今人気の人糧とは?メリットとともに紹介
人糧とは、主に会社勤めの社会人が自分で作る冷凍の惣菜を指します。
週末に1、2時間ほどかけて肉や野菜を調理してパックにし、冷凍します。一般的な作り方では、さつまいもやトウモロコシを主食に鶏むね肉やエビなどのたんぱく質、さらにブロッコリーや人参などの野菜を合わせ、それらを蒸す・煮る・エアフライヤーなど油をあまり使わない方法で調理します。食べる際には冷凍庫から肉や野菜の塊を一食分だけ取り出して、油や塩で味付けし、電子レンジで温めるだけで準備することができます。
↑REDの投稿より、(左)人糧と(右)人糧の調理過程。
2026年に人糧が流行し始めたきっかけは、とあるSNS投稿でした。
「人糧9日目 65.1kg」というタイトルと冷凍された人糧を準備する動画で、この投稿には10万以上のいいねがついています。投稿者は女性で働き始めて6年目、フードデリバリーをやめて弁当作りを始めたものの、4日で挫折してしまったといいます。そこで食材が豊富で油や塩分控えめ、さらに手っ取り早く準備してすぐに食べられる食事方法を探したところ、「CPB飲食」という概念に出会いました。これは、鶏むね肉(Chicken)、じゃがいも(Potato)、ブロッコリー(Broccoli)の頭文字をとったものです。
食材を水煮してから冷凍庫に入れ、加熱してから食べるこのCPB飲食は、一度の食事で人間に必要な三大栄養素であるたんぱく質、炭水化物、食物繊維を摂ることができるのです。
彼女はこのCPB飲食を改良し、鶏肉を牛肉に、じゃがいもをさつまいもに変更してさらにエビを加えました。彼女が「CPB記録」として自身の食事記録の動画をSNSにアップしたところ他の多くのユーザーの目に留まり、中には彼女の食事の様子を見て「狗糧(犬の餌)のようだ」と言う人もいました。そこで彼女は「CPB記録」を「人糧記録」と名を変えて投稿するようになり、自身のユーザー名も「人糧法師」に改めました。この人糧記録の一つが大きく話題になり、200万以上視聴され、10万を超えるいいねを得たというわけです。
↑REDの投稿より、「人糧法師」と話題になった人糧の投稿。
現在彼女のように人糧に関する投稿をするユーザーも多く、とある人糧投稿者によれば、自身の投稿を閲覧するユーザーは女性が86%を占めているといいます。また年齢層は25~34歳に集中しており、居住地は上海、北京、広州、深圳という一線都市に分布しています。
このように、人糧は若い社会人の人気を集めています。人糧の主目的は「お腹いっぱいになる・栄養がある・手間がかからない」ことと言われ、「犬の餌のようだ」と表現される通り、見た目は重要視されていません。このような人糧が人気を集める要因は、大きく3つ挙げられます。「費用が安く済む」「手間がかからずメニューに悩まないため時短になる」「健康によくおいしく食べられる」という三つで、以下ではこれらを詳しく紹介します。
■フードデリバリーで頼むよりも抑えられる食費
社会人の若者にとって、人糧の大きなメリットの一つがその費用の安さです。
例えばとある人は、毎晩フードデリバリーで食事を済ませており、夕飯だけで月当たりの支出が1500元(約3万4000円)以上に及んでいました。そこで人糧を取り入れたところ、食費が半分にまで抑えることができたといいます。
自分で材料を買って作る人糧はコストが嵩まず、一食15元(約360円)程度で済ませることができ、財布に優しい方法なのです。
iiMedia Researchのデータによると、2024年の中国ダイエット置き換え食市場規模は2210.3億元に達し、2027年には3534.9億元に達することが見込まれています。
一方で、前瞻産業研究院のデータによれば、置き換え食などライトミール類を扱う店舗の閉店率は2023~2024年に27.0%に達し、飲食業界の平均値22.6%を超えています。ライトミール市場の成長は順調とは言えず、その一因として人糧のように費用面・健康面のメリットのある食事の人気が関係しているとも考えられます。
↑REDの投稿より、人糧にかかる費用の安さを強調する投稿。画像中央には「(5日間で) 人糧はたった75元(約1800円)」と書かれている。
■「人糧」を活用し手間いらず。時短が生活に与える影響
DT財経の「青年料理行動調査」によれば、毎日料理をする若者は12.7%にとどまり、26.9%の若者が月に数回、5.4%の若者は料理をしないことが示されています。若者が料理をしたがらない原因は大きく三つあり、「仕事が忙しくて時間がない」「事前の食材の準備が複雑すぎる」「食器を洗いたくない」となっています。
あるときSNS上で、現代のライフスタイルについて苦境を訴えるコメントが議論を呼びました。「一人で朝9時から夜6時まで仕事するだけじゃなくて、1万歩を目標に歩いて、ジムに行って、毎食自分で作って、部屋をきれいに保って、家族と時間を過ごして、8時間寝て、自分の趣味まで持てるけど疲れ果てるほどじゃない状態なんて無理。まったく続けられないライフスタイルを私たちは植え付けられてしまった」。
この投稿は多くの社会人の共感を呼んで拡散されており、現代人が生活の時間配分について悩んでいることが指摘されています。このように、日々慌ただしい生活を送る中で、「献立を考える」「料理を作る」手間と時間を減らすことができる人糧が歓迎されています。
↑REDの投稿より、生活の慌ただしさを嘆く投稿。タイトルに「まったく続けられないライフスタイルを私たちは植え付けられてしまった」とある。
■栄養面も重視。健康的でおいしく食べられる「人糧」
人糧によく使われる食材は、例えば以下のような栄養素を持っています。
さつまいも:食物繊維を豊富に含み、消化の助けになる。ダイエット中の食用に適する。
鶏むね肉:高タンパク・低脂肪。特に体を鍛えている人にとって第一候補の食材。
ブロッコリー:ビタミンCと抗酸化物質を豊富に含み、免疫力強化の助けになる。
かぼちゃ:低カロリー・食物繊維が豊富で、満腹感をもたらす。
人参:βカロテンを豊富に含み、目の健康に非常に有益。
このように、人糧では栄養のある食材の使用によって健康面が配慮されています。
ただし、調理の過程でビタミンB、Cや食物繊維などの栄養素が流出し、却って健康状態を害する恐れもあるという注意喚起もされているため、過度な摂取には注意が必要です。
人糧は食事としての食べやすさも備えています。人糧に使われている食材はどれも、冷凍・解凍しても食感に大きな変化がないものです。また、フードデリバリーの固定されたメニューと比べて自分の好みでさまざまな味付けができます。そのうえ、食材選びの時点から自分で管理するため、原材料を把握でき、知らず知らずのうちに不健康な成分を摂取してしまうのを防ぎやすくなります。
このように、人糧は健康面と食べやすいおいしさを両立した食事となっているのです。
まとめ
本稿では、中国の社会人の若者に人気が広がる人糧の魅力を紹介しました。
慌ただしい日々を送る彼らにとって、「安い」「手間いらず」「健康的」というメリットが詰まった人糧は、毎日向き合う必要のある食事における良い選択肢となっています。
今後、人糧がどのように進化するのか、また慌ただしい日々を乗り越えるために新たにどのような工夫が生まれるのかが注目されます。
参考URL
懒到什么程度的打工人,会开始吃“人粮”
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_33506180
做一次吃一周的“人粮”,正在掏空你的免疫力?医生紧急提醒
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1873846711535301737&wfr=spider&for=pc
吃“人饲料”的年轻人
https://baike.baidu.com/tashuo/browse/content?id=5c3a2427ea09b52dcb71259d
10天瘦5斤,打工人减肥的尽头是自制“人粮”?
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_33542064
减脂打工人新宠:自制“预制人粮”风潮席卷社交媒体
https://news.sohu.com/a/1045974705_121912641
“人粮”爆火 打工人“时间贫困”的解药?
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1872588478879112773&wfr=spider&for=pc
减脂打工人,终于开始吃“预制人粮”了
https://finance.sina.com.cn/wm/2026-07-15/doc-inihxhns7911082.shtml








早稲田大学大学院在学中。中国文学を学んでいます。