地方広告代理店がAI時代に"選ばれる"ための条件。生成AI×データで実現する「競合と差がつく提案」とは|アド・セイル登壇 セミナーレポート

地方広告代理店がAI時代に"選ばれる"ための条件。生成AI×データで実現する「競合と差がつく提案」とは|アド・セイル登壇 セミナーレポート

生成AIの普及により、誰でも手軽に提案書を作成できる時代になりました。一方で大手広告代理店の地方進出も進み、地方の広告代理店には「差別化」という新たなテーマが突きつけられています。2026年7月29日、株式会社ヴァリューズは、アド・セイル株式会社を招き「AI時代に選ばれる地方広告代理店の条件とは?」と題したセミナーを開催しました。本記事では、モデレーターの株式会社ヴァリューズ・山本と、アド・セイル株式会社執行役員兼地域創生部長の関良子氏との対話を交えてレポートします。


地方広告代理店を取り巻く環境の変化

山本:まず、地方を拠点とする広告代理店様が置かれている環境の変化についてお話しいただけますか。

関:ここ10年で、広告代理店を取り巻く環境は大きく変化していると思います。WEB商談が当たり前になり、地方の代理店だけでなく大手やコンサルティング会社が同じコンペに並ぶようになりました。加えて生成AIの台頭で提案書自体はすぐにつくれるようになった一方、内容の差別化が難しくなっています。さらに提案には数値的な根拠が求められる場面も増えており、こうした変化のなかでDockpitのようなデータが欠かせない存在になってきています。

図:「広告代理店を取り巻く環境は大きく変化している」

図:「広告代理店を取り巻く環境は大きく変化している」

山本:そのなかで、地方の代理店だからこそ活かせる強みもあるのですね。

関:はい。地域の肌感とデータを掛け合わせることで、他社には出せない唯一無二の提案ができると考えています。地域を知らなければ何を分析すべきかも分かりませんが、現場の感覚とデータを組み合わせることで、変化の原因や今後の予測を的確に示せます。それがクライアントの信頼獲得にもつながります。

データ活用で提案の説得力を高める。地方代理店の事例2選

山本:エリアへの深い理解と、そこに掛け合わせるデータが鍵になるのですね。実際の活用事例を伺えますか。

関:1つ目は、座面付きキャリーバッグを主力商品とするかばんメーカー様への新規提案の事例です。新規顧客の開拓にあたって、方向性を定めたいというご相談を受け、まずPerscopeで現状のサイト訪問者の属性を調査しました。

旅行への関心が高いと想定していたのですが、実際は舞台演劇や映画鑑賞への関心が高い40〜60代の女性が多いという結果が出ました。

図:かばんメーカー様の事例(ターゲット理解)

図:かばんメーカー様の事例(ターゲット理解)

購入者レビューを見ると、コンサートやスポーツ観戦用に購入したという声も一定数あり、開演前の待ち時間で足腰が疲れるという悩みに着目。「私だけの特等席」「大人の推し活を支える収納力」といった訴求軸を新たに考案し、LPや広告クリエイティブへの反映をご提案しました。

図:カバンメーカー様の事例(分析結果・施策内容)

図:カバンメーカー様の事例(分析結果・施策内容)

山本:想像のペルソナではなく、データから新しい顧客層の仮説を見つけていく好例ですね。もう1つの事例も伺えますか。

関:既存クライアント様である地方銀行様の事例です。教育ローンの契約を増やしたいというご相談で、特に幼稚園から小学校低学年の子どもを持つ層へのアプローチが課題でした。そこでローンから離れて、まず地域の子育て世代がどんな言葉やアプリで検索しているかをDockpitで調査し、「子連れお出かけ検討層」「小学生習い事検討層」「子育てアプリ利用層」といったターゲットを設定してGoogleのカスタムオーディエンスで配信しました。

図:地方銀行様の事例(地域特有のワードの分析・獲得実績)

図:地方銀行様の事例(地域特有のワードの分析・獲得実績)

結果として、ディスプレイ広告でありながらリスティング広告を上回る獲得成果につながりました。この成果を機に、それまで別の代理店が担っていたマイカーローンなども含め、他のローンもまとめて運用を任せていただけることになりました

データ×AIの活用で、地方代理店ならではの提案をつくる

山本:地域の知見とデータを組み合わせた提案が、そのまま提案書づくりにもつながっているそうですね。

関:はい。私は自治体様のプロポーザルに参加する機会が多いのですが、公募資料や補助金関連の資料をまずNotebookLMにアップロードし、概要の理解や不明点の確認に使っています。要件を理解したうえで、過去の提案書やDockpitの調査データ、類似案件の運用レポートを生成AIにインプットし、提案書骨子のベースを作成します。

データなしでAIに提案をつくらせると一般的な内容になりがちですが、過去の提案書で方向性を、外部の調査データで根拠を加えることで、オリジナリティのある提案に近づけられます。経験の浅い若手プランナーでも、網羅的でロジカルな提案骨子を短時間で作成できるようになりました。

山本:ターゲット選定は想像のペルソナからログデータに基づく特定へ、競合分析はサイトの見た目の比較から集客構造の可視化へ、提案書の作成もAI併用で数時間に短縮される。データとAIの掛け合わせが、地方の代理店にとって大きな武器になりそうですね

関:その通りです。ただしAI単体ではネット上の平均的な情報しか出てきません。Dockpitのような精度の高い一次データをもとに生成AIで提案書を作成し、地域やビジネスを深く理解した人間がブラッシュアップすることで、大手にはできない提案につながると考えています。

図:データ×AIでできること

図:データ×AIでできること

セミナーの最後には、ヴァリューズの山本より、Dockpitのデータを使ってAIが分析・示唆の言語化までを自動で行う新機能「Dockpit AIエージェント」が紹介されました。知りたいことを自然言語で入力するだけで、AIが分析観点や集計条件を考え、考察や施策のアイデア出しからレポート作成までを一気通貫でサポートするサービスです。

図:Dockpit AIエージェントの機能紹介画面

図:Dockpit AIエージェントの機能紹介画面

Dockpit AIエージェントの詳細はこちら

https://www.valuesccg.com/dockpit/ai-agent

Dockpitは、誰でもかんたんにデジタルマーケティングが可能になるリサーチエンジン。Dockpit AIエージェントは、チャットで話しかけるだけで競合・市場・トレンド分析を実行し、データの解釈や示唆出し、レポート作成までサポートするDockpitのオプション機能です。

まとめ

生成AIの普及と大手代理店の地方進出により、地方の広告代理店には従来以上に「競合と差がつく提案」が求められています。

本セミナーでは、次世代の提案づくりのプロセスが語られました。それは、Dockpit・Perscopeなどのデータを一次情報として活用し、生成AIでプランニングの精度とスピードを高めつつ、最終的には地域やクライアントを理解した人間の力で仕上げるというものです。

データとAIをうまく組み合わせることは、大手にはできない「地域を理解しているからこそできる提案」を実現するための鍵になりそうです。

【本セミナーのアーカイブ動画を配信中!】AI時代に選ばれる地方広告代理店の条件とは?

https://www.valuesccg.com/seminar/20260813-12581/

本セミナーでは、香川県を拠点にデジタルマーケティングを牽引するアド・セイル株式会社の関氏が登壇。地方自治体や地場企業でのリアルなデータ活用・提案事例を大公開。さらに、NotebookLM等の生成AIとデータを掛け合わせた最先端の提案書作成術など、地方代理店が今すぐ実践できる「勝てるストーリーの描き方」を凝縮してお届けします。

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この記事のライター

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