スキマバイトアプリ「Timee」、人気女優出演のCMで 月間ユーザー数が約2倍に

スキマバイトアプリ「Timee」、人気女優出演のCMで 月間ユーザー数が約2倍に

橋本環奈さん出演のCMが大きな話題となったスキマバイトアプリ「Timee(タイミー)」。事前登録が不要で、条件をクリアすれば好きな場所・時間・職種で働けると注目を集めています。サービスの特徴やユーザーの傾向を従来のアルバイト求人アプリと比較しながら調べていきます。


Timeeとは?

Timee」は、空いた時間に働きたい人と人手が必要な店舗・企業をつなぐスキマバイトアプリです。従来の単発バイトのような面接や事前登録 は不要で、条件をクリアすれば好きな場所・時間・職種で働くことができます。仕事が終わるとその場で報酬がアプリに反映されるため、「すぐに働けて、すぐにお金がもらえる」と人気を集めています。2019年11月より女優の橋本環奈さん出演のCMを放映し、大きな話題となりました。

職種は、飲食店スタッフやイベントスタッフの他、オフィスワークやモニター調査もあり希望に合わせて仕事を選ぶことも可能です。現在100万人を超えるワーカーが登録しており、マッチング率90%以上当日稼働率99.5%と採用コスト削減にも大きく貢献するサービスです。(参考:Timee公式サイト

エン・ジャパン株式会社の調査によると、希望する勤務期間について、25%が「1日だけ」と回答しています。時間に融通が利き、空いた時間に働くことができるスキマバイトには大きなニーズがあるといえます。

ユーザー数はCM放映開始後2倍を超える

まず、アプリ「Timee」利用者のユーザー数推移を分析しました。CM放映を開始した11月から12月にかけてユーザー数を一気に伸ばし、一か月でMAUは約2倍となりました。その後もユーザー数は上昇傾向にあり、スキマ時間のバイト探しに利用されている傾向が伺えます。3月にはユーザー数が下落していますが、これは新型コロナウイルスにより飲食店の閉鎖・外出自粛が広がったことが要因といえるでしょう。

対象期間:2019年10月~2020年3月
デバイス:スマートフォン

年代別のユーザー数の変化を見てみると、特に20代が急激に伸びていることが分かります。CMは若者の日常生活を描いたものとなっており、内容に共感した若年層が利用につながったといえます。

対象期間:2019年10月~2020年3月
デバイス:スマートフォン

では、実際にどんな消費者がTimeeを利用しているのでしょうか。大手求人アプリ「タウンワーク」「バイトル」利用者と比較し、ユーザー属性を調べてみました。

まずは年代についてです。Timeeは約5割のユーザーが20代であり、主に若年層が利用していることが分かります。

対象期間:2019年10月~2020年3月
デバイス:スマートフォン

次に、職業についてみてみます。他アプリ同様「パート・アルバイト」「主婦(夫)」「学生」比率が高く、全体の50%近くを占めます。また、「バイトル」「タウンワーク」と比べ一般社員の比率が高いことが分かります。手軽に利用ができ、事業委託案件も多いTimeeでは、社会人が副業として利用するケースも多いことが影響しているといえます。

対象期間:2019年10月~2020年3月
デバイス:スマートフォン

自粛期間は料理宅配サービス・エンタメアプリを幅広く活用

Timee利用者とタウンワーク・バイトル利用者では、ネット行動にどのような特徴があるのでしょうか。Timee利用者と「タウンワーク」または「バイトル」利用者が使用しているアプリの特徴を調べました。

両者に料理カテゴリのアプリがランクインしていますが、その特徴は異なります。タウンワーク・バイトル利用者の場合「クックパッド」「クラシル」など、レシピ検索アプリがランクインしているのに対し、Timeeの場合は「Uber Eats」といった料理宅配サービスが目立ちます。

また、Timee利用者は「Amazonプライム・ビデオ」「LINEマンガ」などのエンタメ系アプリを特徴的に利用しているのに対し、タウンワーク・バイトルの場合、エンタメ系アプリは少なく、代わりに「スマートニュース」「グノシー」などのニュースアプリが目立ちます。外出自粛期間の過ごし方にも両者には大きな違いがあることが分かりました。

リーチ率(母集団に対する利用比率)を各アプリ利用者・全モニターで比較し、その差分が大きい順にランキングを作成

2020年1月~3月に「Timee」・「タウンワーク」もしくはバイトルを利用したユーザーが2020年3月に利用したアプリをそれぞれランキング化

手軽に空いた時間でアルバイトが探せる「Timee」。CMをきっかけに20代を中心とした若年層の人気を集めていることが分かりました。また、外出自粛期間には料理宅配サービスを利用したり、エンタメ系アプリを幅広く活用していることが分かりました。緊急事態宣言の解除後、求人数と利用ユーザー数がどのように変化するのか、注目が高まります。

調査・分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2019年3月~2020年2月のネット行動ログデータを分析しました。
※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

分析対象期間:2019年10月~2020年3月
デバイス:スマートフォン

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この記事のライター

大学でマーケティングを勉強しながら、ヴァリューズでインターンとして働いていました。2020年の春からは新卒としてヴァリューズに入社しました。

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