データドリブン&最適化されたプランニング組織づくりとは 質の高いデータ活用手法からナレッジシェア体制構築まで解説|「VALUES Marketing Dive 2025」レポート

データドリブン&最適化されたプランニング組織づくりとは 質の高いデータ活用手法からナレッジシェア体制構築まで解説|「VALUES Marketing Dive 2025」レポート

ヴァリューズは、"データを通じて顧客のことを深く考える"、"マーケティングの面白さに熱中する"という意味を込め、マーケティングイベント「VALUES Marketing Dive」を2025年の7/2、7/15に開催しました。第5回目となる今回のテーマは「最前線マーケの実践知」。モノが溢れ、良い商品・サービスを作っても売れない時代が到来しています。これからの時代に企業が存続していくために求められるのは、真に顧客に向き合ったモノづくりのための「顧客理解」です。本講演では、データ活用手法やナレッジシェア体制の構築について、株式会社イーエムネットジャパンと対談しました。


スピーカー紹介

株式会社イーエムネットジャパン 宍戸 誠一氏

株式会社イーエムネットジャパン
営業統括本部 執行役員
宍戸 誠一氏

株式会社ヴァリューズ 大櫛 貴久

株式会社ヴァリューズ
データマーケティング局
アライアンスG/インサイドセールスG
マネジャー
大櫛 貴久

イーエムネットジャパンの課題

株式会社イーエムネットジャパン 宍戸 誠一氏(以下、宍戸):弊社は、インターネット広告事業を手がけており、Webのコンサルティングや広告運用、クリエイティブ制作などのサービスを提供しています。我々が抱えていた課題は大きく2つあります。

1つ目は、時代の変化への対応です。ユーザーの情報収集や購買行動が多様化・複雑化する中で、パーソナライズされた戦略設計ができていませんでした。根拠となるデータに基づいた、正確なターゲティングや適切なメディア選定が急務でした。

イーエムネットジャパンの課題 時代の変化への対応

図:イーエムネットジャパンの課題 時代の変化への対応

2つ目は、分析ノウハウの属人化です。データ活用やユーザー分析のノウハウが特定の社員に偏っており、社歴や経験の浅い社員は、プランニングや資料作成に多大な時間を費やしていました。これにより業務効率が悪化し、組織全体でのスキルアップや一貫性のあるサービス提供が困難な状況でした。

イーエムネットジャパンの課題 分析ノウハウの属人化

図:イーエムネットジャパンの課題 分析ノウハウの属人化

ソリューション導入の背景

宍戸:これらの課題を解決するため、組織横断で同じデータソースを活用できる仕組みと、ナレッジを共有・浸透させるツールの導入を検討しました。

データ収集においては、データソースの分散や、信頼性やリアルタイム性の課題があり、ナレッジ共有においては、情報が個人に集約され、部署間の連携も不足していました。

株式会社ヴァリューズ 大櫛 貴久(以下、大櫛):そこで導入いただいたのが、弊社の「Dockpit(ドックピット)」と「Pitchcraft(ピッチクラフト)」という2つのサービスです。

1. Dockpit(ドックピット):マーケターのリサーチエンジン。ネット上の消費者行動ログデータを基に、短時間でデータドリブンな提案を可能にするプランニングツール。

Dockpitの紹介

図:Dockpitの紹介

2. Pitchcraft(ピッチクラフト):提案ナレッジシェアクラウド。組織の提案力と生産性を最大化するツールで、資料が自動で整理・タグ付けされ、AIによる検索や質問も可能。ヴァリューズで作成している、100種類以上のマーケティングレポートも利用できる。

Pitchcraftの紹介

図:Pitchcraftの紹介

大櫛:Pitchcraftを導入したポイントや、評価できると感じた点を教えていただけますか。

宍戸:Pitchcraftは、資料が自動でタグ付け・整理される点や、Googleドライブとの連携がスムーズな点、そしてページ1枚単位で検索できる点が非常に良いと感じ、導入を決めました。あとはAIへの質問機能も、多様なシーンで活用できるのではないかと思いましたね。

ソリューションの具体的な活用事例

宍戸:クライアント様への提案活動は、以下のようなフローで進めました。

データ活用アプローチ

図:データ活用アプローチ

我々はまず、クライアント様の課題や目的を明確にし、Dockpitを使って根拠となるデータを収集・分析します。そこからインサイトを抽出し、戦略立案、資料化、そして提案に至るという一連のフローを確立しました。

最終的に、提案で使った資料はPitchcraftに格納し、ナレッジとして組織全体で共有しています。

具体的なDockpitの活用例を4つご紹介します。

1. 外部サイト分析:競合他社がアプローチしているサイトを可視化し、クライアント様への提案に活用しています。これは非常に喜ばれるデータです。

Dockpitの活用例 外部サイト分析

図:Dockpitの活用例 外部サイト分析

2. キーワード分析:掛け合わせワードから、マス広告やメディア露出の効果を深掘りします。CMに関連する人物名や、メディア名が検索されているかを確認し、施策の効果を分析できます。

Dockpitの活用例 自社分析

図:Dockpitの活用例 自社分析

3. 競合のディスプレイ広告分析:競合がいつから、どの広告ネットワークで出稿を強化し始めたのかを可視化できます。流入の推移やユーザー属性、ランディングページまで深掘り可能です。

Dockpitの活用例 競合分析

図:Dockpitの活用例 競合分析

4. 消費者ニーズの変化:ユーザー数の推移や属性の変化から、クライアント様の商材に対するニーズの増減を分析します。

Dockpitの活用例 消費者分析

図:Dockpitの活用例 消費者分析

大櫛:Dockpitを非常に深く使いこなしていただいており、素晴らしい事例だと思います。

ナレッジシェアの体制構築については、我々も伴走させていただきました。キックオフでゴールを共有し、活用の事前準備として、最適なタグの分類を一緒に検討しました。

また、既存の業務フローに負荷なく導入できるようアドバイスさせていただいたほか、定期的なフォローアップミーティングで活用のサポートを続けています。

ナレッジシェア体制の構築

図:ナレッジシェア体制の構築

導入成果と今後の展望

宍戸:導入後の成果として、まずDockpitの活用により、2018年と比較して大型契約の受注率が30%アップし、1社あたりの広告費が約2倍になりました。さらに、1社あたりの営業収益や営業の生産性も向上しています。

Dockpitによって得られた効果

図:Dockpitによって得られた効果

Pitchcraftについては、自社メンバーからの満足度が約8割と非常に高く、「工数が削減できた」「資料の質が上がった」といった声が多く寄せられています。特に、ヴァリューズさんが作成した調査資料が格納されており、分析の参考になるという声が多いですね。

大櫛:ありがとうございます。ほかのユーザーからも、スライドを1枚単位で検索できるので「伝えたいことは決まっているものの、どのような見せ方にすべきかがわからない」と悩んだときに活用できるという意見をいただいたことがあります。

Pitchcraftを利用した現場の声

図:Pitchcraftを利用した現場の声

宍戸:今後は、これらのソリューション活用をさらに循環させ、当社のミッションである「クライアント様と共に歩む企業」として、さらなる成長を目指していきたいと考えています。

大櫛:本日はありがとうございました。

宍戸:ありがとうございました。

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この記事のライター

2026年4月に入社予定の大学院修士課程1年生です。大学では分子生物学系の研究に取り組んでいます。

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