Zoomでテレビ会議!無料版は何人まで?コロナ対策で一部の時間制限緩和中

Zoomでテレビ会議!無料版は何人まで?コロナ対策で一部の時間制限緩和中

新型コロナ対策で高まるテレワーク需要でテレビ会議ツールの需要が高まっています。なかでも「Zoom(ズーム)」は敷居の低さや通話品質が評価され、急激にユーザーを増やしています。人気になった理由や無料版と有料版の違いなどZoomの基本を解説します。


テレビ会議用ツール「Zoom」

Zoomは、パソコンやモバイル端末からオンラインで音声や映像を使ってテレビ会議ができるツールです。ファイル共有、画面共有、ホワイトボードなど会議に必要な機能も備わっています。

世界各国で外出自粛の動きが進んでいますが、Zoomは急激にユーザー数を増やしていて、2019年12月末に全世界でユーザー数1,000万人だったのが、2020年3月には2億人に達したという報道が出ています。

Zoomがメジャーになった理由

短期間で一気にユーザー数を増やした要因として、まず注目したい点は、利用にあたってのハードルの低さです。Zoomでは、アカウント登録が必要なのは会議のホストだけです。ゲストは会議URLをクリックして、ブラウザまたはアプリから会議に参加するだけです。

この敷居の低さが、営業やセミナーで社外の人とコミュニケーションしたり、新型コロナ対策で急にテレワークになったため、メンバーのサポートが難しい状況にある企業に評価されています。

また、テレビ会議で使える端末はパソコンだけではなく、スマホやタブレットといったモバイル端末も含まれます。モバイル端末には専用アプリをインストール必要がありますが、わずらわしい設定はありません。

無料の料金プランでもかなり充実した機能を機能を有している点もユーザー増の理由と言えるでしょう。

料金プランは以下の4パターンです。

料金プラン名 月額料金
基本 無料
プロ 2,000円/1ホスト
ビジネス 2,700円/1ホスト
企業 2,700円/1ホスト

無料版のZoomでも参加者100人、40分までのビデオ会議可能

Whereby(旧appear.in)のように無料だと数人の人数制限があるビデオ会議サービスもありますが、Zoomの場合は40分制限あるものの100人参加可能と、無料で使える範囲が広いのが特徴です。

・100人の参加者まで同時接続可能
・時間無制限の1対1ミーティング
・40分までのグループミーティング
・ビデオ会議機能(アクティブスピーカーの表示、同時画面共有など)
・会議の録画機能(ローカル保存のみ)

なお議事録として使える録画機能ですが、これはローカル保存=PCに保存録画するものなので、端末の不調によって録画できなかったり、マシン次第では録画にパワーを使いすぎて肝心の会議に支障をきたす危険性もありえることを考慮しておく必要があります。

新型コロナ対策でZoomの時間制限が一部緩和されている

Zoomには、会議1回あたりの時間制限があります。無料版では3〜100人の会議で1回40分、有料版で24時間です。ビジネス利用の場合、無料版だと途中で中断して会議を作り直す手間がかかります。

Zoom社では、新型コロナの影響拡大を受けて「中国国内ユーザー」の時間制限延長と日本国内の「教育関係者」に無料提供することを発表しています。

その他の一般ユーザーについては、従来の無料版の制限緩和はないのでご注意ください。

Zoomの3つの有料プランの基本概要

Zoomの「プロ」プラン:2,000円/1ホスト

「プロ」プランでは、基本(無料)に以下の機能が追加されます。

・100人の参加者
・3人以上のグループミーティングは24時間まで
・ユーザー管理
・管理者機能コントロール
・レポーティング
・カスタムパーソナルミーティングID
・スケジューラーの指定
・1GBのMP4/M4Aクラウド記録
・REST API


参加者は100人と基本(無料)プランと変わりませんが、追加料金で増やせます。ビジネス目的で注目の機能は「1GBのMP4/M4Aクラウド記録」です。これは1GBまでの動画をクラウドに会議を録画する機能です。基本プランのローカル録画のように、録画に失敗する可能性を減らせます。

Zoomの「ビジネス」プラン:2,700円/1ホスト

「ビジネス」プランでは、プロプランに以下の機能が追加されます。

・300人の参加者
・専用電話サポート(英語のみ)
・管理用ダッシュボード
・バニティURL
・業務用導入のオプション
・管理されたドメイン
・シングルサインオン
・会社のブランディング
・カスタムメール
・LTI統合
・クラウド記録トランスクリプト


ビデオ会議の参加人数が一気に300名まで増える(アドオンでさらに追加可能)ほか、オリジナルのURL作成(バニティURL)、会議の映像や音声データをプライベートクラウドへ保管(業務用導入のオプション)、ユーザーがミーティングに参加できる独自のカスタマイズしたページに会社のブランドを追加できるといった付加価値が用意されています。

このプランでは登録ホストの最低人数が10名に決まっています。つまり、最低でも10ホスト、27,000円/月のコストがかかる点を留意してください。

Zoomの「企業」プラン:2,700円/1ホスト

「企業」プランでは、ビジネスプランに以下の機能が追加されます。

・無制限のクラウド保存
・専用のカスタマーサクセスマネージャー
・エグゼクティブ事業レビュー
・ウェビナーとズームルームの割引バンドル


本プランを選択した企業に合わせた、オーダーメイド的なZoomシステムを構築できるのが最大の特徴です。

クラウドに保存できる録画、録音データ容量も無制限になるほか、ウェビナーはデフォルトで500名、アドオンでさらに人数を増やせます。

最上位プランということもあり、申し込みは100ホストから。よって、最低でも27万円/月のコストがかかります。

Zoomの有料プランで注目のポイント

ユーザーの利用状況や通信状態を管理できる

Zoomの有料プランで、アカウントのオーナーと管理者は、各ユーザーの映像や音声、チャットファイルの利用履歴を管理できます。

クラウドに記録された上記の情報は、日付、ホスト、ミーティングID、議題、キーワードという要素から検索できます。そのほか、記録リストをCSVファイルでエクスポート可能です。

通信状態については、帯域、遅延などの情報を確認できるため、トラブルシューティングに役立てられます。

SSO(シングルサインオン)連携を利用できる

企業で利用する場合、Microsoft AzureやGoogle App、OktaといったSSOサービスを活用し、一元的にZoomの管理を実現します。

利用料金の支払い方法

Zoomの利用料金の支払いはクレジットカードもしくはPayPalのみとなっています。利用可能なクレジットは以下の4つです。

・Visa
・Master Card
・American Express
・Discover

請求書は会員ページの「Billing」内の「Invoice History」タブにあります。

Zoomのセキュリティ問題が話題に

急激なユーザー増で注目されるZoomですが、その分セキュリティ面の指摘も増えていて、使用を禁止する政府や大企業も出てきています。

2020年4月に脆弱性が明らかになり、いたずらの「Zoombombing」という問題のほか、エンドツーエンド暗号化をしていると誤表記したりといったセキュリティに関するトラブルが続々発生してしまいました。しかし、すぐにCEOが謝罪し、修正の対応にあたっています。

参考リンク:ZoomのCEOが一連の問題について謝罪 修正と透明性を約束

ユーザー側でも以下の自衛策を講じられます。
・ブラウザ版のZoomで会議に参加する
・Zoomで開くWeb会議にホストがパスワードと待機室の設定をおこなう
・Zoomクライアントを最新状態にアップデートする

Zoomでのテレビ会議をどのような規模で使うのかをあらかじめ決めておく

Zoomの無料版には「テレビ会議の時間が40分」「会議の録画はローカルに保存」というのが有料版との大きな違いと言えます。

少人数での会議、単純にテレビ会議ができればよいというのであれば、無料版でも実用上の問題はまったくないでしょう。

企業内でいくつものテレビ会議環境を構築する必要がある、また、それらを管理する必要がある、などビジネスツールとして大々的に利用するのであれば、当然のことながら有料版を視野に入れるべきですが、機能とコストを見極めて慎重にチョイスすることをおすすめします。

Zoomの基本や録画方法、その他のWeb会議ツールについて

新型コロナウイルス感染症の影響で世界中のリモートワークが増えたことから、Zoomの利用者は2019年12月の1,000万人から2020年4月のピーク時で3億人と、30倍に急増しました。参加者側は無料なので、Web会議でZoomに参加した経験がある方も多いのではないでしょうか。Zoomの基本やホストになった場合の録画方法、その他のWeb会議ツールの比較については、以下の記事も御覧ください。

Zoomでオンラインセミナーを実現する「ビデオウェビナー」機能の使い方とコツ

https://manamina.valuesccg.com/articles/919

コロナ対策で対面での会議やセミナーができなくなり、オンライン会議やオンラインセミナーの需要が高まっています。「Zoom」の有料プランなら「ビデオウェビナー」機能で、100人以上が参加するオンラインセミナーを実現できます。Zoomのウェビナー機能の基本的な使い方やコツをご紹介します。

無料で使い勝手もよいWeb会議ツールおすすめ6選

https://manamina.valuesccg.com/articles/845

新型コロナ対策で緊急事態宣言もでるなか「テレワーク」がにわかに脚光を浴びています。物理的に会えない状況で社内会議に営業、セミナーを実現するには「Web会議」ツールが必要です。今回はWeb会議ツールで無料でどこまでできるのか、Teams、Googleハングアウト(Meet)、Zoom、Skype、Webex、Wherebyの6つを比較します。

ホスト以外もOK!Zoomで会議資料を画面共有する方法

https://manamina.valuesccg.com/articles/1263

Zoomの画面共有は、資料の画面を共有する機能。画面共有すれば、よりリアルなWeb会議やミーティングを行えます。Zoomの画面共有機能はホストでなくてもOK!Zoomの画面共有機能のやり方から画面共有ができない場合のトラブルシューティングまで解説します。

Zoomのバーチャル背景設定方法を解説。うまくいかない場合の回避方法も!

https://manamina.valuesccg.com/articles/1256

リモートワークや在宅ワークの増加に伴い、Zoomの利用頻度が高くなっています。手軽にWeb会議できるZoomですが、背景がごちゃごちゃしているので映したくない、プライバシー的に背景を映したくない場合は、バーチャル背景(仮想背景)の設定をおすすめします。無料版のZoomでも設定可能なバーチャル背景について、詳しく解説します。

Zoomでテレビ会議!無料版は何人まで?コロナ対策で一部の時間制限緩和中

https://manamina.valuesccg.com/articles/846

新型コロナ対策で高まるテレワーク需要でテレビ会議ツールの需要が高まっています。なかでも「Zoom(ズーム)」は敷居の低さや通話品質が評価され、急激にユーザーを増やしています。人気になった理由や無料版と有料版の違いなどZoomの基本を解説します。

Zoom、GoogleMeetなどオンライン会議ツールの利用実態を調査。コロナ禍でリモート文化は定着したのか

https://manamina.valuesccg.com/articles/1439

コロナ禍で大きく需要が伸びたオンライン会議ツールについて、新しい「働き方」へ与えた影響を探っていきます。Web行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて、Zoom、GoogleMeet、Skypeの3ツールのユーザー数や利用時間帯を調査。さらに、地方別のコロナ前後での伸び率や、年代別の比較も行っています。BtoBコミュニケーション施策を考える上での参考にしてみてください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


Canvaとは?使い方の基本や初心者でもプロっぽいデザイン作成のコツ

Canvaとは?使い方の基本や初心者でもプロっぽいデザイン作成のコツ

Canva(キャンバ)は、広告バナーや営業資料など、様々なデザインを制作できるだけでなく、テンプレートが豊富に用意されているため、初心者でもプロレベルのデザインを作成できます。とはいえ、Canvaでデザインを制作するためには基本的な操作を理解しておかなければテンプレートを使用したとしても作成に時間がかかってしまいます。 そこで本記事では、Canvaの特徴や主要機能、複雑な操作やアイデアがなくてもプロレベルのデザインをCanvaで制作するためのデザイン作成の流れやコツをご紹介します。


競合サイト分析に使えるツール12選(無料版も!)

競合サイト分析に使えるツール12選(無料版も!)

無料から有料まで競合サイト分析に使えるツールをまとめました。SEO対策や広告出稿の方法はさまざまですが、競合するサイトをベンチマークとして、自社サイトよりも優れている点やその要因を分析することも有効です。特にSEO対策を目的とした競合分析にあたっての考え方、競合分析に使えるツールを紹介します。


キーワード分析ツールで効果的なキーワード選定!

キーワード分析ツールで効果的なキーワード選定!

SEOやWebマーケティングにおいて、キーワード分析ツールは重要な役割を果たします。これらのツールは、検索ボリュームの調査、競合分析、キーワードの関連性、ロングテールキーワードの発見、および難易度分析などの機能を持ちます。効果が薄い施策を実施するリスクを考慮すると、上流での分析は大切です。キーワードプランナーや無料のSearch Consoleだけでなく、有料の各種分析ツールも検討に入れて効果的なキーワード戦略を立てることをお勧めします。


無料で使えるおすすめ検索順位チェックツールと効果的な使い方

無料で使えるおすすめ検索順位チェックツールと効果的な使い方

日々の検索順位チェックは、SEO対策の上で必須の作業。大量のキーワードに対応したり、データ抽出やレポートもこなす高機能なツールは、有料のものがほとんど。今回は一定規模のサイトの運用に使える検索チェックツールをレビューしていきます。本記事では、検索順位チェックツールの重要性やおすすめのツール、SEOとの関係、効果的な戦略について解説します。これらの情報を活用し、検索順位チェックツールで成功を掴みましょう。


【マーケター入門編】マーケティング基礎知識まとめ28選 ~ 用語やフレームワーク、便利ツールまで

【マーケター入門編】マーケティング基礎知識まとめ28選 ~ 用語やフレームワーク、便利ツールまで

新年度がスタートし、マーケティングの部署へ新たに配属となった方も多いかと思います。そこで今回は、“まなべるみんなのデータマーケティングマガジン”である『マナミナ』で、よく見られているマーケティングのナレッジをまとめました。マーケティング用語や注目のビジネスモデル、マーケティングに役立つツールなど、スキマ時間にチェックして、マーケティングの基礎知識を身につけておきましょう。


最新の投稿


ホットリンク、Instagramマーケティングのための分析ツール「hashpick」を提供開始

ホットリンク、Instagramマーケティングのための分析ツール「hashpick」を提供開始

株式会社ホットリンクは、Instagramのあらゆるデータを可視化し、Instagramマーケティングの効果を最大化する分析ツール「hashpick(ハッシュピック)」の提供を開始したことを発表しました。


Hyundai, South Korea's largest automobile manufacturer. Investigating the reaction to their new EV "KONA"

Hyundai, South Korea's largest automobile manufacturer. Investigating the reaction to their new EV "KONA"

Hyundai re-entered the Japanese market in 2022 and began selling its compact SUV KONA EV in November 2023. It attracted attention for its relatively affordable price (3,993,999 yen) among other EV SUV models. Based on KONA web page visitors, we’ll analyze the interest segment, other manufacturers, and traffic sources.


Faber Company、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」にAI チャット機能を追加

Faber Company、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」にAI チャット機能を追加

株式会社Faber Companyは、SEOプラットフォーム「ミエルカSEO」に新たな機能として「AI チャット機能」を追加したことを発表しました。


母の日に約7割がプレゼントを購入する予定!母の日ギフトへの関心は昨年より高まる【母の日.me調査】

母の日に約7割がプレゼントを購入する予定!母の日ギフトへの関心は昨年より高まる【母の日.me調査】

Groov株式会社は、同社が運営する母の日に特化したメディア「母の日.me」にて、全国の10代~70代の男女を対象に母の日ギフトに対する意識、購買動向に関するアンケート調査を実施し、結果を公開しました。


チラシのクーポン、約7割が使用経験あり!クーポンきっかけで初めて来店した方も【NEXER調査】

チラシのクーポン、約7割が使用経験あり!クーポンきっかけで初めて来店した方も【NEXER調査】

株式会社NEXERは、株式会社アドワールドと共同で「チラシについているクーポン」に関するアンケートを実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ