Z世代にとって広告は興味を持っているコンテンツを邪魔する存在?Z世代の価値観に受け入れられやすい広告とは【ICA調査】

Z世代にとって広告は興味を持っているコンテンツを邪魔する存在?Z世代の価値観に受け入れられやすい広告とは【ICA調査】

株式会社ICAは、Z世代(18歳~27歳)の方を対象に、「Z世代が抱く広告のイメージ」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代が抱く広告のイメージ1位は「コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい」

はじめに、「普段よく目にする広告の種類」について尋ねたところ、『SNS広告(Instagram・X・TikTokなどのフィード内広告)(71.6%)』と回答した方が最も多く、『動画広告(YouTubeや動画配信サービスなどで再生前・途中に流れる広告)(50.9%)』『テレビCM(37.0%)』となりました。

上位に挙がった回答は、いずれも映像ベースの広告形態で、視覚・聴覚の双方に訴えるメディアへの接触が多いことがわかります。

中でも『SNS広告』は、Z世代の方の生活導線と直結しており、スクロール中に頻繁に挟まれるため、自然な形で目にする機会が圧倒的に多いと考えられます。

次に「普段よく目にする広告に対する印象」について尋ねたところ、『コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい(45.5%)』と回答した方が最も多く、『一方的で、信頼性が少ない(怪しいサイトへの誘導など)(25.2%)』『誇張しているなと感じる(21.4%)』となりました。

Z世代の方にとって、広告は興味を持っているコンテンツを「邪魔する存在」として認識されていることがうかがえます。

特に、『煩わしい』『信頼性が少ない』『誇張している』といった否定的な印象が上位を占めており、広告そのものへの根本的な拒否感が見られました。

では、実際にどのような広告が不快に感じるのでしょうか。

「どのような広告が不快に感じるか」と尋ねたところ、項目別で以下のような回答結果になりました。
※数値は『とても感じる』『やや感じる』の合計値

【不快と感じる方が7割以上】
89.9%:動画広告(YouTubeや動画配信サービスなどで再生前・途中に流れる広告)
79.8%:バナー広告
78.9%:SNS広告(Instagram・X・TikTokなどのフィード内広告)

【不快と感じる方が3割以上】
45.3%:テレビCM
34.8%:雑誌広告
32.6%:看板広告・ポスター
31.8%:新聞広告


【不快と感じる方が3割以下】
29.9%:屋外ビジョン広告
(駅前・繁華街の大型モニター広告)

最も不快に感じている広告は「動画広告」で、約9割が不快感を感じると回答しました。

同様に、「バナー広告」や「SNS広告」も上位となり、不快感が高い広告には共通して「視聴や操作中に割り込んでくる」という特徴が見られました。

これらの広告は、ユーザーがコンテンツを操作・閲覧している最中に表示されるため、視覚的な邪魔や誤操作によるストレスが不快感をもたれやすい原因と考えられます。

一方、約7割が不快と感じないと回答した「屋外ビジョン広告」や「新聞」、「看板」といった広告は、ユーザーの体験を妨げず、自分のペースで視認できるため、不快感が少なく受け入れられやすい傾向が見られました。

中でも最も不快度が低くなった屋外ビジョン広告は、生活動線上で自然に目に入り、「視認されやすく、受け入れられやすい広告」として好意的に受け止められている様子がうかがえます。

SNSなどweb広告に煩わしさを感じ行う回避行動の実態

では、広告への不快感を回避するために行っている行動などはあるのでしょうか。

「広告を回避するために行っている行動」について尋ねたところ、『すぐ広告スキップや閉じるボタン・✕を押す(43.7%)』が最多で、『広告がでてきたら画面を変える(19.6%)』『動画サイトの有料プランに加入している(10.3%)』となりました。

この結果から、「広告は回避するもの」という姿勢が、Z世代の方にとってはごく自然な行動として定着している様子が浮かび上がりました。特に、『すぐ広告スキップや閉じるボタン・✕を押す』といった即時対応は、「見せられている広告との接触を短く済ませたい」という心理の表れとも言えるでしょう。

また、広告非表示のために料金を払う「有料プラン」に加入している方も一定数いることがわかりました。

多くの人がSNSやWEB広告などを「避けるもの」として即座にスキップや非表示の選択をしている実態が浮かび上がる中で、屋外ビジョン広告は、最も不快に感じにくい広告として評価されています。

Z世代は屋外ビジョンについてどういった印象をもっているのでしょうか。

屋外ビションは「誰もが目にする」という点が信頼性や公共性を感じられている

そこで、街中の大型ビジョン広告に対するイメージをうかがいました。

「屋外ビジョン(例:駅や街中の大型モニター広告)に対する印象」について尋ねたところ、『迫力があって目立つ(32.1%)』が最多で、『芸能人やアーティスト、アニメキャラクターなどがよく出てくる(25.7%)』『流行の商品や勢いのある企業のCMが流れている(22.0%)』『信頼性、公共性が高い(21.3%)』といった声が挙がりました。

さらに、『信頼性、公共性が高い』と回答した方に、「信頼性、公共性が高いと感じる理由」について尋ねたところ、『誰もが目にするため、不正確な内容が少なそう(65.3%)』『CM費用も高額な印象があり、大きな企業しか流せないイメージ(40.9%)』が上位になりました。

オンライン広告に対して否定的な姿勢を示すZ世代でも、屋外ビジョンにはマイナスの印象を抱く割合は低いようです。

その理由として、「不特定多数が見る」「費用が高額」といった「信頼性、公共性の高さ」が挙げられており、SNS広告とは異なる評価軸が働いていると考えられます。

また、視覚的な迫力や非日常性も魅力とされており、広告が街の風景と一体化することで、情報というより「体験」として受け入れられている側面もあるのではないでしょうか。

このような、広告から受けた印象は企業イメージにも影響を与えるのでしょうか。

「広告から受けた印象が、その広告を出している企業の印象に影響すると感じるか」と尋ねたところ、約半数の方が『影響する(16.9%)』『やや影響する(36.5%)』と回答しました。

さらに、『影響する』『やや影響する』と回答した方に、「影響すると感じる理由」について尋ねたところ、『信頼できそうな広告は、企業自体も信頼できそうに見えるから(45.8%)』『広告のクオリティがそのまま企業の印象につながるから(42.1%)』『現方法やトーンが企業の姿勢を反映していると感じるから(25.4%)』などの声が挙がりました。

結果から、広告が企業の印象形成に影響を与えることが示されました。

特に、広告の「信頼性」や「クオリティ」は、そのまま企業の姿勢や真摯さを映し出す要素として認識するZ世代は決して少なくないようです。

屋外ビジョンは「都市の活気」や「トレンドの象徴」のような印象に

次に「屋外ビジョンや大型ビジョンにどのような魅力を感じるか」と尋ねたところ、『街が栄えているイメージ(31.0%)』が最多で、『流行のモノが流れているイメージ(27.7%)』『街中で大胆に流れることが魅力的(23.1%)』となりました。

上位の回答からは、屋外ビジョンに対して「都市の活気」や「トレンドの象徴」としての印象を抱いていることが読み取れます。

また、「街中で大胆に流れることが魅力的」という回答からは、スケールの大きさや非日常的な演出に価値を見出している様子も見て取れます。屋外ビジョンの存在は、情報発信にとどまらず、人々の目を引き、都市空間の中で一瞬立ち止まらせる「場の力」としても機能しているといえるでしょう。

調査概要

【調査期間】2025年4月18日(金)~2025年4月21日(月)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,002人
【調査対象】調査回答時にZ世代(18歳~27歳)であると回答したモニター
【調査元】株式会社ICA
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

出典元:株式会社ICA

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000091370.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング Z世代

関連する投稿


オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

株式会社オプトは、生成AIを活用したAI駆動型プロダクト検証支援サービス「DIGGIN’ ZERO(ディギンゼロ)」の提供を開始したことを発表しました。


BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、「年収3,000万円以上かつ年間消費額1,000万円以上」の日本の消費者を対象に「BCG高額消費者調査」を実施し、結果を公開しました。


SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方を対象に、「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」を実施し、結果を公開しました。


YouTube動画きっかけで商品を購入した約7割が、ショートよりも長尺動画の方が"購入意欲が沸く【NEXER調査】

YouTube動画きっかけで商品を購入した約7割が、ショートよりも長尺動画の方が"購入意欲が沸く【NEXER調査】

株式会社NEXERは、株式会社アートブレインズと共同で、普段からYouTubeを視聴する方を対象に、「YouTube動画と商品購入」についてのアンケートを実施し、結果を公開しました。


アライドアーキテクツ、顧客の声をAIで解析してコミュニケーションの起点となるインサイトを発見するデータプラットフォーム「Kaname.ax」の提供を開始

アライドアーキテクツ、顧客の声をAIで解析してコミュニケーションの起点となるインサイトを発見するデータプラットフォーム「Kaname.ax」の提供を開始

アライドアーキテクツ株式会社は、同社が蓄積してきたSNSのUGC(User Generated Content)をはじめとする顧客の声(VOC:Voice of Customer)データとマーケティングコミュニケーション領域で培った知見をAIで統合・解析し、コミュニケーションの起点となるインサイトを継続的に導き出すデータプラットフォーム「Kaname.ax(かなめ・エーエックス)」のサービス提供を開始したことを発表しました。


最新の投稿


みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2025/05/05〜2025/05/11)

みんなの注目キーワードは?週間検索トレンドランキング(2025/05/05〜2025/05/11)

ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」をもとに、週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているキーワードを取り上げます。


オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

オプト、新サービスに必要な検証をスピーディーに実現するAI駆動型の超高速プロダクト検証支援サービスの提供を開始

株式会社オプトは、生成AIを活用したAI駆動型プロダクト検証支援サービス「DIGGIN’ ZERO(ディギンゼロ)」の提供を開始したことを発表しました。


BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

BCG、年間消費額1,000万円以上の高額消費者の購買行動に着目した調査・分析結果を公開

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、「年収3,000万円以上かつ年間消費額1,000万円以上」の日本の消費者を対象に「BCG高額消費者調査」を実施し、結果を公開しました。


レジリエンス経営 ~ 危機を乗り越えて

レジリエンス経営 ~ 危機を乗り越えて

物理学をはじめ、精神医学や心理学、果ては経営に関わる概念としても応用されている「レジリエンス」。この広範囲な分野で活用される「レジリエンス」とは、広義で捉えると柔軟性・回復・復興といったところでしょうか。まさに現代の社会的にも企業の経営的にも必要とされている「レジリエンス」について、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が体系的に解説します。


SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

SNS広告が新たな購買行動のきっかけになった人は約7割!ストーリー形式の広告に対する評価が上昇傾向【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方を対象に、「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ