ブランド運営者がオンライン顧客獲得により多くのコストを投じるも、フラストレーション体験によってコンバージョン率は6.1%低下【Contentsquare調査】

ブランド運営者がオンライン顧客獲得により多くのコストを投じるも、フラストレーション体験によってコンバージョン率は6.1%低下【Contentsquare調査】

Contentsquareは、「2025年版デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート」の日本語版を公開しました。


顧客の期待が高まり、AI技術が急速に進化する中、2025年にブランド運営企業は激しい競争環境に直面しています。今回同社が発表したレポートのデータによって、オンラインのトラフィックを確実にコンバージョンにつなげることが、業界を問わず、その競争環境を企業が乗り越えていくための大きな課題になっていることが浮き彫りになりました。

ブランド運営企業は2024年にデジタル広告費に対前年比13.2%多くを費やしました。それにもかかわらず、今回のレポートではその投資の増加がビジネス成果の向上につながっていないことがわかりました。

日本を含む世界各国・地域の6000ものウェブサイトを対象に、2024年における900億以上のユーザーセッションを分析した本レポートによると、オンライン訪問を得るためのコストは今年9%急増し、過去2年間の通算では19%も増加した一方で、コンバージョン率は対前年比で6.1%低下しています。

この原因は オーガニック・トラフィックの減少、有料チャネル(特にペイドソーシャル)への依存の増加、そして最も重要なこととして、顧客の高まる期待に応える完璧なデジタル体験の提供という課題が重なりあっていることが挙げられます。

最新レポートの調査対象期間において、ブランド運営企業のデジタル顧客接点に来訪するトラフィックは3.3%減少しました。さらに、そのトラフィックの内訳を見ると、検索やSNSなどに出稿する広告からの有料トラフィックが0.4%増加した一方で、オーガニックな検索およびSNSやEメールからの流入といった無料トラフィックは5.7%減少しています。

さらに、広告費も増加しており、これらが重ね合わさった結果、企業がひとつの来訪を獲得するためのコストは9%増加しています。(いずれも2024年と2023年それぞれの第4四半期(10~12月)を比較した結果)

今回のレポートによると、2024年にはオンライン訪問者の40%が何かしらのイライラする体験に遭遇しており、それがセッションからの離脱や顧客の喪失につながっています。

フラストレーションは2023年のデータと比較してわずかに減少した(−1.8%)ものの、積極的に対処しない限り、この傾向は続く可能性が高いでしょう。 読み込みの時間が長いコンテンツはせっかくの来訪者が直帰してしまう主な原因であり、訪問したユーザーはたった1ページ見ただけで53%も離脱しています。

消費者の73%が「顧客体験(CX)に不満があると、その企業から商品を買わない」と答えている今、選択肢が多い市場では、デジタル上の「些細に思えるような使いにくさ」でも大きな損失につながってしまいます。


今回のレポートの調査対象期間である2024年において、同社が分析したデジタルトラフィック全体のうち、有料チャネルが占める割合は39%となり、前回調査(対象期間は2023年)の37%から2ポイント増加しました。

有料チャネルのひとつであるペイドソーシャルについて詳しく見ると、トラフィックを12%も押し上げたにも関わらず、ペイドソーシャルへの依存度を高めた企業では、直帰率が9.2%増加し、ページビュー数が8.7%減少、コンバージョン率が10.6%低下するという結果になっています。

これは、顧客の期待に応えるカスタマージャーニーが提供されていなければ、有料トラフィックの持つビジネスインパクトを最大限に引き出せないことを示しています。

このような課題の中、「デジタル体験の向上に力を注ぐ」企業、つまり他社に先駆けて最適なアプローチを実践しデジタル顧客体験のパフォーマンスを積極的に監視・管理している企業が、企業間における競争に勝利する道を示しています。

そうした業界をリードする企業は以下のような傾向がありました。

・ページの長い読み込み時間に起因するフラストレーションを22%削減
・レイジクリック(イライラして連打する行為)を5%近く削減
・他社と比べて4.5倍効果的にユーザーのイライラ体験を軽減

同様に、セッションの深さ(来訪あたりの閲覧ページ数)を対前年度比10%以上増やしたウェブサイトでは、コンバージョン率が平均5.4%増加しました。

来訪者のデジタル顧客体験を常にモニタリングしているチームと、そうでないチームのそれぞれが運用するウェブサイトで、フラストレーションの主な指標が対前年比でどの程度変化したかを調査しました。

その結果、モニタリングを常用しているチームのほうがユーザーのイライラ体験を大幅に軽減できていることが明らかになりました。

出典元:Contentsquare Japan合同会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000080319.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


【December 2025 core update】Googleコアアルゴリズムアップデートをリリース(2025年12月)

【December 2025 core update】Googleコアアルゴリズムアップデートをリリース(2025年12月)

Googleが2025年12月のコアアルゴリズムアップデート(December 2025 core update)をリリースしました。


オンラインギフトを贈った経験がある人が約5割!10代では"体験型ギフト"が人気【LINEリサーチ調査】

オンラインギフトを贈った経験がある人が約5割!10代では"体験型ギフト"が人気【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、全国の15~69歳の男女を対象に「オンラインギフト(eギフト)」を贈った経験について調査し、結果を公開しました。


電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2024~2027)」を発表

電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2024~2027)」を発表

電通グループは、世界56市場から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」の最新値を発表しました。


ファン育成施策を行った企業の84.1%が効果を実感!「関係値の可視化」「顧客との継続的なコミュニケーション」がファン育成の重要な要素に【kazeniwa調査】

ファン育成施策を行った企業の84.1%が効果を実感!「関係値の可視化」「顧客との継続的なコミュニケーション」がファン育成の重要な要素に【kazeniwa調査】

株式会社kazeniwaは、ファン施策の実施率およびファン育成施策の効果に関する調査を実施し、結果を公開しました。


若年層の生成AI利用実態「ふと気になったことを調べる」が3割半ばで最多【LINEリサーチ調査】

若年層の生成AI利用実態「ふと気になったことを調べる」が3割半ばで最多【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、、全国の15~24歳の男女を対象にした「生成AIサービスの利用とその内容」の継続調査として2025年9月期の結果を公開しました。


ページトップへ