総視聴時間は減少に転じ、中でもテレビの視聴時間減少は歯止めがかかっていない
調査開始から昨年度まで、1日当たりのメディア総視聴時間(テレビ、SVOD=定額制動画配信サービス、AVOD=広告型動画配信サービス、SNSの合計)は約4時間半で安定的に推移してきましたが、最新の調査では4.1時間と2024年度の4.4時間から減少に転じました。
この背景には、消費者の間でタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する行動が定着していることに加え、生成AIの普及に伴う情報取得経路の変化があると考えられます。
限られた時間の中で効率的に情報や娯楽を得る志向が強まり、従来の受動的なメディア接触から、より選択的・能動的なコンテンツ消費へとシフトしています。メディア別の内訳を見ると、テレビ視聴時間は2022年度の1.9時間から今回調査の1.5時間へと減少しており、この傾向は若年層に限らず全世代でみられます。
SVODやAVODを利用する理由としても、「隙間時間での視聴」や「倍速再生」など効率的に消費できる点が重要な要素として挙げられ、タイパ志向が明確になっています。この傾向は、コンテンツの長さや構成、提供形式にも影響を与えており、今後のコンテンツ制作・配信のあり方にも変化をもたらすと考えられます。
ドラマやニュースは視聴割合が大きく減少
ジャンル別にみると、従来はテレビの強みであり「リアルタイム視聴」が最適とされていた、ドラマやニュースの視聴割合が特に大きく減少しています。
視聴先がテレビからSVOD等へ移行しただけではなく、ドラマやニュースの視聴者数全体も減少しているといえます。
スポーツ分野では世界的に過剰な放映権獲得競争が起きており、視聴経路がテレビからSVOD・AVODに流れる傾向が以前からありました。
2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)がSVODサービスで独占配信されたことが話題となるなど、主要コンテンツのテレビ離れが進んでいます。
スポーツコンテンツへのアクセスのあり方をめぐっては、ユニバーサルアクセス権(欧州を中心に導入されている、関心の高い試合を国民が幅広く視聴できるよう定めた制度)の観点からの議論も重要性を増しています。
また、テレビの社会的役割の一つである報道についても、テレビニュースに対する信頼は昨年低下してから回復しておらず、低水準で推移しています。
AIが普及し、目的に応じ能動的に情報を取得する傾向が拡大
一方で、消費者の情報取得行動は変化しています。
従来の検索やニュースサイトに加え、生成AIを通じた情報取得が普及しており、特に若年層を中心に、調べものや情報整理にAIを活用する傾向が強まっています。
AIを利用する消費者は、SNS・SVOD・AVODの視聴時間が長く、テレビの視聴時間が短い傾向があり、目的に応じて能動的に情報源を選択しています。
現在、生成AIは検索の代替としてチャット形式で利用されるケースが多く、能動的に情報を収集する消費者との親和性が高いと考えられます。
デバイス別では引き続きスマートフォンが中心、一方で紙媒体も底堅く推移
利用デバイス別にみると、引き続きスマートフォンが中心である一方で、本・雑誌・新聞といった領域では、紙媒体を好む傾向が見られ、利用率は底堅く推移しています。
デジタル化が進展する中でも、コンテンツの特性や利用シーンによっては紙媒体の価値が維持されており、メディア消費は一様なデジタルシフトではなく、用途に応じた使い分けが進んでいるといえます。
調査概要
日本全国の15~69歳の男女を対象にインターネットで実施。
回答者数:回答者4,400名のうち、有効回答があった3,717名
期間:2025年12月15日~22日
出典元:ボストン コンサルティング グループ
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。






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