訪日旅行者の約8割が、旅行日数や旅行形態に関わらず、旅マエに旅程をほぼ決定【Cint Japan・JTB総合研究所調査】

訪日旅行者の約8割が、旅行日数や旅行形態に関わらず、旅マエに旅程をほぼ決定【Cint Japan・JTB総合研究所調査】

Cint Japan株式会社と株式会社JTB総合研究所は、共同調査「旅マエ~旅ナカにおける訪日旅行者の行動変化と持続可能な観光への意識調査」を実施し、その結果を発表しました。


訪日旅行者の約8割が、旅行日数や旅行形態に関わらず、「旅マエ」に旅程をほぼ決定

本調査で選定、対象とした韓国、中国、台湾、米国を含む訪日旅行者数の多い13か国の旅行者全体でみると、「ほぼすべて出発前に決めていた(40.1%)」、「大体決めていた(41.2%)」合わせて81.3%が、旅マエに旅程を概ね決めていることがわかりました。

また、旅行日数が長いほど、旅程の決定割合は下がる傾向にはあるものの、概ね決めている割合は31日以上でも約7割弱で、旅行日数による違いは、あまり大きくありませんでした。

旅行形態別では、ツアーを利用しない個人の旅行者でも、82.9%となり、むしろ「ホテル+交通手段のみのパッケージツアー」の利用者よりも、きっちりと旅程を組み立てている様子がうかがえます。

旅先でしたいことは、アジアの旅行者は自国内や身の回りで話題になっていることに惹かれ、欧米の旅行者は海外で話題になっていることに惹かれる傾向

「旅行先でしたいこと」について、海外での情報を重視するのか、身の回りの情報を重視するのか(海外志向vs身近志向)、その場所を体験したいのか、土産物を買ったり食べたりしたいのか(コト志向vsモノ志向)を組み合わせ、意識を聞きました。

国・地域別にみると、比較的、欧米の旅行者は「海外で話題になっているモノ」、アジアの旅行者は「身近で話題のコト」に惹かれる傾向があるようです。

日本国内での移動・滞在パターンTOP3は「首都圏滞在型」「近畿滞在型」「首都圏⇒近畿⇒首都圏」

移動・滞在パターンTOP3は「首都圏滞在型」、「近畿滞在型」、「首都圏⇒近畿⇒首都圏」、タイや台湾の旅行者は「北海道滞在型」、韓国は「九州滞在型」、インドは東北や中部など、比較的幅広い場所を訪問する旅行者も多い傾向である事がわかりました。

序盤・中盤・終盤の3つの組み合わせのうち、最も多かったのは、首都圏にずっと滞在する「首都圏滞在型」の13.7%、次いで「近畿滞在型」の8.1%でした。

国や地域別にみると、タイや台湾の旅行者は「北海道滞在型」、韓国は物理的に近いこともあり、「九州滞在型」が多い傾向でした。インドは東北や中部なども訪れています。

また以前は、中国からの旅行者は、いわゆるゴールデンルート(首都圏⇔中部⇔近畿)を旅行しているイメージがありますが、今回の調査結果では、他の国と比べて訪問する地域に偏りが少なく、万遍なく訪れている様子がみられました。

旅ナカの情報収集は、序盤は、まず「旅行先での生活を整えること」、中盤は「短時間の体験」、終盤は「土産物の購入場所」

旅ナカで必要とする情報は、旅の序盤から行程が進むにつれ、変化するのでしょうか。序盤は、まず「旅行先での生活を整えること」、中盤は「短時間の体験」、終盤は「土産物の購入場所」情報を探すことがわかりました。

調査結果をみると、旅の序盤には、「朝食を食べる場所」、「ランチを食べる場所」、「夕飯を食べる場所」、「飲み物や軽食など日用品を購入する場所」、「滞在場所から徒歩圏内で行ける場所」について調べています。まずは、旅行先での生活を整えたい、という意識が垣間見られます。

旅行の中盤に差し掛かると、少し余裕が出るのか、「スポーツ観戦やイベントなどの参加」、「数時間程度で体験できる現地ツアー」、「滞在場所から3時間程度以内で行ける場所」、といった数時間で体験できることの情報を探しています。

旅の終盤では、「土産物を購入する場所」、改めて「食事をする場所」や「滞在している場所から飛行機で移動する範囲」の情報を探す傾向があるようです。「飛行機で移動する範囲」については、旅の終盤であることを前提とすると、滞在場所から帰国するための空港の近くで軽く訪問できる場所を知りたいと考えていることが推察されます。

旅行先で最も実践している環境保護活動は「食品ロスの削減」

全訪日旅行者全体として、「日常生活、旅行中どちらもできている」ことの1位は、「食品ロスの削減」で、「テレビ・照明等のこまめな消灯」、「節水への取り組み」が続きました。一方、最もできていないことは、「スプーン、フォーク、箸など自分で使うカトラリーを持参する」でした。 

「食品ロスの削減」について、日常生活でできているのに、旅行中にできない理由としてあがったのは、「提供される食事の量などが選べない」でした。

持続可能な観光のために今後気をつけたいことは、「EV車の利用や環境負荷が高い交通手段を使わないこと」「宿泊施設や旅行商品もSDGsや環境保全に取り組んでいるかどうか」

現在意識的に実践していることは、「歯ブラシ・ブラシ・化粧品はなるべく持参する(41.5%)」でした。最も実践できていないことでは「カトラリー」が1位となったことと対照的な結果は興味深いところです。

また、現在は実施していないが、今後実施意向が高いと考えられる項目(意識的に実践していることよりも、これから実践したいこととの割合の方が高い項目)をピックアップしてみると、「レンタカーはEVやハイブリッドを指定する」、「二酸化炭素を排出する自動車や飛行機での移動の取りやめ」、「環境保全に取り組む宿泊・観光施設等を利用するツアーの選択」があがりました。

旅行中にも環境保護への意識が高まる中で、移動手段や宿泊施設、ツアー等が選ばれる基準として、今後はこれまで以上に環境保護への取り組みが求められそうです。

調査概要

調査手法:インターネットアンケート調査
調査期間:2023 年 9月7日(木)~ 9 月19日(火)
対象者:計13か国(5991名) 韓国(471)、台湾(457)、香港(463)、中国(524)、タイ(435)、シンガポール(445)、ベトナム(459)、インド(482)、イギリス(447)、フランス(446)、ドイツ(438)、アメリカ(473)、オーストラリア(451)に居住する18~79歳の男女/過去1年以内に海外旅行経験のある人(うち訪日経験がある人を含む)

出典元:Cint Japan 株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000067097.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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