経営判断に情報資産を活用できている企業は約1割 多くの企業がデータドリブン経営には至っていない結果に【タナベコンサルティング調査】

経営判断に情報資産を活用できている企業は約1割 多くの企業がデータドリブン経営には至っていない結果に【タナベコンサルティング調査】

株式会社タナベコンサルティングは、全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者などを対象に実施した「2023年度 デジタル経営に関するアンケート調査」の結果を発表しました。


約3割が「DX進捗は全体的にまだ不十分」と回答

DXの取り組み進捗度に対する自社評価について、「全体的にまだ不十分」の回答が30.3%と最も多く、「全社的に高度に推進できている」の回答が11.3%であることからみても、企業のDX進捗はまだ低いと言えます。

一方で、「一部または複数の“業務”でデジタル活用できている」とした回答が合計で46.6%(22.6%+24.0%)と半数近くに迫っていることから、デジタル活用度は徐々に高まっていることが推察されます。

約半数が「部門別」や「場当たり的」と回答。DXの実行推進上の難しさが明らかに

DX戦略の推進状況における自社評価は、「部門別のデジタル方針・施策で運用」「デジタル施策は場当たり的」がともに23.5%で計47.0%と半数近くを占め、全社的なDX戦略の策定には至っていないことが推察されます。

また、「DX戦略はあるが推進度に課題がある」企業は19.0%と、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進できている」企業の15.4%より多い結果に。DXの実行推進上の難しさが分かります。

「DX専門機能を持つ企業」と「成り行き体制で推進する企業」に二分化

DX推進体制については、「決まっていない」という回答が24.9%と最も多く、次いで「情報システム部門がDXを推進」が22.6%を占めました。

一方で、DX部門やプロジェクトを保有している企業の割合は合計で48.4%(「DX推進部門を保有(専任あり)」(21.7%)+「DX推進プロジェクトを組成」(15.4%)+「DX推進部門を保有(兼任中心)」(11.3%))を占めており、DXにおける成果を目的とした体制については、DX専門機能を持つ企業と成り行き体制で推進する企業に二分化してきた状況が見えてきます。

また、DX推進部門を保有する企業の内訳は、「専任あり」が21.7%、「兼任中心」が11.3%という結果となり、人材不足が叫ばれる中においても重点的にDX推進部門に人員配置をしている企業が一定数存在していることが分かります。

多くの企業が「顧客データの管理」におけるシステムの利活用レベルに課題を抱えている

顧客データの管理レベルについては、「システム連携に課題。一部手作業が残る」の回答が26.7%で最も多く、次いで「顧客データは表計算ソフトレベルで管理」が20.8%、「システムはあるがデータに不備(未入力など)」が18.1%という結果となりました。

「システム連携し活用できている」企業が11.8%に留まっていることからも、顧客データに関しては、システムの利活用レベルに課題を抱えている企業がいまだ多い実態が浮き彫りとなりました。

会社の情報資産を「蓄積し、経営判断に活用している」企業は僅か10.9%

全社の情報資産(データ)の蓄積と活用度については、「必要データが蓄積され経営判断に活用されている」との回答が全体の10.9%に留まり、データドリブン(データに基づく判断や活動)経営には至っていない企業が多いことが分かります。

課題別では「必要データが効率的に収集できていない」が24.9%、「データ蓄積と活用の必要性の理解そのものが乏しい」が22.2%と相対的に高く、活用の前段階として、データの収集・蓄積・目的の理解が追い付いていない可能性を指摘できます。

全社業務の可視化、データ連携は「業務プロセス、データ連携ともに中途半端」の回答が圧倒的

全社業務の可視化、データ連携については、「業務プロセス、データ連携ともに中途半端で改善が必要」との回答が他の選択肢を引き離して41.2%と圧倒的な回答率となりました。

「業務プロセスそのものの見直しが必要」と回答した企業も16.3%に上っており、業務プロセスの属人化やブラックボックス化が原因となり、データ連携、システム連携の足かせになっている状況がうかがえます。

調査概要

[調査対象] 全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者など
[調査期間] 2023年11月6日~2023年11月24日
[調査エリア]全国
[有効回答数]221件(インターネットによる回答)

出典元:株式会社タナベコンサルティング

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000058707.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップルは、iPhone用の最新OS「iOS 18.5」の配信を開始しました。iPhone 13シリーズのすべてモデルで通信事業者が提供する衛星通信機能が利用可能になるほか、バグ修正、セキュリティアップデートが含まれています。


センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

株式会社センタードは、SEO対策に関わっている方/ブログ記事作成で生成AIを使っている方を対象に、「SEOにおけるLLMO/AIO」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング株式会社は、世界40カ国・地域を対象に、2025年1月15日から2025年4月10日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査し、結果を公開しました。


博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

株式会社博報堂、株式会社Hakuhodo DY ONE、株式会社博報堂プロダクツは、⽇本での「TikTok Shop」の開始に向け、導入企業を対象とした新サービスの提供を開始することを発表しました。


Wix、AI搭載のビジネスアシスタント「Astro」を発表!AI機能でサイト運用が効率化、ビジネスの成長を後押し

Wix、AI搭載のビジネスアシスタント「Astro」を発表!AI機能でサイト運用が効率化、ビジネスの成長を後押し

Wix.com Ltd.は、AI 搭載のビジネスアシスタント「Astro」を発表。チャットインターフェースを通じて、様々なビジネスおよびバックオフィス業務を直接実行できるようにすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上するといいます。


最新の投稿


アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップル、「iOS 18.5」を配信開始!iPhone 13でも衛星通信が利用可能に

アップルは、iPhone用の最新OS「iOS 18.5」の配信を開始しました。iPhone 13シリーズのすべてモデルで通信事業者が提供する衛星通信機能が利用可能になるほか、バグ修正、セキュリティアップデートが含まれています。


センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

センタード、LLMO(大規模言語モデル最適化)・AIO(AI最適化)の認知度と取り組み状況について調査結果を公開

株式会社センタードは、SEO対策に関わっている方/ブログ記事作成で生成AIを使っている方を対象に、「SEOにおけるLLMO/AIO」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


【2025年5月19日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2025年5月19日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング、世界40カ国・地域におけるAI関連の検索キーワード調査結果を発表

アウンコンサルティング株式会社は、世界40カ国・地域を対象に、2025年1月15日から2025年4月10日までの期間における、「AI」に関連したGoogle検索のキーワードを調査し、結果を公開しました。


博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

博報堂DYグループ3社、TikTokのECプラットフォーム「TikTok Shop」活用のためのトータル支援サービスを提供開始

株式会社博報堂、株式会社Hakuhodo DY ONE、株式会社博報堂プロダクツは、⽇本での「TikTok Shop」の開始に向け、導入企業を対象とした新サービスの提供を開始することを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ