コンサルタント紹介
齋藤 ロベルト 義晃
株式会社ヴァリューズ データプロモーション局 ゼネラルマネジャー
株式会社ヴァリューズクリエイターズ 執行役員
麻布高校、一橋大学(一條和生ゼミ)卒業。ネット証券会社黎明期にデジタルマーケティング立ち上げに携わり、約10年にわたってWEB戦略を推進。2014年の東証一部上場を経て、マーケティング部長、経営企画室長を務めたのち、2018年にヴァリューズに入社。データプロモーション事業の責任者として売上昨対比2倍を3年連続で実現。2019年2月より現職。
あわせて、SEO支援歴約20年のシニアコンサルタント含め、ヴァリューズSEO担当者が出席
日々のお悩みにSEOコンサルタントがお答えしました!

ヴァリューズは、SEO担当者が日々のリアルなお悩みを語り合うミートアップ「SEO交流ミートアップ~Google先生の気まぐれにお悩みのSEO担当者の集い〜」を開催しました。
ミートアップでは、SEOに関するいくつかのトークテーマをもとに交流が行われ、幅広いお悩みが参加者の皆さまからあがりました。参加者の皆さまからいただいたお悩み・疑問に、ヴァリューズSEO担当者がお答えしました。いただいたお悩みや疑問と回答を、いくつかピックアップしてご紹介します。
■Q:生成AIが普及したらサイトの成果は落ちてしまう?

人材系企業のSEOご担当者A様:「生成AIが普及し、検索結果を要約するAI概要が当たり前となったら、サイトの成果は落ちてしまうのでしょうか?」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「クエリによってはそういった傾向が出る可能性も否定できません。検索クエリの種類によって『AI Overview』などから受ける影響の大きさは異なるので、いわゆるKnowクエリとDoクエリそれぞれの影響を精査し、注力対象のクエリを再精査する、といった取組が推奨ですね。」
人材系企業のSEOご担当者A様:「その場合、『AI Overview』によってクリック率が下がりやすいとされるKnowクエリに対応するページは、サイトにとって足かせになってしまうのでしょうか?」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「足かせとまでは断定できませんが、評価が偏ってしまう可能性はあります。Knowクエリを主な対象としてコンテンツを掲載しているサイトでは、クリック率・インデックス率の低下といったような影響を通じて、サイト全体の評価が下がる可能性は否定できないですね。」
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参加者の皆さまからのご不安・お悩みとして度々議論になったのが、「生成AIの台頭によるSEOへの影響」についてです。生成AIの登場によってSEOがどう変わっていくのか、まだ確固とした指針を出すのは難しい状況です。しかし、Googleの「AI Overview」によるクリック率の低下のような具体的な動きもあり、今後のSEOで最も注視すべきトピックの一つであることは間違いありません。
戦略の1つとして、「KnowクエリよりもDoクエリに注力すべきでは」という話もあがりました。
Knowクエリとは、ユーザーが何かを「知りたい」時に検索するクエリのことで、「SEO とは」などのクエリが該当します。対してDoクエリとは、ユーザーがなにかを「したい」時に検索するクエリのことで、「引っ越し 見積」「○○証券 口座開設」などの行動を目的としたクエリが該当します。
Knowクエリの方がGoogleの「AI Overview」などの影響を受けやすいのではないか、と指摘されています。
■Q:施策の成果はどう評価すべき?

金融系企業のSEOご担当者B様:「施策の成果をどう評価していけばいいのか分かりません。施策がどう効いているのかを判断できず、PDCAを回せないのですが、どうすれば良いのでしょうか。」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「サイトの立ち上げ当初であれば、分析の体制を整え、分析ツールの操作に慣れるのに工数がかかるかもしれませんね。まず見るべき数字としては、KWの順位と流入クエリ、クリック率です。加えて、代表的な指標として流入数やエンゲージメント指標などから、クエリに対応するコンテンツのパフォーマンスを評価していくことをおすすめします。」
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SEOで成果を出すには、分析を重ねてPDCAを回していくプロセスが欠かせません。分析が不十分だと、せっかく効果的な施策を実行できていても横展開できなかったり、逆に成果があまり出ていない施策を続けてしまったりといった事態に陥る可能性もあります。
SEOの成果を分析する際の代表的な指標として、以下が挙げられます。
- 検索順位
- 流入クエリ
- オーガニック経由の流入数
- ユーザー属性
- CV数/CVR
- エンゲージメント指標
- 被リンク数
細かく分析するには、より多くの指標をチェックしていく必要があります。もちろん、分析だけで終わりにするのではなく、分析をもとに課題と改善策を考え、新たな施策につなげていくことも必要です。
■Q:コンテンツのジャンルが分かれているときはどうすればいい?

マスコミ系企業のSEOご担当者C様:「メディア内でコンテンツのジャンルが分かれている場合、ジャンルごとにサイトを分けた方がいいのでしょうか?」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「『ジャンルのテーマ同士がどの程度近いのか』という観点で見ることが大切です。比較的近いジャンルでコンテンツが展開されているのであれば、ディレクトリを分けたりサブドメインを作ったりといった対応の緊急度・重要度は比較的低くなります。」
マスコミ系企業のSEOご担当者C様:「コンテンツのジャンルが比較的近いのであれば、サイトを分ける必要性はあまり高くないということですね。」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「そうですね。また、近いテーマとして『今ユーザーが流入しているクエリはどのようなクエリなのか』という観点も効果的な施策につながる可能性があります。 実際にユーザーが流入しているクエリに近いジャンルのコンテンツを公開していく戦略は、再現性の高いコンテンツSEO施策と言えるでしょう。たとえば、ライフスタイル関係のクエリで多くの流入がとれている場合は、今後もライフスタイルのジャンルに注力していく、といったアプローチです。」
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長く運営されているメディアや、立ち上げ当初に明確な方向性が定まっていなかったメディアの場合、コンテンツが増えるにつれてジャンルの幅も広がっていくこともあるでしょう。
昨今はサイトのテーマ性が著しく異ならないかをチェックする検索エンジン側の動きも観測されるため、1つのサイト内で幅広いジャンルのコンテンツが展開されている場合、ジャンルの遠さによってはサイトを分ける判断も必要になる場合があります。
■Q:被リンク対策は古い?

金融系企業のSEOご担当者B様:「社内でSEOの話をしていた時に、『被リンク対策はいまどきのSEO対策として古い』、と言われてしまったのですが、実際はどうなのでしょうか。」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「被リンク対策は昔からあるSEO施策の一つで、被リンクの『購入』が施策の一つとして横行していた時代があります。被リンクを大量に購入すれば自サイトへのリンクが増えて評価が上がると考えられており、実際に一定の効果を発揮していました。
しかし、2025年現在、被リンクの購入はGoogleのガイドラインに違反する行為とみなされています。順位操作を目的とした不自然な外部リンクはスパムとしてペナルティの対象となります。『被リンク対策は古い』と言われる時は、被リンクの購入をはじめとする、以前に行われていた古いSEO対策が念頭に置かれているかもしれません。」
金融系企業のSEOご担当者B様:「被リンクの『購入』といった施策に関しては古いということですね。最新の被リンク対策としては、どのような施策があるのでしょうか。」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「純粋に高品質なコンテンツを公開することで被リンクの獲得を狙う戦略は有効です。Googleのガイドラインに違反しない、自然な形で獲得された被リンクであれば問題はないでしょう。
たとえば、独自のアンケート調査をもとにしたコンテンツを公開したところ、調査結果がいろいろなサイトで引用され、リンクが貼られたとすれば、それは自然な形で獲得された被リンクと言えます。」
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SEOにおいて、被リンクはページの評価に影響を与える指標の一つです。
被リンク対策を「古い」と考える方もいるようですが、自然な形で被リンクを獲得できれば、それは今でも有効な施策となります。
被リンクの購入といった手段に頼るのではなく、独自性のある高品質なコンテンツを発信していくことが、今のコンテンツSEOに求められる姿勢と言えるでしょう。
使いやすい?使いにくい?ーGA4のお悩み相談会
ミートアップの後半では、SEO担当者の必須ツール「GA4(Google アナリティクス 4)」についてのお悩み相談会も行われました。実際にあがったお悩みをいくつかご紹介します。
人材系企業のSEOご担当者A様:「指標や用語の意味がわかりにくいですね。数字自体が取得できるのですが、その数字が高いのか低いのか、判断基準を知りたいです。」
金融系企業のSEOご担当者B様:「本当に正しく数字を取得できているか、不安があります。」
マスコミ系企業のSEOご担当者C様:「別のツール(Adobe Analyticsなど)に比べるとクロス集計がしにくい気がします。設定さえできればかなり使えるのと思うのですが、デフォルトだと使いにくく感じることもあります。」
ヴァリューズSEOコンサルタント:「指標や用語の分かりやすさに不安を感じている方が多いようですね。また、数字の取得ができていたとしても、その数字をもとに施策の立案・実行を回していくプロセスに不安を抱えている担当者の方もいらっしゃるようです。もちろん、GA4は効果的に使えれば役に立つ、SEO担当者必須のツールです。今後ヴァリューズでも一層支援していきたいですね」
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GA4の使い方にお悩みのSEO担当者の方は多いのではないでしょうか。成果分析をきちんと実施して施策を進めていくためには、各種分析ツールを使いこなしていく必要があります。
今後のSEOの展望と戦略ーまとめ
今回のSEOミートアップでは、SEO担当者のみなさんの日々のお悩みや、そうしたお悩みに対してどのように対処していくべきか、活発な交流が行われました。なかでも生成AIに関しては不安や疑問を抱えている方も多く、施策を推進していくうえで無視できない存在になっていることがわかります。
生成AIと向き合いながらより高品質なコンテンツを展開していくこと、そして従来と同じく精密な分析を含めてPDCAを回していくことの重要性が改めて実感できたミートアップとなったのではないでしょうか。
■ヴァリューズR&Dの取り組み
ヴァリューズでは、R&Dの取り組みの一貫として、独自の行動ログを用いた国内最大級SEOデータベースによるアルゴリズム解析を行っています。

ページの滞在時間の長さやページの表示速度、被リンクの参照ドメイン数などの特徴量が、検索順位においてどの程度重視されるのか、ヴァリューズ独自のデータを使って解析しています。今回のミートアップでは、ヴァリューズR&Dチームの取り組みの成果として、2024年に実施されたGoogleのコアアルゴリズムアップデートの傾向をご共有し、参加者の皆さまと議論を深めました。
ヴァリューズでは、こうしたR&Dの取り組みはもちろん、他社にはない独自のログデータによる分析を用いたSEO支援を強みとしています。テクニカルSEOからコンテンツSEOまで、経験豊富な社員による精緻な分析と手厚い実行支援で、成果の最大化をサポートします。
■ダウンロード【無料】|VALUES Data Promotion ご紹介資料
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最後に、ヴァリューズでは共に働く仲間を募集しています。独自の行動ログを用いながらGoogleの動向をキャッチアップしつつ、Googleとの共同研究/取り組みも活発に行われている環境で、マーケティングプラットフォーム(Dockpit、Perscope)のクライアント基盤がありSEOと複合的な取り組みが可能な会社です。
より深くSEOを極めていきたいSEOコンサルタントの方や、エビデンスをベースにしたマーケティング活動を軸に事業成長支援をしていきたい方、コンテンツマーケティングのスペシャリストを目指していきたい方など、ご興味のある方はぜひお話を聞かせてください。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。