急成長するNothing。2年間でサイト訪問者は7倍に!
早速、「Nothing」日本公式サイトの訪問者数の推移を見ていきましょう。
なお分析には、株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
「Nothing」のサイト訪問者数の推移
集計期間:2023年11月~2025年10月
デバイス:PC、スマートフォン
2023年11月に約4万人だった月間サイト訪問者数は、2025年10月には30万人を超えています。わずか2年間で7倍以上に増加しており、Nothingが市場での存在感を着実に高めていることがわかります。
テクノロジーブランドNothingとは?
「Nothing Technology」(以下、Nothing)は2020年ロンドンで創業されたテクノロジーブランドです。透明なデザインや背面にLEDライトを導入したスマートフォンなど、個性的なデザインで人気を集めています。
スマートフォンやイヤホンなどのデジタル製品だけでなく、パーカーなどのファッション製品を販売していることも特徴的です。
さらに、2023年にはサブブランド「CMF by Nothing」(以下、CMF)を立ち上げ、よりシンプルなデザインで価格を抑えた商品を展開しています。CMFではスマートフォンやオーディオ製品に加え、スマートウォッチの販売も行っており、Nothingのさらなる事業拡大を担っています。
■透明デザインが話題!Nothing製品紹介
ここからは、Nothingを代表する3つの製品を紹介します。なお、価格などの情報は記事執筆(2025年11月)時点のものであり、最新情報は公式サイトなどをご確認ください。
Phone(3)
まずは、スマートフォンの最新モデルPhone(3)(税込 124,800円)です。
やはり目を惹くのが背面の個性的なデザインです。なかでも特徴的なのが、右上に配置された円形のサブディスプレイ「Glyph Matrix(グリフマトリックス)」です。約500個のマイクロLEDで構成され、通知や音量の確認など多彩な機能を担います。
デザインだけでなく、50MP(メガピクセル)の高画質カメラやAIを活用した独自機能「Essential Space」など、機能や品質も兼ね備えています。
Headphone(1)
2つ目は、ブランド初のヘッドフォンHeadphone(1)(税込 39,800円)です。
こちらのヘッドフォンも、透明なスケルトンデザインを採用しており、Nothingらしい個性が際立つモデルです。音響設計はイギリスの老舗オーディオブランドKEFとの共同開発しており、音質にもこだわっています。
また、近年はタッチセンサー操作の製品も増えていますが、Headphone(1)ではすべて物理ボタンを採用し、直観的で誤操作の少ない操作性を実現しています。
Ear(3)
3つ目は、ワイヤレスイヤホンの最新モデルEar(3)(税込 25,800円)です。
Nothingらしいシースルーデザインに加え、機能面では「スーパーマイク」が特徴です。スーパーマイクとは、ケースに内蔵されたマイクのことで、通話やボイスメモの時に周囲の雑音を抑え、ユーザーの声をクリアに拾う仕組みです。スーパーマイクを使えば、騒がしい環境でもストレスなく快適な通話が可能です。
Nothing関心層ってどんな人?
Nothingに関心を持っているのはどのような人なのでしょうか。Nothingのサイト訪問者データを分析し、その特徴を探っていきます。
なおここからの分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用います。
まずは、サイト訪問者の性別から確認します。
Nothingサイト訪問者の性別
集計期間:2024年10月~2025年9月
デバイス:PC、スマートフォン
サイト訪問者の約7割が男性で、男性比率が高い結果となりました。個性的なデジタル製品を展開するNothingは、ガジェット関心層と親和性が高いと考えられます。
続いて年代を確認します。ブランドの特性や成長スピードを踏まえると、トレンドに敏感な若年層や、最新技術やデジタルガジェットへの関心が強い中年層の割合が高いと予想されます。
しかし実際の年代分布は偏りが少なく、むしろ50代以上の割合が高くなっていました。
Nothingサイト訪問者の年代
集計期間:2024年10月~2025年9月
デバイス:PC、スマートフォン
Nothingはガジェット好きに限らず、幅広い層のニーズに応えているようです。
世代別にみるNothingの魅力
幅広い年代の消費者から注目されるNothingですが、関心を持つ理由は同じなのでしょうか。多くの特徴的な一面をもつNothingは、年代によって”刺さるポイント”が異なると考えられます。
そこで、Nothingのサイト訪問者を以下の3つの年代に分類し、それぞれの特徴を深掘りします。
・若年層:20代以下
・中年層:30代~50代
・高齢層:60代以上
以下の図は、年代別の消費行動タイプを表しています。なお、基準値は各年代における平均値で、Nothingサイト訪問者に特徴的なタイプを知ることができます。
年代別のNothingサイト訪問者の消費行動タイプ
集計期間:2024年10月~2025年9月
デバイス:PC、スマートフォン
どの年代でも共通して技術志向型が特徴的でした。最新のテクノロジーブランドだけあって、技術に敏感な人が多いようです。一方で、年代ごとに異なる特徴も見られました。
| 年代 | 消費行動タイプ | Nothingの選ばれる理由のイメージ |
|---|---|---|
| 若年層 | ブランド志向型 | 信頼性・ステータス |
| 中年層 | 個性表現型 | 特徴的なデザイン |
| 高齢層 | トレンド志向型 | 話題性 |
Nothing関心層の年代による消費行動タイプの違い
若年層ではブランド志向型も多く、Nothingのブランドとしての信頼性やステータスの高さに魅力を感じているようです。
中年層では個性表現型が多く、他者と差別化して自分らしさを表現できるNothingの唯一無二のデザインに惹かれているのかもしれません。
高齢層ではトレンド志向型が特徴的で、一般的な高齢層と比較してトレンドに敏感なことがわかります。最近話題のブランドとしてNothingに関心を寄せ、若い世代に取り残されないアクティブな思考がうかがえます。
まとめ
今回は、近年成長を続けるテック企業Nothingの関心層を分析しました。個性的なデザインや革新的な技術・機能で注目を集めるNothingは、幅広い年代から関心を持たれていることがわかりました。
さらに、年代ごとに関心を持つ理由には違いがあり、若年層はブランド力、中年層は個性的なデザイン、高齢層はトレンド性に惹かれていることが示唆されました。
これまでにない唯一無二の製品を世に送り出すNothingが、今後どのような製品を発売し、さらなる規模拡大を遂げるのか注目です。







2026年4月に入社予定の大学院修士課程1年生です。大学では分子生物学系の研究に取り組んでいます。