Duolingoはなぜ“ただの語学アプリ”を超えたのか。2年で100万人増の理由を分析

Duolingoはなぜ“ただの語学アプリ”を超えたのか。2年で100万人増の理由を分析

言語学習アプリとして日本最大級のシェアを誇るDuolingo(デュオリンゴ)。この2年でユーザー数は約100万人増え、競合を大きく引き離す成長を続けています。記事では、Duolingoがなぜここまで支持されるのか、その人気の理由を考察しました。


Duolingoとは?

Duolingo(デュオリンゴ)は、2012年にサービスを開始した世界最大級の言語学習アプリです。ゲーム感覚で手軽に取り組めるレッスン設計が特徴で、英語だけでなくスペイン語・フランス語など40以上の言語に対応しています。

日本では2020年11月から本格展開されており、近年、音楽や数学といった語学以外のコースも追加され、総合的な学習をサポートするアプリへと広がりを見せています。

基本機能は無料で利用でき、Superプラン(年間9,900円)では広告や学習制限がなくなり、よりスムーズに学べます。さらにMaxプラン(年間22,800円)では、AIを活用した高度な学習モードも利用可能です。

※2026年2月時点の情報です。最新の情報は公式サイトよりご確認ください。
https://ja.duolingo.com/

過去2年でDuolingoアプリユーザー数100万人増加

まず、過去2年間のDuolingoアプリユーザー数の推移を見てみましょう。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

図:「Duolingo」アプリユーザー数

「Duolingo」アプリユーザー数
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2024年2月~2026年1月

Duolingoは2024年2月時点で既に約179万人のユーザーがいましたが、2026年1月には約273万人となり、約100万人ユーザー数を伸ばしています。特に2025年5月までの伸び率が高く、2024年2月から約15か月で一時的に約283万人に到達しています。

Duolingoの主要ユーザーは20代、女性比率がやや高い構成に

続いて、アプリを利用しているユーザーの属性を見てみましょう。
まずは性別です。

図:「Duolingo」アプリユーザーの性別

「Duolingo」アプリユーザーの性別
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2024年2月~2026年1月

アプリユーザーは男性が約4割、女性が約6割となっており、女性の割合が高いことがわかりました。

次に年代を見てみましょう。

図:「Duolingo」アプリユーザーの年代

「Duolingo」アプリユーザーの年代
調査対象:PC&スマートフォン
調査期間:2024年2月~2026年1月

ユーザーの年代を見ると、20代が約35%と最も多く、全体の3分の1以上を占めています。30代以降の割合はネット利用者全体と比べて低く、20代に特に支持されているアプリと言えるでしょう。Duolingoではゲーム感覚で言語を学ぶことが出来るため、若者からの支持が厚いのかもしれません。一方で、ゲーム性のあるアプリでありながら40〜60代からも確かな支持を集めており、幅広い年代に利用が広がっています。

英語だけじゃない、Duolingoで人気のコースは?

次に、「Duolingo」と掛け合わせて検索されているキーワードから、英語以外の人気コースランキングを作成しました。

人気コースランキング 言語(その他コース) 検索者数(人)※
1位 韓国語 10,300
2位 チェス 9,800
3位 中国語 9,300
4位 フランス語 4,600
5位 音楽 3,500
6位 スペイン語 3,100
7位 ラテン語、タイ語 2,100

※データ量が十分でない項目については、参考値として掲載しています。

最も人気だったのは韓国語で、次いでチェス、中国語という結果になりました。韓国語が支持を集めた背景には、近年のコスメや音楽を中心とした韓流ブームの継続に加え、日本語話者にとって比較的学習しやすい言語である点が考えられます。

さらに、2位にランクインした「チェス」は、2025年6月に新たに提供を開始したコースで、初心者でもルールから戦略の立て方まで学べます。5位の「音楽」と同様に、言語以外の学習コースへの関心の高さもうかがえます。

また、中国語は英語に次いで話者数が多く、ビジネス・日常の双方で汎用性が高いことが人気の理由と考えられます。留学生や旅行客を含む訪日者が増えていることも、中国語学習への関心を高める一因になっているのかもしれません。

マスコットキャラ「Duo」の活躍で注目度上昇

Duolingoにはマスコットキャラクター「Duo(デュオ)」がおり、SNSの公式アカウントではDuoが主体となって情報を発信しています。Tiktokではトレンドを取り入れたユーモアあふれる動画を投稿しており、X(旧Twitter)ではDuolingoに関連するネタ投稿にも積極的に反応するため、”公式とは思えないノリの良さ”が、たびたび話題になっています。

投稿がバズることでDuolingoの認知度が高まるだけでなく、「気軽に楽しめるサービス」というイメージが広まり、これまで言語学習に積極的でなかった層にも訴求できる可能性があります。Duolingoアプリでは、レッスンをさぼるとDuoが悲しむ演出が入り、学習再開を強く促してきます。

このようなSNS戦略によってキャラクターへの愛着が強まり、“Duoをがっかりさせたくない”という気持ちが継続利用にもつながっているのかもしれません。

オンラインの枠を越えた取り組みへ

Duoは2025年9月に人気キャラ同士が相撲で競い合う「デュオどすこい相撲大会」をリアルイベントとして開催しました。大会には人気ゲームキャラクター「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や、ドン・キホーテ公式キャラクター「ドンペン」などが参加し、大きな話題を呼びました。

デュオどすこい相撲大会

出典:公式X(旧Twitter)より

また、2025年12月にはDuolingoの「24時間365日いつでもプレイできる」というコンセプトから、コンビニを模したポップアップストアを開催しました。限定グッズの販売やDuoと実際に会える企画も用意され、完売続出するほどの大盛況となりました。

DUOMART

出典:PR TIMESより

SNSでの言動がたびたび話題になるDuoですが、オンラインの枠を超えてオフラインでもイベントを展開することで、日常の生活により近い“身近なキャラクター”として存在感を強めていったと考えられます。

ブランドの幅を広げるDuolingoのコラボ戦略

Duolingoは自社の取り組みに加えて、他社とのコラボも積極的に行っています。

イカゲーム × Duolingo

2024年12月、Duolingoは世界的社会現象となったNetflixドラマ「イカゲーム2」の公開にむけてコラボを実施しました。2021年の「イカゲーム」公開をきっかけに、Duolingoでは韓国語の新規学習者が急増したというデータもあり、作品が学習需要に与えた影響の大きさがわかります。(参考:Duolingo Blog)。

このコラボでは「イカゲーム」に登場するセリフや単語を学べるようになっており、作品をきっかけに韓国語学習を検討した層にとって魅力的な選択肢となりました。

原神 × Duolingo

2025年12月には、中国発の世界的人気RPG「原神」とコラボを行いました。3日連続でDuolingo内のクエストを達成すると、「原神」ゲーム内で報酬をもらえるという内容で、SNSではこのコラボをきっかけにDuolingoをはじめた人も多くいたようです。

これらの大型コラボはいずれも年末の12月に実施されています。年末年始は長期休暇やイベントで生活リズムが乱れやすく、学習意欲も低下しやすい時期と考えられます。そのため、継続利用を促す目的で積極的なプロモーションを行っている可能性があります。

コラボ様式の変化

2024年のイカゲームコラボは韓国語を学びたい層へのアプローチである一方、2025年の原神コラボは語学への関心にかかわらず、ゲーム好きの層に広くリーチする内容となっています。

2024年はブランドの成長期として、言語学習に関心を持つ人に“第一選択肢”として選んでもらうためのアプローチが中心でした。一方で、2025年はユーザー数が伸び悩んでいたこともあり、言語学習をよりカジュアルに、ゲーム感覚で楽しめることを打ち出し、無関心層・潜在層まで対象を広げる動きが見られます。こうした変化は、Duolingoがブランドとして新たなフェーズへ移行しつつあることを示しているとも言えます。

まとめ

語学学習アプリの代表格となったDuolingo。その成長を支えてきたのは、マスコットキャラクター「Duo」を軸にしたブランド施策や、多様なコラボレーションでした。語学学習ニーズの主要層を獲得しつつある今、同社が次にどのように市場を拡張していくのか、今後の動向が注目されます。

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

26卒内定者アルバイトの大学院生。大学では害虫防除の研究をしています。

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