「好きなことにお金を使いたい」Z世代と「節約・投資思考」のY世代
横軸に「現在お金を使っている」縦軸に「もっとお金をかけたい」として結果を分布し、Z世代とY世代のお金の使いどころを整理をしました。
その結果、現在も金額をかけていて今後もかけたいものとしてZ世代で特に目立つのは「推し活・オタ活」であり、Y世代に比べてお金を使っている比重もお金をかけたい気持ちも高いことが分かります。
また現在はお金を使っていないが、今後お金をかけたいものとしていずれの世代でも「投資」が挙がっていますが、Y世代の方がよりお金をかけたい意識が強い結果となりました。
反対に、横軸はそのままに、縦軸に「もっと費用を減らしたいもの」を置き、どの消費活動に無駄遣いさを感じているのか比較しました。
その結果、Z世代では「推し活・オタ活」がお金をかけたい反面お金を減らしたいものとしても一定数挙がっていました。「推し」のためにより費用をかけたい層と節約対象と見ている層で意見が分かれている様子です。
一方で「ファッション」「スキンケア」「メイクグッズ」といった身だしなみに関する項目は、減らすつもりのないものとして分類されました。
Z世代は「推し活」にかける費用を減らしたいと考える層もいる一方で、身だしなみにかける費用は減らしたくないという意識が垣間見られました。
Y世代での特徴的なものとしては「食費(外食以外)」「スマホ代」「外食費」といった娯楽以外の項目がお金を減らしたいものとして挙がっていました。
Z世代はモノよりもコト消費を重視する傾向に
Z世代は「物質的なものよりも、体験や経験にお金を使いたい」が男女共にY世代よりも高いです。また、初任給の金額増などの社会情勢もあってか、Y世代と比べて収入増の意欲は強くはないですが、学校教育の影響かお金の勉強はしている様子でした。
一方、Y世代が高いのは「もっと収入をアップしたい」「将来の経済環境(景気、就職状況、収入など)について不安を感じる」「早期から老後資金や非常時のための貯蓄をすることは重要だ」「今すぐの満足よりも将来のため貯蓄を優先したい」など。Y世代には就職氷河期世代も含まれ、今よりも労働時間や退職年齢が延びることは嫌だが収入を上げたい意向はZ世代よりも高めでした。好景気を知らない世代らしく、今後の景気への不安から安定性を重視して貯蓄意識が高いです。
Z世代の投資利用は2割程度にとどまる Y世代の方が積極的な姿勢
投資の利用状況について確認したところ、最も利用率が高いのが「NISA/新NISA/つみたてNISA」で、Z世代男性では2割近く・Y世代男性では3割近くが利用しています。
次に利用率が高いのが「株式投資(国内株式/海外株式)」で、3番目に利用率が高いのは「投資信託」でした。ほとんどの項目でZ世代よりもY世代の方が利用率が高く、Y世代の方が投資に対してより積極的な姿勢であることが窺えます。
※Z世代は23歳以上に限定して集計。
投資は社会的な意義としても位置付けているZ世代
投資に対するイメージを投資利用者ベースで見ると、「将来の生活資金への備え」「貯金のようにコツコツ行うもの」がイメージとして多く挙がっており、特にY世代で将来を見据えた備えが重要視されていることが分かります。
Z世代では「ギャンブル・娯楽」「現在の生活資金の補填」「社会の役に立つ」「社会人として当然やるべきこと」といった項目でY世代を上回っており、投資に対して物質的な備え・蓄えだけでなく社会的な意義や目的も求める傾向あると言えます。
※Z世代は23歳以上に限定して集計。
キャッシュレス決済が浸透も年齢的な制約あり Y世代はセキュリティ不安も
キャッシュレスの利用状況について確認したところ、キャッシュレス決済の方が現金利用に比べて主流になってきました。
Y世代に比べると、Z世代は男女共にキャッシュレス決済の利用率が低めです。Z世代もスマホ保有率が上がりキャッシュレス決済が身近になったものの、クレジットカード保有率が依然として低いため、事前チャージ型の決済中心になることが多く、事前チャージの手間がキャッシュレス決済利用のハードルとなっているのではないかと考えられます。
キャッシュレス決済に対するイメージとして最も多く挙がっていたのは「支払いが簡単・スムーズである」でした。特にY世代の女性で多く挙がっています。
次いで「割引やポイントなどの特典がある」が多く挙がっており、こちらもY世代女性の割合が高めでした。
セキュリティ面に着目すると、Z世代は「セキュリティ対策が万全である」と答えた割合がY世代に比べて高く、Y世代は「セキュリティ対策に不安がある」と答えた割合がZ世代に比べて高かったです。Y世代の方が、デジタルネイティブなZ世代に比べてキャッシュレス決済に対してセキュリティ面で不安を抱えていると考えられます。
デジタル給与は消極的な結果に Z世代の方が受容高め
デジタル給与の利用意向を確認したところ、いずれの属性でもデジタル給与利用に対して消極的な人の割合が高い結果になりました。
世代別に見ると、Z世代の方がY世代よりもデジタル給与利用に対して積極的です。Y世代の方がZ世代よりもセキュリティに対する意識が高く、デジタル給与利用に対して慎重になっているのではないかと考えられます。
デジタル給与の利用意向が高い人の理由について確認したところ、Z世代・Y世代のいずれも「利便性」に関するものが多く挙げられました。
また、いずれの世代でも「ポイントがつく」など「経済性」に関する理由も一定数挙がっていました。
調査概要
調査地域:日本全国
調査対象:16~49歳 男女
調査実施期間:2025年3月17日~3月18日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計 1002サンプル
出典元:日本インフォメーション株式会社
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