【まとめ】競合調査の方法と報告書・レポートのまとめ方

【まとめ】競合調査の方法と報告書・レポートのまとめ方

市場における自社の強み・弱み、競合他社の特徴や戦略を把握し、売上向上対策としての差別化戦略を立てるために必要な「競合調査」。具体的にどのように競合調査を進めればよいのか、順を追って解説します。


競合調査の目的とその効果

競合調査では競合との比較項目を作りデータを集め、分析するステップを踏みますが、目的によって調査の範囲や分析方法が変わります。

競合調査の目的は、競合他社の特徴や戦略、強みや弱みを把握することで自社の差別化戦略の決定に活かすことです。

競合と同じ商品・サービスを展開していたら、差別化のポイントは価格しかありません。競合調査にもとづいて意図的に他社との差別化ポイントを作れば、効率的なマーケティングが可能です。

また後半で触れますが、同じ「競合調査」でもWebサイトの競合調査は、ある程度手法が確立していて、ツールを使った競合分析が行われています。

競合調査でライバルに勝つ!Webサイト分析ツール10選

https://manamina.valuesccg.com/articles/94

SEO対策のために、競合サイトをツールで分析する「競合調査」が一般的になりつつあります。Googleの検索ロジックが複雑化する中、競合調査では検索上位のサイトには評価される要素があるとみなして自社サイトと比較し、差分を埋めていきます。複数のツールで競合調査すれば流入キーワードや被リンク、ドメインの強さなど競合サイトのかなりのことがわかります。

競合調査の進め方 6ステップ

競合調査の目的を明確にするのが大前提

競合調査から得られた結果をどのように利活用するのか、あらかじめ競合調査の“目的”を決めなければ戦略を立てられません。したがって、まずは目的を明確にするところからスタートします。

競合調査の目的としては以下のようなものが挙げられます。

・ビジネスモデルの再検討
・商品、サービスの改良
・新商品の導入
・マーケティング戦略の再検討
・社内の組織改善
・HPやサイトの改善

競合を洗い出す

コカ・コーラ vs ペプシのように直接的な競合を挙げるほか、最近シェアを伸ばしている企業、似たような価格帯をリリースしている企業など、ターゲットユーザーや戦略が似ている競合もピックアップします。

仮説を立てて調査項目を検討する

自社の長所・短所を挙げ、目的達成のための仮説を立てます。その仮説を確認するために、どのような調査項目を用意すべきかを検討します。調査すべき項目は競合調査の目的(2つ上の段落で説明したようなもの)によって異なりますので、それに沿ったものを列挙するようにします。

データを収集する

収集すべきデータは「定量的データ」と「定性的データ」の2種類があります。定量的データは、価格や数量といった数字や割合で比較できる項目。定性的データは、使いやすさといった主観的な項目になります。複数社、複数項目を比較するとあとで振り返りが大変になりますので、データの出典元を記録しておくと効率的です。

市場調査の代表的な方法4つとその進め方(アンケート・電話調査・会場調査・インタビュー・ネットリサーチ)

https://manamina.valuesccg.com/articles/605

マーケティング施策立案のため行われる市場調査ですが、代表的な手法としてアンケート調査、電話調査、会場調査、インタビュー調査、ネットリサーチを取り上げます。調査目的や回答数の規模、予算などからどの手法を選択するか決定しますが、本記事ではそれぞれの手法の特徴と進め方について説明します。

収集データを分析・検討する

3C分析・4P分析、SWOT分析のような定番のフレームワークを使えば、漏れなく効率的に分析できます。

・3C分析
市場の大きさや成長性、顧客ニーズ「Customer(市場・顧客)」、競合他社との状況「Competitor(競合)」、自社の経営状況や強み「Company(自社)」という3つのC(=3C)の視点で競合調査を行う方法。

・4P分析
マーケティングにおける自社でコントロール可能な要素=マーケティング・ミックスにて、4つのP(Product<製品>Price<価格>Place<流通>Promotion<販促>)それぞれの領域の戦略を決定するとともに、相互要素で矛盾がないかの整合性をチェックする方法。

・SWOT分析
「内部環境か外部環境か」と「事業にとってプラス要因かマイナス要因か」の2×2軸で4つに分類し、事業を取り巻く要因を整理するフレームワーク。

結果をアウトプットする

調査結果をアウトプットするために報告書にまとめます。報告書は以下のような体裁にすると、調査結果の全体像を理解しやすくなります。

・表紙/もくじ
表紙には調査内容がすぐにわかるタイトルを記載します。もくじは報告書の資料として必須です。

・調査概要
全体像を把握でき、調査課題への答えが明快にわかるように、結果の要約を構造的に整理します。

・調査結果
フレームワークに沿った表組みや図説を入れることで報告書全体のストーリーを意識しやすくなります。フレームワークごとの表組みなどに関してはこの後、紹介します。

・資料
調査票、提示資料、インタビューフロー等、調査に使った資料を添付します。

3C分析のまとめ方一例

3C分析をまとめる際は、顧客→競合→自社の順に分析すると成功要因を発見しやすくなります。

顧客(Customer)
ここに記入する内容の一例として、顧客の購買意思・購買能力、市場の大きさや成長性、購買に至る過程や決定要因などが挙げられます。

競合(Competitor)
競合他社の経営状況や強みのほか業績や経営資源、競争の状況といった内容を記入します。

自社(Company)
自社の経営状況や強み、業績や経営資源、市場の変化と自社の比較、という内容を入れます。

3C分析の概要とフレームワークの重要性とは?目的とやり方を解説

https://manamina.valuesccg.com/articles/512

自社の製品・サービスをマーケティングするには、自社が置かれた市場環境や強み・弱みなどを理解してマーケティング戦略を立案し、施策を実行していきます。マーケティング戦略立案にあたり、顧客・競合・自社の3つの要素から分析する3C分析という方法があります。この記事では、3C分析の意味や実際の手順、事例を元に3C分析活用の注意点を解説します。

4P分析のまとめ方

4つのPの枠内に調査内容を書き込んでいきます。以下、それぞれの欄に記入する内容の一例を紹介します。

Product(製品)
顧客が製品に求めている機能、ブランドイメージ。また、パッケージデザインやアフターケアといった要素も考慮する。

Price(価格)
もっとも利益を得られる製品の販売価格。定価や割引額、支払い方法などを検討。

Place(流通)
製品やサービスを購入するための販売チャネル、流通範囲。このほか、製品の材料の調達方法、保管・発送場所、在庫などを列挙しておく。

Promotion(販促)
認知度を上げるために必要な施策。広告宣伝活動、それにかかる費用などを挙げる。

4P分析とは?マーケティングミックスに活用

https://manamina.valuesccg.com/articles/623

4P分析は企業が販売戦略を決める際に使わるフレームワークでProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った用語です。ニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通で効率よく販促できれば、売上拡大につながります。

SWOT分析のまとめ方

SWOT分析の結果は、このような表にまとめます。
各項目に入れる内容を紹介しておきます。

Strength(強み)
自社の強み、武器

Weakness(弱み)
自社の苦手なこと、短所

Opportunity(機会)
自社にとってチャンスとなる外部要因

Threat(脅威)
自社を脅かすであろう外部要因

調査の目的次第ではこれで十分ということもあるでしょうが、SWOT分析を施策に具体化するために「クロスSWOT分析」をおすすめします。

外部環境(機会と脅威)を縦軸、内部環境(強みと弱み)を横軸とし、かけ合わせると、それぞれの領域に対する施策を明確にできます。

例えば、弱みx脅威=市場が縮小しつつあり自社のシェアが低い...…という場合に防衛・撤退策を検討することで最悪の状況に陥る状況を回避します。

競合調査の代表的フレームワーク3種(3C分析・4P分析・SWOT分析)

https://manamina.valuesccg.com/articles/589

市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使わているフレームワークが3C分析・4P分析・SWOT分析です。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。

Webサイトの競合調査をする目的や手法

検索流入の拡大を目的にWebサイトの競合調査を行う場合、基本的な手段は「コンテンツの更新」です。デザインなどのUXやリンク施策もありますが、長期間コンテンツ更新せずに検索流入が増加することはめったにありません。

コンテンツの更新にあたっては、記事のキーワード、品質、文字数、更新頻度を決める必要があります。これらの決定にあたっては、検索結果の上位サイトをベンチマークとする方法があります。その理由として、上位サイトはGoogleから評価される要素を含んでいる、と考えられるからです。

上位のWebサイトを競合調査し、自社のサイトとのギャップを埋めるのに必要なコンテンツ量を計ると、更新計画を立てやすくなります。

競合サイトを見つける第一歩=調査対象のキーワードを決める

競合サイトを見つけるために欠かせないのが「自社が重視するキーワード」の決定です。

そのためには
・自社サイトのアクセス流入上位のキーワード
・これから検索上位を取りたいキーワード
という2つの要素を重視する必要があります。

競合サイトと自社サイトの「ギャップ」を探る

競合サイト決定後は、さらに先方の「流入キーワード」「ドメインの強さ」「コンテンツ」について調べます。

競合サイトの流入キーワードやユーザー層を分析するためには有料ツールの利用がおすすめです。たとえば、インターネット行動ログ分析サービス「Dockpit(ドックピット)」はあらゆるサイトのユーザー属性、集客方法、サイト内の人気コンテンツを調査できます。

サイトのコンテンツや品質が同等の場合、一般にドメインが強いほうが検索結果上位に表示されます。ドメインの強さは被リンクの種類や数がGoogleからの評価対象になります。

競合サイトのWebサイトを分析するには、以下の5項目に沿って調査します。
・サイト構成
・コンテンツの総数
・コンテンツの品質
・文字数
・更新頻度

競合サイトの調査・分析で各要素を洗い出すと、自社サイトとのギャップとそれを埋めるのに必要な、コンテンツ拡充のための作業量を試算しやすくなります。

検索上位のサイトと同等品質・ボリュームのサイトを再現できれば、競合サイトと同等の検索順位を取れると仮定し、ギャップを埋めていくことが、Webサイトを競合調査する目的です。

Webサイトの競合調査、なかでもコンテンツの調査内容の詳細については以下のリンクで詳しく解説しています。調査結果をまとめる際の参考にもなりますので、ぜひご確認ください。

今日から始める!Webサイトの競合調査とライバルの見つけ方

https://manamina.valuesccg.com/articles/738

オウンドメディアを企画したり、新たに自社サイトのSEO担当になったとき、どこから手を付けたら良いでしょう?メインの流入キーワードを見つけ、そのキーワードの競合となるWebサイトを探し、サイトの規模や更新頻度を自社サイトを比べることで、競合Webサイトに追いつくために必要なコンテンツ量や更新頻度の参考になります。

まとめ

商品・サービスに関する競合調査は3つのフレームワーク(3C分析・4P分析、SWOT分析)をもとにおこない、それぞれの「型」に沿ってまとめると、伝わりやすく、説得力のある資料が完成します。

Webサイトの競合調査は、キーワードの選定と競合サイトとのギャップを埋めるための作業をいかに積み上げられるかが重要になります。

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