仕組みがない状態でITツールを入れても逆効果
業務効率化の推進手段として、ITツールの導入を試みる企業は多くあります。
一方で、「ITツールの導入によって、かえって『管理の手間』や『作業の複雑さ』が増したと感じることはありますか」と質問したところ、「非常に強く感じる」が5.2%、「やや感じる」が44.3%と、ITツールの導入が逆に業務効率化を阻んでしまった割合が49.5%にのぼりました。
事業を運営する上で人手不足について「非常に影響がある」企業にしぼると、「かえって『管理の手間』や『作業の複雑さ』が増した」と感じる割合は57.4%に達し、人手不足の影響が深刻であるほど、逆効果の度合いも増すという実態がうかがえます。
なぜ、業務効率化を目的にITツールを導入したにもかかわらず、うまく機能せずに逆効果が生じてしまうのでしょうか。本調査結果から浮かび上がったのは、その成否を決める分岐点のひとつに「仕組み化」の有無があるのではないかということです。
実際に、「現在の経営は、特定の個人や経験に依存せず、安定的に成果が出る『仕組み』で回っていると思いますか」と聞いたところ、「あまりそう思わない」35.3%・「全くそう思わない(属人化している)」12.7%と、48.0%の企業で安定的に成果が出る仕組みが構築されていないままであることが分かりました。
さらに、導入済みのITツールの使いこなし度別に経営の仕組み化状況を見ると、「全く使いこなせていない」企業では92.3%が仕組みで回っておらず、「非常に使いこなせている」企業の39.1%と大きな開きが見られました。ITツールはあくまで「既存の仕組みを自動化・効率化するもの」であり、「仕組み自体をつくるもの」ではありません。
だからこそ、仕組みのない状態でITツールを入れても思うように機能せず、かえって管理の手間が増えるという逆効果が起こりやすいと考えられます。
仕組み化の有無が、成果に影響を及ぼしている
本調査では、「営業活動において、属人化を排除した『再現性のある仕組み』は構築されていますか」という質問も行いました。
その結果、「構築されている」と答えたのはわずか10.3%にとどまりました。「一部構築されているが、まだ個人に依存している」が54.3%、「全く構築されていない」企業は35.3%と、全体の89.6%が十分に構築されていない状態でした。
仕組み化の有無は、事業成果にも影響を及ぼしていることが見て取れます。
「売上向上のために、強化・改善の取り組みを実施した企業」のうち、営業の仕組みが「構築されている」企業では、その取り組みで期待以上もしくはおおむね期待通りの成果が出た割合が90.0%にのぼりました。
一方で、営業の仕組みが「全く構築されていない」企業では、成果が出た割合の合計がわずか15.4%と、約6倍もの開きが見られました。
経営全体においても同様です。「現在の経営は、特定の個人や経験に依存せず、安定的に成果が出る『仕組み』で回っていると思いますか」という設問に対して、「非常にそう思う(仕組み化されている)」と答えた企業では、取り組みの成果が期待以上もしくはおおむね期待通りに出た割合は55.6%、「ある程度そう思う」でも60.4%でした。他方で、「あまりそう思わない」では23.9%、「全くそう思わない(属人化している)」企業では0.0%という結果になりました。
これらの結果からも、仕組み化が進むほど、取り組んだ施策の成果が出やすく、属人化が強いほど成果がゼロに近づく構造が浮かび上がりました。
なぜ、「仕組みづくり」が進まないのか
仕組み化の必要性は大多数の経営者・幹部が認識しています。重要性を理解していながらも、なぜ体制の構築がなかなか進まないのでしょうか。本調査では、その理由のひとつとして「仕組みを一緒に設計してくれる存在がいないこと」が浮き彫りになりました。
実際に、「日本の中小企業向け支援サービスには、経営を俯瞰して『仕組み』を設計してくれる存在が不足していると感じますか」という質問をしたところ、「非常にそう感じる」11.0%・「やや感じる」45.7%と、56.7%が不足を実感していることが分かりました。
こうした結果から、多くの中小企業では仕組みづくりを推進したいと考えていながらも、「何から、どのように設計すれば良いか分からない」という壁に直面し、十分に構築できない状況が生じている可能性がうかがえます。
調査概要
調査期間 :2026年2月19日~2026年2月24日
対象者 :従業員数2~100名の中小企業経営者・幹部 300名
調査方法 :第三者機関インターネット調査
出典元:ラクスル株式会社
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。






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