withコロナで需要増?「お花のサブスク」に興味があるのはどんな人?

withコロナで需要増?「お花のサブスク」に興味があるのはどんな人?

withコロナでステイホーム時間が長くなる中、ガーデニングと共に注目を浴びているのが、お花のサブスクサービス。今増えているサブスクリプションサービスの中でも、おうち時間のQOL(生活の質)を上げることにかけては非常に有効なこのサービス、興味を持っているのはどんな人たちなのでしょうか。今回はお花のサブスクサービスのユーザーについて、特徴と動向を調査しました。


お花のサブスク2強。「ブルーミー」VS「HitoHana」

ユーザー数およそ300万UUの人気サイト

まずはお花のサブスクサービスのユーザー数から分析していきます。2強は「ブルーミー」「HitoHana」
Web行動ログ分析ツール「Dockpit」で調査を行ったところ、ユーザー数は「ブルーミー」は月平均346万UU、「HitoHana」は273万UUと、他社を寄せ付けない圧倒的強さを見せています。

「ブルーミー」のサービス開始は2016年、日本初の花のサブスクリプションサービスとして注目を浴びました。その後2020年に、植物ECとして高い実績のあった「HitoHana」がサブスクに進出、一時は「ブルーミー」を上回るユーザー数で業界を牽引しました。

分析対象サービス
「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」

お花のサブスクサービス4社ユーザー数推移

お花のサブスクサービス4サイト ユーザー数推移

対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ

ブルーミー(bloomee)ときめきが続く、お花の定期便 | お花のサブスク

お花の定期便 | HitoHana(ひとはな)

【LIFULL FLOWER】毎月届く季節の花の定期便

FLOWER|かわいいが届くお花便

ディスプレイ広告効果の「ブルーミー」と自然検索の「HitoHana」

業界を牽引する「ブルーミー」と「HitoHana」ですが、集客方法が大きく異なることがわかりました。

自然検索による集客をメインとする「HitoHana」に対し、「ブルーミー」はディズプレイ広告による集客に成功しています。

また、外部サイトとSNSによる集客では「FLOWER」が好調です。

お花のサブスクサービス4サイト 集客構造比較

お花のサブスクサービス4サイト 集客構造比較

対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ

さらに、「ブルーミー」と「HitoHana」について、サイト訪問のきっかけとなった検索キーワードを比較しました。その結果、下表のように、「ブルーミー」はお花のサブスクサービスの検索がきっかけに、一方の「HitoHana」は観葉植物(ウンベラータ、パキラ、ドラセナなど特定の植物名も多く含む)の検索がきっかけになっていることがわかります。

「ブルーミー」および「HitoHana」流入キーワードランキング

「ブルーミー」および「HitoHana」流入キーワードランキング

期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ

お花のサブスク、ユーザー属性の違い

続いて、お花のサブスクサービス4サイトのユーザー属性を比較します。

性別は4サイトとも女性が過半数を超え、「ブルーミー」「LIFULL FLOWER」については8割以上が女性でした。
年代を比較すると、「FLOWER」は若年層が多く、20代が最多でした。集客方法が外部サイトやSNS経由が多いことも頷けます。

一方で、「ブルーミー」は40代が最多、50代、60代のユーザーも見られました。

お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/性別

お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/性別

対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ

お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/年代

お花のサブスクサービス4サイト ユーザー属性比較/年代

対象サービス:「ブルーミー」「HitoHana」「LIFULL FLOWER」「FLOWER」
期間:2020年5月〜2021年4月
デバイス:PCおよびスマホ

お花のサブスクユーザーの関心ごとを調査

お花のサブスクサービスは幅広い年代で興味を持たれていることがわかりました。

次に、お花のサブスク業界トップ2社である「ブルーミー」または「HitoHana」のサイトに接触のあった人(n=4,541人)について、その他の興味関心について分析します。分析には、検索やサイト閲覧などの特定アクションを任意に設定し、前後のWeb行動を可視化することで、消費者ニーズを分析できるツール「story bank」を使用します。

花、植物、ガーデニングが好き

「ブルーミー」または「HitoHana」のサイトに訪問したユーザーが、 訪問前後3時間内に他のどのようなサイト、アプリをみているかを表したのが以下の表(上:訪問サイト、下:訪問アプリ)です。

サブスクの利用検討のみならず、植物や花にもともと興味があり、趣味としているユーザーが多いことがわかります。

また、前後に接触したアプリの顔ぶれからは、「暮らしを素敵に丁寧に。」をコンセプトにしたライフスタイルメディア「キナリノ」やECメディア「北欧、暮らしの道具店」などナチュラルで心地よい生活に興味のある人、「女性向け減量アプリ - 自宅でワークアウト」など健康やダイエットに興味のある人、「ミュゼパスポート」「ORBIS」などスキンケアやコスメに興味のある人であるようです。お花のサブスクを利用しようとする人の傾向がよく表れています。

サイト訪問前後3時間以内の訪問サイトランキング

サイト訪問前後3時間以内の訪問サイトランキング

対象:「ブルーミー」または「HitoHana」の訪問ユーザー(n=4,541人)
期間:2020年4月〜2021年3月
分析ツール:story bank
※特徴値:対象者が、一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するサイトを可視化するための指標

サイト訪問前後3時間以内の訪問アプリランキング

サイト訪問前後3時間以内の訪問アプリランキング

対象:「ブルーミー」または「HitoHana」の訪問ユーザー(n=4,541人)
期間:2020年4月〜2021年3月
分析ツール:story bank
※特徴値:対象者が、一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するアプリを可視化するための指標

まとめ

今回はお花のサブスクサービスについて分析しました。
同サービスにおいて業界を牽引しているのは、「ブルーミー」と「HitoHana」です。

この2社は集客方法が異なり、「ブルーミー」はディズプレイ広告による流入が多く、「HitoHana」は自然検索による流入が多いことがわかりました。また、検索キーワードですが、「ブルーミー」は“お花のサブスク”や“定期便”を検索しているのに対し、「HitoHana」は主力商品の一部である観葉植物を検索していることがわかりました。

お花のサブスクサービス4社のユーザー属性も比較しました。4社とも女性比率が高く、「ブルーミー」は40代が最多、SNSからの流入が多い「FLOWER」は、20代が最多でした。

お花のサブスクユーザーの興味関心について、「story bank」を用いて分析した結果、ナチュラルで心地よい生活に興味のある人、健康やダイエットに興味のある人、スキンケアやコスメに興味のある人が多いことがわかりました。

分析概要

今回の分析には、マーケティング分析ツール『Dockpit』および『story bank』を使用し、ユーザーのデジタル行動を分析しました。

『Dockpit』は、競合サイト分析や消費者のトレンド調査にとても役立ちます。もし宜しければ、無料版もありますので、下記よりご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。

関連する投稿


「引っ越し」に関するニーズを調査!「挨拶」や「ふるさと納税」に注目

「引っ越し」に関するニーズを調査!「挨拶」や「ふるさと納税」に注目

進学、卒業、就職など環境が大きく変化する春。引っ越しをして新天地での生活を始める人も多いと思います。引っ越しを考える上で一番気になることは何なのでしょうか。引っ越し検索者の心理を読み解いていきます。


「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

検索エンジンで調べ物をするときによく使われる「〇〇とは」検索。今回は、直近1年間で検索数が多かった注目ワードや、時期によって急上昇したトレンドワードをご紹介します。「とは」検索から見えてくる最新の流行りやみんなの関心事を読み解いていきます。


いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Chinese and Taiwanese manufacturers have been growing their market share and number of users, and they are expected to compete with Japanese companies. We will analyze the current sales trends of HUAWEI, Xiaomi, and ASUS in Japan and predict their future while comparing with Japanese brands.


海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

近年、世界で着実にシェアを伸ばしつつある中華圏メーカー。日本においてもその製品の利用者は増加しており、日本企業と競合していくことが予想されます。そこで今回は日本にも進出している代表的な3つの中華圏メーカー、HUAWEI、Xiaomi、ASUSについて、日本における現時点での販売動向を分析し、国産ブランドとも比較しながら3社の今後を占っていきます。


最新の投稿


Faber Company、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」にAI チャット機能を追加

Faber Company、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」にAI チャット機能を追加

株式会社Faber Companyは、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」に新たな機能として「AI チャット機能」を追加したことを発表しました。


母の日に約7割がプレゼントを購入する予定!母の日ギフトへの関心は昨年より高まる【母の日.me調査】

母の日に約7割がプレゼントを購入する予定!母の日ギフトへの関心は昨年より高まる【母の日.me調査】

Groov株式会社は、同社が運営する母の日に特化したメディア「母の日.me」にて、全国の10代~70代の男女を対象に母の日ギフトに対する意識、購買動向に関するアンケート調査を実施し、結果を公開しました。


チラシのクーポン、約7割が使用経験あり!クーポンきっかけで初めて来店した方も【NEXER調査】

チラシのクーポン、約7割が使用経験あり!クーポンきっかけで初めて来店した方も【NEXER調査】

株式会社NEXERは、株式会社アドワールドと共同で「チラシについているクーポン」に関するアンケートを実施し、結果を公開しました。


ライフエンディング ~ 別れの予感

ライフエンディング ~ 別れの予感

誰にも必ずおとずれるもの、それは「死」ではないでしょうか。「死」という言葉を前にすると誰しもがネガティブになりがちですが、「人生100年時代」と言われ始めた今、自らの「死」について前向きに、かつ整然と整理する必要がありそうです。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏が、経済活動にもつながる様々な形の「終活」について解説します。


決済者が抱えるDX課題の1位は「新規営業を強化したい」【コミクス調査】

決済者が抱えるDX課題の1位は「新規営業を強化したい」【コミクス調査】

株式会社コミクスは、同社が運営するクラウド・SaaSサービスの情報プラットフォーム『kyozon』会員を対象に、決済者のDX(デジタルトランスフォーメーション)課題に関する調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ