2023年セグメント別デジタルサイネージ広告市場規模推計
2023年のデジタルサイネージ広告市場規模は前年比119%、801億円と推測されます。交通機関は399億円で全体の49.8%、商業施設・店舗は171億円で全体の21.4%、屋外は136億円で全体の17.0%、そしてその他は95億円で全体の11.9%を占めると推測されます。
■交通
鉄道車両や駅施設、タクシー、バス、空港、航空機などが含まれます。
市場占有率が高い鉄道の車両広告の回復が遅れているものの、その結果として、外部事業者との連携促進や広告商品の設計または販売方法の見直しの機運が高まっていると評価する声も聞かれます。
これまで急成長を遂げてきたタクシー広告は首都圏の媒体への取り付けがほぼ完了したことで安定成長期へと移行し、今後は広告効果測定に関する技術革新などが新たな成長要因になると見込まれています。
■商業施設・店舗
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア、薬局をはじめとする小売店やショッピングモール、美容室、飲食店などが含まれます。
リテールメディア化への取り組みの一環として注目を集める分野である一方で、複雑化した商流や来店者の導線を踏まえた媒体の設置場所及び通信環境の整備などに関して様々な課題が残されています。そうした環境下において、商品棚前に設置されるタブレット型の端末は成功モデルを確立しつつあり、今後一層の成長が期待されます。
またこれまで全国的な拡大が予想されていた美容室サイネージ市場は、大手事業者が相次ぎ撤退した一方で、新規参入も計画されていることから、今後1年間で市場構造が大きく変わる可能性があります。
■屋外(大型ビジョン)
様々な屋外空間に取り付けられるデジタルサイネージの中でも、とりわけ駅前などに設置される大型ビジョンの需要が高まっています。
渋谷や原宿といった人気地区に設置された屋外サイネージは常時的に満稿状況にあります。各地区の来訪者像が想像しやすく、また大画面で表示できるといったOOH媒体ならではの特性が高く評価されていると考えられます。これらの成功事例を受けて、ごく一部の人気地区以外においても新規媒体開発の検討がより積極的に行われるようになりました。
なお、こうした人気地区では、駅構内に設置されたサイネージも稼働率が高くなる傾向にあります。目玉となる特別仕様のデジタルサイネージの周囲に設置された媒体にも合わせて広告が出稿され、表示された大型広告がSNS上でも拡散されるといった相乗効果も報告されています。今後数年にわたり、大規模な再開発が計画されている駅が複数あることから、インパクトメディアとしての高い人気を維持しながら配信面の拡大も期待される注目の分野です。
■その他
地方自治体の建物内や、商業ビル及び居住用マンションのエレベーター、映画館(シネアド)などが含まれます。
本調査では、居住用マンションのロビーやエレベーターに設置されたデジタルサイネージの成長に期待を示す声が聞かれました。またゴルフカートやヘリコプター、公衆トイレといった様々な場所への新規媒体設置や広告配信が実施されており、生活空間のサイネージ化が着実に進んでいます。
調査概要
調査対象 :デジタルサイネージ広告関連事業者
調査手法 :CARTA HDならびに、デジタルインファクトが保有するデータ、公開データ、
デジタルサイネージ広告事業にかかわる企業へのインタビュー調査
調査時期 :2023年10月-11月
調査主体 :株式会社CARTA HOLDINGS
調査実施機関:株式会社デジタルインファクト
本調査では、デジタルサイネージ広告を、交通機関/商業施設・店舗/屋外(OOH)/その他の4つに分類し、2023年の推計と、2027年までの予測を実施。
出典元:株式会社シード・プランニング
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