=LOVEとFRUITS ZIPPERってどんなグループ?
まずはそれぞれのグループの概要を見ていきましょう。
=LOVE(イコールラブ)は、元AKB48の指原梨乃さんがプロデューサーを務める女性アイドルグループです。2017年にデビューし、現在は10名で活動を行っています。
声優学校として業界内でも名高い代々木アニメーション学院が「声優アイドル」としてプロデュースしたグループです。有名な楽曲としては「とくベチュ、して」「絶対アイドル辞めないで」などがあり、他にも多くの楽曲が、YouTubeで1,000万再生を突破しています(2026年7月27日時点)。
一方、FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)は、モデル・タレントとして活動されている木村ミサさんがプロデューサーを務める女性アイドルグループです。現在は7名で活動しています。
FRUITS ZIPPERの特徴として、それぞれのメンバーにメンバーカラーがあり、その色の衣装を着てパフォーマンスすることが挙げられます。
代表曲である「わたしの一番かわいいところ」のMVは、YouTubeで7,000万以上の再生数を記録するほどの人気を博しています(2026年7月27日時点)。
それぞれのファン層の男女比、年代層は?
まずはファン層の男女比、年代層を見ていきましょう。
ここでは、競合サイト分析を行える株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて、公式ファンサイト訪問者の属性を解析します。
■男女比率は半々
ファンサイト訪問者の男女比率は、=LOVEの方が男性比率が高いことが伺えますが、両グループとも約1:1ということが分かります。
また、長年女性アイドルとして活動を続ける「AKB48」「乃木坂46」と比較すると、女性比率が高いことがわかります。
図:各公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com, nogizaka46.com, akb48.co.jp)訪問者の性別
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「女性アイドルのファンはほとんど男性では?」と思う方もおられるかもしれません。実際には、女性からも多く関心を集めており、同性からの支持が人気の理由の一つと考えられます。
■年代層は10・20代が多め
続いて、4グループの公式ファンサイト訪問者の年代層を見ていきます。全体的に20・30代を中心とした若年層が多く、幅広い層が関心を持っていることがわかります。
そのなかで、=LOVEは突出して10・20代の割合が高く、特に若いファンが多いと考えられます。
図:各公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com, nogizaka46.com, akb48.co.jp)訪問者の年代層
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
以上の結果をまとめると、AKB48・乃木坂46と比較して、=LOVE・FRUITS ZIPPERは若年層・女性からの人気をより集めていると考えられます。
■女性ファンは「歌詞」に注目か
では女性ファンは、両グループのどのようなところに魅力を感じているのでしょうか?
Webブラウザ上の検索行動から、その興味関心を探ってみましょう。
=LOVEは「イコラブ」、FRUITS ZIPPERは「フルーツジッパー」と検索されることが多いようです。この2つのワードの検索者について探ってみましょう。
図:それぞれのワードの検索ユーザー、セッション数(イコラブ、=LOVE、イコールラブ、フルーツジッパー、FRUITS ZIPPER、ふるっぱー)
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
女性側で多く見られるワードとしては、「歌詞」や「作詞」が挙げられます。
図:「イコラブ」「フルーツジッパー」の検索者の属性別マップ(縦:年齢、横:性別)
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
=LOVEの楽曲「お姫様にしてよ!」、FRUITS ZIPPERの楽曲「私の一番かわいいところ」などの曲名にも表れているとおり、両グループともに女性視点の歌詞や、自己肯定感を高める歌詞の楽曲が多いです。それらの歌詞が女性からの共感を生み、人気を集めているのかもしれません。
特に=LOVEの楽曲は、全てプロデューサーの指原梨乃さんが作詞を担当しています。長年アイドルを経験してきた指原さんだからこそできる、女性ファンの心の掴み方があるのかもしれません。
それぞれのファン層の普段の生活は?
ここからはもう少し踏み込んで、=LOVEとFRUITS ZIPPERのファン層のプライベートを探っていきます。
分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope」を用います。
■両グループのファンとも、X・InstagramなどのSNSをよく利用
両グループの公式ファンサイト訪問者は、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSや動画アプリを多く利用しているようです。
図:公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com)訪問者の1日あたりのSNS・アプリ利用
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
余暇の過ごし方においても、SNSの視聴、動画共有サイトの視聴が多く見られます。
図:公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com)訪問者の余暇の過ごし方
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
両グループのSNSを見てみると、InstagramやTikTokで、新曲のダンスを踊るショート動画が多く見られます。注目すべきポイントとしては、他の芸能人やキャラクターとコラボし、一緒に踊る動画も多く投稿されているということでしょうか。
新曲のPRだけでなく、他の界隈のファンとのタッチポイントとしても機能し、認知を拡大しているとも考えられそうです。
また、YouTube上では両グループともに、各メンバーが1日のvlogやメイク動画など、「日常が想像できる動画」「女性向けのHowto動画」を投稿しているのが印象的です。メディアの裏側の等身大のアイドルの姿や、女性に役立つ知識の発信によって、より女性の支持を集めているのかもしれません。
それぞれのファン層の違いは?
最後に、両グループのファン層の違いを見ていきましょう。年代差による違いとの混同を避けるため、ここでは支持率の高い10代および20代のみを分析対象とします。
■「誰かを愛する」=LOVE、「自分を愛する」FRUITS ZIPPER
消費行動タイプについて見てみると、エコ・サステナブル型で最も大きな差が見られます。
図:公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com)訪問者(10代、20代)の消費行動タイプ
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「ありたい自分像」についても見てみましょう。
=LOVEのファンサイト訪問者においては、「社会や仲間のために貢献する生活をしたい」と思っている方が多く、FRUITS ZIPPER側では、「日々新しいことに挑戦している生活をしたい」と思っている方が多いようです。
図:公式サイト(equal-love.jp, fruitszipper.asobisystem.com)訪問者(10代、20代)の感じていたい気持ち
集計期間:2025年7月~2026年6月
デバイス:パソコン・スマートフォン
「=LOVE」というグループ名は、「ファンに愛され、アイドルという仕事も愛する」というプロデューサーの指原莉乃さんの想いに由来しています。
また、楽曲中の歌詞においても「眩しい君が世界一だよ」「絶対空で輝いて」(『絶対アイドル辞めないで』)や、「いくつか恋をしたけれど 全て君に出会うためだった」(『=LOVE』)など、自分以外の誰かを絶対的に肯定するフレーズが多く見られます。
グループのコンセプトや楽曲で表現されている相手に一途に尽くす「利他的な愛」が、エコ・サステナブルな購買行動や、「社会や仲間のために貢献する生活をしたい」というファンの価値観につながっているのかもしれません。
一方で、FRUITS ZIPPERはコンセプトとして、「原宿から世界へ、”NEW KAWAII”を発信する」を掲げており、一人ひとりが持つ個性を肯定し、それ自体を「新しい可愛い」として発信していく姿勢が表れています。
楽曲中の歌詞においては、「わたしこのままでいいじゃん」「さ、アップデートしよ?」(『NEW KAWAII』)「Everyday だれもみんな それぞれの甘酸っぱさを持って生きてる」(『フルーツバスケット』)など、絶対的な肯定の対象が自分になっていることが多いです。
新しい価値観をポジティブに肯定し、ありのままの自分を愛する「自己尊重的な愛」が「日々新しいことに挑戦している生活をしたい」というファンの自己実現の欲求を後押ししているのかもしれません。
まとめ|=LOVE・FRUITS ZIPPERのファンの実態、支持される理由
本記事では、=LOVE、FRUITS ZIPPERの公式ファンサイト訪問者の属性情報から、ファンの実態、支持される理由について、分析しました。
従来のアイドルと比べると、両グループのファンサイト訪問者は女性が多く、女性からの注目を集めている理由として、女性目線の歌詞や自己肯定感を高める歌詞の楽曲が多いことが考えられます。
また、余暇の過ごし方はSNSの視聴が最も特徴的でした。新曲のダンスコラボ動画によって他の界隈のファンからの認知を拡大し、さらなる支持につなげていることがうかがえます。
ファン層の違いとしては、エコ・サステナブルな購買行動をしているか、生活の中で尽くす対象が自分か他人か、という2つの観点が特徴的でした。またこの違いは、グループのコンセプトや歌詞に込められた想いの違いに付随していると推測できます。
”今”人気の女性アイドルは、SNSを活用した情報発信や、価値観を強く肯定する楽曲によって、従来のアイドルでは十分に取り込めていなかった若年層の女性ファンの支持を広げていると考えられます。
今後のアイドル業界では、新たなプラットフォームを積極的に活用しながら認知を拡大するとともに、より幅広い世代・性別の共感を得られるコンテンツや活動を展開していくことが、これまで以上に重要になっていくのではないでしょうか。








2027年4月に入社予定の修士2年生です。現在農学研究科に所属しており、ブルーベリーの生産効率化について研究しています。