データが語る「Xシェルター」の注目度。テレビ放送を機に検索数が一気に急上昇
ヴァリューズ 齋藤(以下、齋藤):本日はワークマン様の2026年秋冬新製品発表会にお伺いさせていただいております。今回取材をお願いしたきっかけは、弊社ヴァリューズが保有するインターネット行動ログデータでした。国内250万人のモニター会員のデータを活用し、ユーザーが普段どんな検索をしているのか、どんなサイトをご覧になっているかを可視化するツール「Dockpit」で毎月の急上昇キーワードを集計しているのですが、その中で「エックスシェルター」の検索数が大きく伸びていたのです。
実際のデータを見てみると、2026年2月から6月にかけて徐々に検索者が増えてきており、7月に一気に急上昇しています。
Dockpitの「Xシェルター」検索ボリューム推移
齋藤:弊社の行動ログは行動された時間帯まで追えるのですが、面白いことに朝の7時台に検索が集中していました。「なぜここまで急激に増えたのか?」と深掘りしたところ、7月12日に放送されたテレビ番組『がっちりマンデー!!』でXShelterが紹介されたことが、かなり大きなきっかけだったのではないかと推測しています。動画やテレビの反響はいかがでしたか?
株式会社ワークマン 製品開発部 羽倉優太朗様(以下、羽倉):そうですね。梅雨が長かったこともあり、夏製品に少し苦戦していた部分もあったのですが、XShelterに関しては本当にあの番組の放送をきっかけに一気に伸びてくれました。各店舗でも品薄の状態が続くほどで、やはりテレビ番組の影響力は非常に大きいと感じています。
齋藤: 弊社の行動ログで、検索ユーザーの属性データ(男女比や年代)も見ることができるのですが、年代で言うと50代の方が最も多く検索されていました。実際の店舗やオンラインストアでお買い求めになるお客様のターゲット層と合致していますでしょうか?
Dockpitの「Xシェルター」検索ユーザーの年代グラフ
羽倉:はい、基本的にはワークマンのメイン顧客層が40代から50代ということもあり、私たちは日常だとパパさんやママさんが使いやすいウェアを作りたいという思いが根底にあるため、まさに狙い通りの層に届いている感覚です。
男女比で言うと、購買層としては男性の方が多いのが特徴的ですが、クチコミなどで熱心に声を上げてくださるのは女性の方が多いという印象を受けています。
齋藤:なるほど。検索後に見られたサイトのランキングでも、やはりワークマン様の公式オンラインストアへ訪れる方が非常に多いことが分かっています。さらに地域別で見ると、神奈川県からの検索がやや多めに出ているなど、データからも様々な気づきが得られます。
家の断熱材から着想を得た「断熱」と、世界初の「遮熱」技術
齋藤: あらためて、「XShelter」という商品の強みや特徴について教えていただけますでしょうか。
羽倉:XShelterは、大きく分けると現在2つのシリーズがあります。一番最初に開発した冬向けの「断熱」シリーズと、夏向けの「遮熱」シリーズです。
まず、スタートラインとなった冬向けの「断熱」ですが、これは“家の断熱材”をヒントにして作りました。そしてもう一つの「遮熱」に関しては、「太陽の日差しからしっかりと身を守れるウェアを作りたい」という思いからスタートしています。日本の昔ながらの「打ち水」のような効果を利用し、汗や水が蒸発する際の気化冷却でウェア内を冷却・吸収・放出して、服の中を快適に保てるようになっています。このように、いろんな用途を掛け合わせてできているのがXShelterの特徴です。
強みとしては、やはり「快適に過ごしたい」というコンセプトを徹底している点です。キーワードは「快適」。一定の温度に保つためにどう作るかにこだわりました。そのため、冬の断熱ウェアを着て暖かい電車に乗ってもそこまで暑く感じませんし、逆に電車から真冬の屋外に出ても寒くないんです。
私も最初に着た時は真夏だったのですが、外に出ても「何も感じない」という不思議な感覚でした。冷房が効きすぎた部屋に入っても、最初は「あれ、違いがあるのかな?」と失敗を疑ってしまうほど自然で、「何も感じないことこそが、XShelterのすごさなのだ」と後から気づかされました。
齋藤:失敗を疑ったところが転換点だったのですね。
5℃〜30℃を1着でカバー。新製品「Xシェルター シグマ(Σ)」の衝撃
齋藤:ここまで遮熱と断熱のお話をしてきましたが、ちょうど今日、新製品発表会の催しとして、暑い部屋と涼しい部屋をXShelterを着て行き来するという体験をさせていただきました。本当に暑くもなく、寒くもない、「感じないこと」を実感しました。あの時着せていただいたのが、今回の新製品である「XShelter快適断熱Σ(シグマ)」ですよね。
羽倉:はい、おっしゃる通りです。これまでは「真夏」や「真冬」といった両極端な気候に攻めた製品を作ってきました。しかし、日常生活で最もウェアを使うシーンが多いのは、気温「5℃〜30℃」の間なんですよね。そこで今回開発したのが、その幅広い気温を1着でカバーできる「シグマ(Σ)」です。
シグマの特徴は、断熱性はもちろんのこと、「断光(光を遮断する)」機能を持っていることです。遮光カーテンをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。さらに断湿の機能もあり、拡散性が非常に高いためドライに保つことができます。また、表地に水を貯めることができるため放水性も高い。つまり、断熱と透湿を高いレベルで両立しています。
齋藤:非常に多彩な機能がこの1着にギュッと詰め込まれているのですね。
羽倉:画期的なのは、これを「1枚の生地」で実現している点です。今までは、断熱シートがあって、裏地があって、表地があって……と層を重ねる必要があり、どうしても重くなってしまう課題がありました。それを1枚で開発できたというのは、我々としても非常にすごいところだと自負しています。実験でも、冬の断熱材と同じくらいしっかりと断熱できることが証明されています。
新製品「Xシェルター シグマ(Σ)」の製品展示や体験ブース
作業着から日常使いへ。高機能ウェアを誰もが着こなせる時代へ
齋藤:実際にXShelterをご利用されているお客様からの評判はいかがですか?
羽倉:冬物に関しては、「自分の体温で暑くなりすぎないのが良い」という声をよくいただきます。断熱しているので、発熱素材のように体温が上がりすぎることなく、衣服内を快適な温度に保つ点が評価されています。夏物に関しても、通気性と遮熱性という相反する機能をミックスさせたことで、「着やすい」「機能として使い勝手が良い」とご好評いただいています。
齋藤: 冬物・夏物ともに評判がよいのですね。今回「シグマ」という新しいラインナップが加わりましたが、マーケティングをしていく上で、今後どのような方々に届けていきたいとお考えでしょうか。
羽倉: 我々の部門は基本的にはワーキングウェア、つまり作業着を扱っている部門ですので、ベースにあるのは「現場で作業する方々に向けて作る」ということです。ただ、それにプラスアルファして、一般の方でも使いやすいようにスタイルを変えたりといったチャレンジをどんどんしていきたいと考えています。
齋藤:これまでの冬・夏のXShelterは特にどのようなシーンで着るのがおすすめですか?
羽倉:例えば初詣など、外で長時間並ぶようなアウトドアのシーンで活躍します。ハイブランドのアウターだと汚れた時にショックが大きいですが、ワークマンの製品はお求めやすい価格帯ですし、洗濯も可能です。気兼ねなく日常使いしていただきたいですね。夏については、気化冷却で冷たくなるという世界初の機能も盛り込んでいますし、用途はどんどん広がっていくと思っています。
齋藤:デザインもおしゃれで、私も先ほど羽織らせていただいて純粋に「欲しい!」と思いました(笑)。より多くの方に使っていただけるよう、活用シーンが広がる今後のXShelterの展開がますます楽しみですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
まとめ
今回は、ワークマンの革新的ウェア「XShelter」の開発秘話を、データ分析と現場の声という両軸から紐解きました。過酷な環境下でも「何も感じない快適さ」を実現した高い技術力と、それを裏付ける生活者の検索行動の結びつきが非常に印象的でした。
プロの作業者の方々も満足する機能が、私たちの日々の暮らしも快適にしてくれています。データドリブンな視点を取り入れ、さらなる進化を続けるワークマンの次なる展開から、今後も目が離せません。
■元動画はこちら
■【おまけ】データ分析ツール「Dockpit」を活用し、さらなる製品開発のヒントへ
齋藤:取材は以上となりますが、少しだけ弊社の「Dockpit」をご覧いただけますか? これは250万人のユーザーのPCやスマートフォンにおける24時間の行動データを見ることができるツールなんです。
羽倉:これ、すごいですね!
齋藤: キーワード検索はもちろん、競合他社がどのようなディスプレイ広告を出しているのか、その広告のクリエイティブの中身や、最近増えているAI(ChatGPTなど)からの流入がどうなっているのかも分析できます。さらに、どのランディングページやコンテンツが実際によく見られているのかも一目で分かるようになっています。
羽倉:うわあ、すごい……。これは自社の製品開発や、どうやってお客様にアプローチしていくかの戦略づくりに、ものすごく活かせそうですね。
齋藤:ありがとうございます! ぜひ今後のマーケティングや製品開発のヒントとしてご活用いただければ幸いです。







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