データ分析を活用するマーケティング手法
データ分析を顧客へのアプローチに活かす手法を、データマーケティングと言います。分析するデータには、性別・年代・職業など顧客の情報だけでなく、購買履歴などがあります。
多種様々あるマーケティング施策でも、データを収集し、データを分析・活用することが大きな特徴となっています。根拠となるデータを収集し、データを見える化することで、分析しやすくするのです。
データマーケティングの目的には、新規顧客の集客の他、既存顧客を継続して管理することや、単価を増加させることなどが挙げられます。
データマーケティングとは何?効果的な分析で成果を上げる方法とは?
https://manamina.valuesccg.com/articles/513顧客のデータを元にして、マーケティングをするデータマーケティング(データドリブンマーケティング)。マーケティング施策として一般的に活用されている手法です。しかしデータマーケティングが何を指すのか、また本当の必要性は理解できていないという方もおられます。そこでこの記事では、データマーケティングの詳細やメリットを詳しく解説します。
データ分析は目的が大事
データを収集・分析するにあたり、目的に対して適切な手法を取ることが大事です。業務内容や部署が変われば、必要となるデータやその分析方法は変わります。
データ分析の基礎知識や事例、現場で使えるノウハウ、統計や分析手法などを知りたい、といった場合におすすめの本、なかでも入門者向けとも言える内容のものをチョイスしました。
データ分析に基礎固めに役立つ本におすすめの本9冊
■データ分析でメジャーリーグ球団を強くする「マネー・ボール」
データ分析を駆使してメジャーリーグ球団を改革するという、データサイエンス小説です。小説のほか、2011年にはブラッド・ピット主演で映画化もされています。
データ分析のイメージを掴むのに最適な読み物なので、リラックスしながらデータ分析の世界を感じられる一冊と言えます。
■データ分析の有効性を把握するには「統計学が最強の学問である」
「データ分析」というワードを世に知らしめたと言っても過言ではない、ベストセラー「統計学が最強の学問である」の続編です。
今作では、統計的手法をマーケティングや人事、そして経営戦略などの領域でどのように活かすかの考え方や手法を系統立てて学べるようになっています。
■データ分析をどうビジネスに活かすか知る「会社を変える分析の力」
大阪ガスのデータサイエンティストである、河本薫氏の書籍。
データ分析というと、数字をどのように扱うかに終止してしまいがちですが、その目的はあくまでもビジネスを変える効用を得るための意思決定で用いる材料の構想が重要である、つまり、データ分析とはなにか?というマインドセットを意識させてくれる一冊です。
■『Excel対応 90分でわかる!日本で一番やさしい「データ分析」超入門』
値下げの効果は?顧客を満足させるには?など具体的な課題に対し、どのようにデータ分析を用いるのかを具体的に紹介しています。
「超入門」とあるように、統計学について具体例とともに解説されているので、これからデータ分析を学ぼうという場合でも読み進めやすくなっています。
■「文系ビジネスパーソンのためのデータ分析入門――分析手法からケーススタディまで」
プログラムや数式を専門としない文系出身者でも、データ分析や統計解析を活用してビジネスを成功させられる、というのが本書のテーマです。
内容としては、データ分析の基本的な紹介、選択すべきデータ分析製品、ケーススタディを通した実践的なデータ活用例などが紹介されています。
本サイトに筆者のひとりであるデジタルガレージの渋谷氏にデータ分析組織づくりについて伺ったインタビュー記事があります。あわせてご覧ください。
株式会社デジタルガレージCDOの渋谷直正さんが語る、データ分析組織づくりの2つの方向とは
https://manamina.valuesccg.com/articles/559データ分析組織づくりの2つの方向性は、トップダウンかボトムアップか。日本航空(JAL)にて10年間データ分析に携わり、現在は株式会社デジタルガレージにてCDO(チーフ・データ・オフィサー)を務める渋谷直正さんが語ります。
■「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」
著者のひとり、森岡氏はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に就任してから3年間で年会来場者数を700万人から1000万人に増やした経歴の持ち主です。
その過程、マーケティング戦略の立案を、実際の数式なども交えて解説しています。そのほか、消費者データを扱う際の注意点や組織づくりなどにも言及しています。
「数学マーケティング」と銘打たれていますが、数学が苦手でも十分に読み進められるのも本書の特徴のひとつです。
■「完全独習 統計学入門」
データ分析に関連する「統計学」について学べる一冊。
標準偏差、母平均推定、カイ二乗分布、t分布統計学といった統計学の基礎を解説していますが、中学数学程度の内容が理解できれば問題ありません。
確率や微分積分、シグマも使わないので、数学が苦手だったという人でも安心して読み進められます。
■「本物のデータ分析力が身に付く本」
データ分析のプロセスを順を追って解説し、ワークブック形式で実際に手を動かしながら理解できるようになっている一冊です。
データ分析を行う上で気をつけるべき点、課題設定の方法やデータの前処理の重要性を特に重点的に解説しています。
なお、分析のためにエクセルを使う点も、実践的な内容を後押ししていると言えます。
■「データ分析人材になる。 目指すは「ビジネストランスレーター」」
『本書は、「ある日突然、データ分析チームを率いたり、データ分析チームのメンバーになったりした」ときに進むべき方向が記されたガイドブック』との記述がある通り、ビジネスで役立つデータ分析の進め方が具体的に示されており、「文系人材」を「データ分析人材」に育成する方法に関しても詳しく説明されている実践的な一冊です。
「データ分析」をビジネスパーソンの基本スキルとして捉え、データ分析を“うまく”進めるための方法論が、著者らが成功と失敗を繰り返して見つけ出した独自の「5Dフレームワーク」という方法論をもとに解説されています。
筆者のひとりである三井住友海上火災保険の木田氏に「ビジネストランスレーター」のキャリアについて伺った対談記事があります。こちらもあわせてご覧ください。
文系30歳からデータ人材に。三井住友海上の精鋭データ組織を支える「ビジネストランスレーター」のキャリア
https://manamina.valuesccg.com/articles/757「データ人材を目指す道はいま、より簡単になっている」。そう語るのは、三井住友海上火災保険株式会社でデータ分析を率いる、木田浩理さんです。意外にも木田さんがデータ分析を学び始めたのは30歳になってから。現在、第一線で活躍するデータサイエンティストに、必要なスキルや身に付け方について、ヴァリューズの後藤がお話しを聞きました。
マーケティングでよく使われるデータ分析の手法
■クラスター分析
クラスター分析は、データ全体をカテゴリー分けして、見通しをよくする方法です。クラスタとは集団・群れの意味があり、似た属性を持ったものを集めた様子を指します。
ビッグデータと呼ばれるような膨大なデータを人間が逐次・リアルタイムに分析することは、現実的ではありません。クラスター分析により、似た購買傾向を持つグループを自動判定することで、レコメンドエンジンに活かしたり、クラスタごとに文面を変えたDMを送るなどのマーケティング施策に生かされています。
■主成分分析
主成分分析はデータを分類する手法の一つで、多数の変数からなるデータを、情報の損失を最小限にしつつ、できるだけ少ない変数に置き換えます。これを、「次元の縮約」、要約された新たな変数を「主成分」と呼びます。
具体的な例としては、身長・体重を肥満度を表すBMIに変換する(二次元→一次元)、国語・算数・理科・社会・英語の5教科の得点を総合点に変換する(五次元→一次元)などが考えられます。
■アソシエーション分析
アソシエーション分析は、POSデータの分析のために開発された手法で、「Aという商品を購入する人の○割が、Bという商品を購入する」という関連を分析する手法です。
有名な「おむつを買った人はビールを買う傾向がある」など、データマイニングによって膨大なデータのなかから、人間では気づきにくい相関関係見つけ出すのに役立ちます。
■クロス集計
クロス集計は、アンケートの設問に対し、回答者の属性をかけ合わせて集計するデータ分析手法です。
例えば、男性/女性、年齢層などの属性ごとに集計することで、女性に人気、若者に人気、などの特徴を見出すことができます。
■決定木分析
アンケート結果をもとに、「もし〜だったらどうなるか?」という仮定を何度も繰り返し、ツリー構造(樹形図)にして結果を複数パターン予測するのが、決定木分析です。
分岐点で複雑かつ多様な要因を整理・分析できるほか、分岐での確率も算出できるのが特徴です。
そのため、自社製品やサービス購入見込みが最も高い人物を探るなどの目的で使われるほか、金融機関においては顧客属性別の貸し倒れリスクの算出、工場での生産管理システムでの不良品発生率の予測といった、リスクマネジメントのためにも利用されています。
■ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、ある事象の発生確率を複数の要因と組み合わせて分析する多変量解析の一種で、ある事象の発生率を算出する方法です。
よく挙げられる例として、リスク因子による病気の発生確率の分析があります。例えば、1日あたりのアルコールの摂取量と喫煙本数のデータからがんの発生率を分析、というものがあります。
それぞれのデータをもとに、アルコールの摂取量や喫煙本数がこれぐらいであれば、がんに罹患する確率はこれほど、という予測を立てられます。
まとめ
データ分析は、知識だけでは不十分です。データ分析のスキルは経験から得られるものが大半と言えます。よって、ひと通りの知識を身につけたら、実際に手を動かして多くの分析を手掛けるのが、データ分析の習得の第一歩となります。
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クロス集計や回帰分析など、データ分析でよく使われる手法の基礎知識
https://manamina.valuesccg.com/articles/1012企業がデータを活用するにあたっては、現場でデータ分析できる人材が増えることが重要です。分析したいときに他部署や外部に依頼せず、自分でデータ分析できれば、より素早く結果を得られます。また、外部に依頼した場合でも、分析に用いられている手法を理解し、分析の目的と合っているか判断する必要があります。そのためには「クロス集計」「ロジスティック回帰分析」「アソシエーション分析」「決定木分析」「クラスター分析」など、主要なデータ分析手法の基礎知識を身につけておきましょう。
データ分析をマーケティングに生かす「データマーケティング」。データを収集し、整理して見える化し、分析してマーケティング施策に落とすには、それなりのノウハウが必要です。本記事ではデータマーケティングを実践する上で、読んでおきたい参考書籍を紹介していきます。
DX推進やデータを活用する力を目指す方に向けてのヒント【VALUES×Tableauセミナーレポート】
https://manamina.valuesccg.com/articles/979今回のセミナーのテーマは “データを活用していく力”。DX(デジタルトランスフォーメーション)やデータリテラシーについての基礎知識、Tableauを使ってデータを読み解くヒントやダッシュボードの事例が紹介されました。
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