AIで決めた後の"移動摩擦"──外部サイトへの移動にネガティブな感情を抱く人は60.5%、女性20代では75.0%
AIとの相談で「これだ」という商品が見つかった後、外部サイト(ECサイト等)へ移動して購入する際にどう感じるかを尋ねたところ、「スムーズに購入できて満足している」は17.8%にとどまりました。
一方、「改めてECサイトで検索し直したり、ログインしたりするのが非常に面倒だと感じる」(25.0%)、「AIの画面とECサイトの情報の間に差(在庫切れや価格差)がないか不安になる」(21.8%)、「ECサイトへの移動自体が手間に感じ、購入を諦めることがある」(7.5%)、「知らないサイトに移行しなければならず不安を感じる」(6.3%)を合わせて、60.5%がネガティブな感情を抱いていました。
なかでも注目すべきは、「移動自体が手間に感じ、購入を諦めることがある」人が7.5%存在する点です。AIとの相談で購入意欲が高まっても、その手前にある"移動の壁"が、すでに機会損失を生んでいることが分かります。
AIでの商品探し・比較中に感じるストレスとしても、「AI画面と販売サイトを往復するのが面倒」が30.5%で最多となり、40代では40.0%に達しました。次いで「真偽が不安で、結局自分で調べ直す手間がかかる」が27.5%と続いています。
性年代別に見ると、外部サイト移動へのネガティブな感情は女性20代で75.0%と最も高く、年代別でも20代71.3%、30代66.3%、40代58.8%、50代57.5%、60代48.8%と、若い世代ほど高い結果となりました。デジタルネイティブである若年層ほど、AIとECサイトの間の"分断"を強く感じているといえます。
価格の食い違いが摩擦を増幅──価格ズレが「全くない」層の25.6%に対し、「たまにある」層では76.0%が移動にネガティブ
AIの回答にある価格と、実際の販売サイトの価格が違っていて混乱した経験を尋ねたところ、「よくある」(20.3%)と「たまにある」(42.8%)を合わせて63.0%が価格ズレを経験していました。女性20代では82.5%にのぼります。
さらに、価格ズレの経験と外部サイト移動時の感情をクロス集計すると、価格ズレが「全くない」層でネガティブな感情を抱く人は25.6%にとどまる一方、「あまりない」層で48.6%、「よくある」層で61.7%、「たまにある」層では76.0%と最も高く、価格ズレの経験と移動への不満に関連が見られました。「全くない」層(25.6%)と「たまにある」層(76.0%)の差は、約3倍に開いています。
AIの回答と実際の販売情報の"データ不一致"が、ECサイトへの信頼を揺るがし、移動摩擦の高まりと結びついている構図がうかがえます。
AI活用ヘビー層ほど"代行"を求める──「ほぼ毎回」層の積極利用意向は53.8%、ライト層の約3.6倍
買い物(商品探し・比較)にAIを「ほぼ毎回」利用する人は26.5%、「2〜3回に1回程度」は35.3%でした。
AIの利用頻度と、AIが「予算」や「好み」を理解して購入手続き(カート投入や決済)まで代行してくれる機能の利用意向をクロス集計すると、「積極的に利用したい」は、利用が「数回程度」の層で15.0%、「2〜3回に1回程度」の層で24.1%、「ほぼ毎回」の層では53.8%と、AI活用が深まるほど高まりました。ヘビー層の積極利用意向は、ライト層の約3.6倍(15.0%に対し53.8%)に達します。
AIでの買い物体験を重ねた消費者ほど、次のステップである"購入代行"を求めているといえます。つまり、AI活用ヘビー層こそが、エージェント時代のECにおける一次顧客候補です。移動摩擦や価格ズレによってこの層を離脱させることは、EC事業者にとって最も大きな機会損失になり得ます。
現実解は"日用品×1万円未満"──「日用品のルーチン購入ならAIに任せたい」が38.5%で最多
では、消費者はどの領域からAIに購買を委ねようとしているのでしょうか。複数のECサイトを巡って最安値や最適解を探すことへの感覚を尋ねると、「趣味の買い物は自分で楽しみ、日用品はAIに任せたい」と考える"使い分け派"が20.8%存在し、20〜30代では28.1%にのぼりました。
購入代行機能の利用意向でも、「日用品などのルーチン購入なら利用したい」が38.5%と、選択肢の中で最多でした。また、AIに「お任せ」で買ってもらっても良いと思う金額の上限は、「3,000円未満」(32.8%)と「10,000円未満」(30.8%)を合わせて63.5%が「1万円未満」と回答しています。
消費者が最初にAIへ委ねようとしているのは、こだわりの少ない日用品を、失敗しても許容できる金額の範囲で買うことでした。移動摩擦の解消とAI購買への対応は、まず日用品領域から始まるといえます。
調査概要
調査名:ECサイト利用時のAI相談に関する調査
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:ECサイトで商品を購入した経験があり、購入の際にAI(ChatGPTやGemini等)で調べたり、相談したりすることがある20〜60代の消費者
有効回答数:400名
調査時期:2026年3月18日〜19日
※構成比は小数第2位を四捨五入して表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
※「ネガティブ計」等の合算値は実数から算出しているため、表示している各成分の和と0.1ポイント程度ずれる場合があります。
出典元:株式会社メルカート「ECサイト利用時のAI相談に関する調査」
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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