をしてしまう場合があるとし、その理由と証拠を結びつける実験内容を紹介しています。合理的な判断をしなければならないとき、非合理的な判断をしないようにするにはどうすべきか?といった知見を上下巻で多数提示しています。

ファスト&スロー(上)Kindle版

ファスト&スロー(下)Kindle版

「エッセンシャル版 行動経済学」

行動経済学の学問的な知識を学ぶのにおすすめしたい一冊です。マーケティングに直接活用できる本ではありませんが、体系的に行動学の理解を深めるのに役立つ本と言えます。

今回紹介する本の中では、教科書的でやや硬派な印象ですが、行動経済学の基礎となる「人を動かす要因は何か」「人は社会的要因からどのような影響を受けるのか」「選択や意思決定は性格や感情にどう影響を及ぼすのか」を、わかりやすく解説しています。

〔エッセンシャル版〕行動経済学 (早川書房) Kindle版

「選択の科学」

「選択肢が多すぎるとストレス度が上がり、選択そのものを放棄してしまう」というアイエンガーの法則でも知られるシーナ・アイエンガー教授の著書。

アイエンガーの法則は、24種類のジャムを並べるよりも6種類に絞ったほうが売れる、という“ジャムの法則”が有名です。人生において多々現れる「選択」に迫られるシーン。そこで最良の選択をするにはをテーマに、さまざまな人間心理について書かれています。

豊富な事例、実験によるデータも紹介されているので、ビジネスシーンにおける選択促進のヒントも得やすくなっています。

選択の科学

「ヤバい経済学」

直接的な行動経済学の書籍ではありませんが、行動経済学に関心があれば面白く読める、いわばエンターテインメント的な一冊です。

キーワードは「インセンティブ」で、このインセンティブの設計次第で人の行動は大きく変わるという事実があります。その事実を、罰金や報奨を設定してもその効果は裏目に出てしまうケースを事例をもとに解説しています。インセンティブの例はマーケティングのみならず、人事制度への応用も考えられます。

ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する Kindle版

「行動経済学の使い方」

2007年に設立された「行動経済学会」の創立メンバーのひとり、大阪大学教授・大竹文雄氏の著書。

行動経済学の現状としては、基本的な部分は研究が進み、すでに「利用する段階」に到達しているとし、行動経済学の具体的な利用方法を紹介しています。

プロスペクト理論、現状維持バイアス、互恵性と利他性、ヒューリスティックスという4つの理論に加え、ナッジ(望ましい行動決定のための注意喚起法)の作り方を解説しています。

行動経済学の使い方 (岩波新書)

「行動経済学入門」

「入門」とあるように、行動経済学の基本を学べるだけではなく、行動経済学がこれまで導き出してきた理論を、実証実験を踏まえて解説している一冊です。

行動経済学の「行動」部分、つまり選択についての例は、日常での買い物における選択などというように身近な例で紹介されており、親近感があって理解しやすくなっています。そのほか、難しい表現は極力控え、理解しやすい構成になっている点もおすすめの理由です。

行動経済学入門 Kindle版

「行動経済学見るだけノート」

行動経済学の概要について、イラストを多く用いて解説されています。視覚でイメージをつかめるので、理解しやすくなっているのが本書の特徴です。

イラストメインで文章量が少ないため、じっくり腰を据えて本を読む時間がない人やほかの行動経済学の本を手にしたものの、挫折した経験があるという場合でも難なく読み進められるでしょう。

知識ゼロでも今すぐ使える! 行動経済学見るだけノート Kindle版

『行動経済学 経済は「感情」で動いている』

本書のカテゴリーとしては「行動経済学入門」と同様、行動経済学の入門書です。

経済学の知識、理解がなくてもわかりやすい構成で、行動経済学を学ぶにはうってつけの内容となっていますが、「行動経済学入門」との大きな違いは、クイズなど読者が一緒になって考えられる要素が多分に含まれる点にあります。

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

まとめ

今回の紹介記事だけでも、なんとなく行動経済学とマーケティングの親和性の高さを感じていただけたのではないでしょうか? 人間心理についても言及されていますので、単純に読み物としても興味深い内容のものばかりなので、マーケティングでの活用などを抜きにして、知識の仕入先としても今回の10冊はおおいにおすすめできます。

この記事のライター

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市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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