サブスクリプションの定義とは?
サブスクリプション(subscription)は英語で「定期購読」を意味する単語で、定着しつつあるビジネスモデルとして注目されています。
従来の商品やサービスは、「商品やサービスを買う」ことにお金を払います(買い取り式)。一方、サブスクリプションは「利用権」に対して一定額の料金を支払います。月単位、年単位というように、期間契約するのが一般的です。
サブスクリプションは買い取り式よりもイニシャルコストが低いのがポイントです。利用者にとってはそのぶん、商品やサービスを手軽に使いはじめられます。
サブスクリプション人気の背景
どうしてサブスクリプションが流行っているのでしょうか?
理由は大きく2つ考えられます。ひとつ目は「消費者心理の変化」です。これまでモノは所有することが価値とされてきましたが、ミニマリストに代表されるように「所有すること自体に価値を感じない」という人々が増えています。
また商品やサービスを購入したら「思っていたのと違った」経験は誰しもあるはずです。いまやインターネットでさまざまな情報にアクセスすることができます。情報が入れば入るほど、「失敗したくない」という思いが強くなります。そのため「はじめやすく終わらせやすい」サブスクリプションは、失敗したくない消費者心理にうまく合致しているのです。
2つ目は企業側の理由です。モノやサービスがあふれると、そのぶん消費者ニーズが多様化します。企業側は特定のものを用意するだけでは、顧客ニーズが掴めなくなってきています。最大公約数的に商品・サービスをラインナップするサブスクリプション型ビジネスは、企業側にとっても顧客ニーズに対応しやすいメリットがあるといえます。
サブスクリプションのメリットとデメリット
それではサブスクリプションのメリットとデメリットを簡単におさらいしておきましょう。
メリット
・さまざまな商品、サービスを試せる
・利用回数が増えればそれだけお得
・企業側にとっては、定期収入と顧客ロイヤルティーを得やすくなる
デメリット
・あまり使わないと逆に損してしまう
・長期に利用した場合は、トータル費用が買い切りよりも高くなる場合がある
・企業側にとっては、ある程度のユーザー数がいないと利益が出ない
サブスクリプション型サービスの事例
続いて、実際にあるサブスクリプション型サービスの事例を紹介します。
■Microsoft Office 365(ウェブサービス)
Word、Excel、PowerPointなどでおなじみのMicrosoft Officeソフト。買い切りのイメージを持っている方も多いですが、実はここ数年サブスクリプション型へと移行しています。Officeソフトは3年ごとにバージョンが更新されます。買い切り型であればバージョンアップはできませんが、サブスクリプションでなら常に最新のバージョンを利用できます。
無料のオンライン版の Microsoft Word、PowerPoint、Excel、OneNote で共同作業します。ドキュメント、ワークシート、プレゼンテーションをオンラインの OneDrive に保存します。それらを他のユーザーと共有して、同時に作業します。
■音楽のサブスクリプション事例「Apple Music」
サブスクリプションビジネスで最も競争の激しいジャンルが「音楽」です。音楽のサブスクリプションサービスの多くは、「月額〇円で聴き放題」という形をとっています。Apple Musicはアップル社のサービスで、約6000万曲のなかかからストリーミングでどれでも聴くことができます。Apple Music以外にも、SpotifyやAmazon Musicなどさまざまなサービスが登場しています。
広告なしで6,000万曲をストリーミングできます。曲の流れに合わせて歌詞を見たり、先の歌詞にタップで飛んだり。お気に入りの曲をダウンロードしてオフラインで再生することもできます。
■動画のサブスクリプション事例「Hulu」
Huluは動画のサブスクリプション型サービス。契約すれば邦画や洋画、アニメ、ドラマなどがいつでも見られます。ソフトフェアや音楽もそうですが、デジタルコンテンツは複製が容易なのでサブスクリプションとの相性がいいのです。
Huluなら60,000本以上のドラマ・映画・バラエティ・アニメが見放題!まずは2週間無料お試し!
Amazonプライム・ビデオの独走ぶりが明らかに~急速に浸透する動画サブスクの最新事情(1)
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■飲食店のサブスクリプション事例「Provision」
ワイドショーや情報番組でよく取り上げられています。Provisionは六本木にある高級フレンチレストラン。「月額30000円で1カ月の間に何度来てもいい」というサービスをおこなっています。
グループに1人会員がいれば、その人を含めて4名までサービス対象となるので、1回行けばほぼ元が取れます。お店側にとっては売り上げの波がなくなり、安定した経営につながります。また、基本的に予約で席が埋まるので、仕入れの量をコントロールしやいメリットもあります。
六本木 大人のフレンチレストランProvision(プロヴィジョン)
https://provision-tokyo.com/六本木の街にひっそりとたたずむ、大人のフレンチレストランProvision(プロヴィジョン) 。フレンチベースに旬の食材を取り入れた料理と、フランス・日本・アメリカ原産の選りすぐりのワインを、六本木の夜景とともにお楽しみいただけます。六本木駅から徒歩2分、フレンチレストラン Provisionでお洒落なひとときをお過ごしください。
■家具・家電のサブスクリプション事例「CLAS」
CLAS(クラス)は家具・家電のサブスクリプション型サービス。対象エリアは限られますが、ソファや棚、冷蔵庫などさまざまな商品を月額定額で借りられます。たとえば、単身赴任をはじめる時、家財道具を全部揃えるのは大変ですが、CLASを利用すれば手軽かつ低コストで生活用品を用意できます。
対象エリア:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県(2020年1月8日現在)
CLAS(クラス)で家具・家電を買わない・捨てない・持たない生活をはじめよう。必要なときに、必要なものだけを使う。もっと気軽で心地よい暮らしを。
サブスクリプションサービスのポイントは「コスパ」
サブスクリプションは、商品・サービスを使う「権利」を販売するビジネスモデルです。「失敗したくない」「お得に利用したい」と考える人が増えた結果、サブスクリプション型のサービスが台頭しています。言いかえれば、価格と価値に対する意識がとてもシビアになってきています。
サブスクリプション型サービスのポイントは「コスパ」です。加えて、絶えず新鮮な商品・サービスを取り入れ、契約の継続率を上げる工夫が求められます。
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現在、さまざまな業界でのサブスクリプションビジネスが進んでいます。Apple Musicなどの音楽配信やNETFLIXなどの動画配信といったコンテンツサービスから、Amazon Primeなどの会費制ECサービス、生協やオイシックスなどの食品宅配など、既に日常生活に取り込んでいる方も多いでしょう。目新しいところでは、美容室や居酒屋といったサービス業においてもサブスクリプション方式のビジネスが展開され始めたりと、さらに市場規模が広がるとの見方もありますが、これらの中から、今回は『ニュースメディア』に焦点を当ててみました。
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