食事記録アプリ「あすけん」「カロミル」を比較!ダイエットガチ勢が選ぶのは?

食事記録アプリ「あすけん」「カロミル」を比較!ダイエットガチ勢が選ぶのは?

新生活や来たる夏に向けて、ダイエットを考える人も多いのでは。今回は食事の記録をメインとして、ユーザーの健康管理をサポートするサービス「あすけん」「カロミル」について、両者の機能や利用実態を比較。調査の結果、各サービスで利用者の主な年代や、ダイエットへの熱量などが異なることが見えてきました。


「あすけん」「カロミル」の機能を比較

あすけんとは

「あすけん」は、食事や運動の記録を通じて健康管理をサポートするアプリです。食事の記録は、テキスト入力やバーコードスキャンに対応しており、有料版では写真解析機能も利用できます。市販の商品や外食を含む15万件以上の豊富なメニューデータから検索できるため、記録のハードルが低く、継続しやすいのが特徴です。

20万パターンからなる栄養士の食生活改善アドバイスも魅力の一つ。食事にとどまらず、運動時間や消費カロリーの記録も可能です。

日記機能を使って他のユーザーと交流したり、期間中にお題をクリアすると抽選で景品が当たるチャレンジ機能があったりと、モチベーションを高める要素も多く、有料版ではより詳細なアドバイスや記録機能が利用できます。

参考:
あすけんダイエット - 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート(サイト&アプリ)

カロミルとは

「カロミル」は、食事や運動の他、血圧や血糖値などを総合的に管理できる健康管理アプリです。食事記録はテキスト入力、バーコード読み取り、写真解析機能に対応し、写真解析を含め無料版でも多くの機能が使える点が魅力です。特に写真解析機能はカロミルの強みであり、AIがカメラロールから「食事」と「バイタル」の画像だけを自動解析する特許技術を提供しています。

AIが3か月後の体重を予測する機能も搭載しており、「このまま頑張ると3カ月後にはここまで痩せている」というモチベーションアップに役立ちます。また、体重だけでなく血圧や血糖値といった健康指標の記録にも対応しています。

グループ内で情報共有ができる「チーム機能」も搭載されており、仲間と目標を共有しながら取り組むことが可能です。

参考:食事記録アプリ「カロミル」

アプリ利用者数は「あすけん」がリード

ここからはアプリの利用者データを用いて、「あすけん」「カロミル」それぞれの利用実態や利用者像を比較していきます。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。

2年間のアプリ起動者数を集計すると、あすけんは890万人、カロミルは199万人となっていました。

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー数

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー数
調査期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

なお「あすけん」「カロミル」と、それぞれのアプリ名でブラウザ検索した人の数を集計すると、あすけんが2年間で63.7万人となっており、サービス名の知名度が高く、より広く世間に浸透している様子がうかがえます。

「あすけん」「カロミル」と検索した人の数

「あすけん」「カロミル」と検索した人の数
調査期間:2023年2月~2025年1月
デバイス:PC&スマートフォン

「あすけん」は幅広い年代に、「カロミル」は若年層に人気

では、それぞれのアプリ利用者はどのような人々なのでしょうか。ユーザーの男女比を見ると、いずれも60%以上を女性が占めており、あすけんの方がやや男性割合が高くなっています。

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー:性別

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー:性別
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

利用者の年代では、いずれもネット人口全体と比べて20~30代の若年割合が高くなっており、特にカロミルでその傾向が顕著です。あすけんは20~50代の割合がいずれも約20%と幅広い年代に利用されているのに対し、カロミルは半数以上を20~30代が占めており、若者に人気のアプリであることがわかります。

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー:年代

「あすけん」「カロミル」のアプリユーザー:年代
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

カロミルは利用できる機能が多く、それらを使いこなすのに抵抗感が少ない若年層に利用が集中する傾向にあるのかもしれません。

「カロミル」は熱心な自分磨きユーザーを取り込む

ここからは、ヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を使用して、各サービス利用者をさらに深堀りしていきます。

アプリユーザーの興味関心を見ると、「ダイエット」が高く出ていることは両サービスで共通しており、中でもカロミルユーザーの特徴値(※)があすけんに比べ10ポイント以上高くなっています。カロミルではその他、「コスメ、化粧品」「ヘアケア、ヘアサロン」があすけんより高くなっており、美容や自分磨きにより関心の高い層が集まっている様子がうかがえます。

※特徴値:対象者のリーチ率−ネット人口全体のリーチ率

「あすけん」「カロミル」ユーザーの興味関心(特徴値順)

「あすけん」「カロミル」ユーザーの興味関心(特徴値順)
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:PC&スマートフォン

続いて、期間中にアプリユーザーがブラウザ検索したキーワードを、特徴値順にランキング化しました。

あすけんでは「カロリー」「ダイエット」「痩せる」「生理」など、ダイエット関係や女性のお悩みに関する基本的なキーワードが上位に来ています。

「あすけん」ユーザーの特徴的な検索キーワード

「あすけん」ユーザーの特徴的な検索キーワード
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:PC&スマートフォン

一方でカロミルでは「PFC(タンパク質、脂質、炭水化物)バランス」「脂質」「EAA(必須アミノ酸)」などの専門的なワードの他、「プロテイン」「鶏胸肉」「ジム」「筋トレ」なども上位入りしており、あすけんユーザーよりさらにモチベーション高くダイエットについて検索していることがわかります。また、「骨格診断」「ブルべ」などもランクイン。「自分に似合うスタイルが知りたい」というニーズの高さがうかがえます。

「カロミル」ユーザーの特徴的な検索キーワード

「カロミル」ユーザーの特徴的な検索キーワード
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:PC&スマートフォン

検索キーワードからもやはり、あすけんと比べたカロミルユーザーのダイエット・美容モチベーションの高さが垣間見える結果となりました。あすけんは無料で解放されている基本的な機能で事足りるユーザーが多く、カロミルはより細かいところまでしっかり管理を続けたい、熱量の高いユーザーが多いのかもしれません。

アプリ併用率は「カロミル」が「あすけん」の6倍超

最後に、両アプリのユーザーの被りを調査するため、併用状況を集計しました。
あすけんユーザーのカロミル併用率は5.5%で、併用していない「あすけんのみユーザー」が大半となっています。

「あすけん」から見た併用状況

「あすけん」から見た併用状況
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

一方でカロミルユーザーのあすけん併用率は35.1%。やりたいことに合わせて、両アプリをうまく使い分けているユーザーが多いのかもしれません。

「カロミル」から見た併用状況

「カロミル」から見た併用状況
調査期間:2024年2月~2025年1月
デバイス:スマートフォン

まとめ

今回は、健康管理やダイエットをサポートするサービス「あすけん」と「カロミル」について調査してきました。各アプリの利用実態をまとめます。

あすけん:
アプリ利用者数はあすけん890万人、カロミルは199万人とあすけんがリード。あすけん指名検索者も多く、サービスの知名度の高さがうかがえる。20~50代の幅広い層を獲得しており、ダイエットに関する基本的な検索が多く、カロミルとの併用率も5.5%と低いことから、基本的な機能でシンプルに健康を管理したいというユーザーが多いと考えられる。

カロミル:
あすけんよりアプリ利用者の女性割合がやや高く、20~30代が半数以上を占める。あすけんより「ダイエット」トピックへの興味関心の特徴値が10ポイント以上高く、美容への関心も高い。「PFCバランス」「EAA」などの専門的なワードの他、筋トレ関連ワードも多く検索しており、「ダイエット・美容ガチ勢」であることがうかがえる。35.1%のユーザーがあすけんと併用しており、それぞれの機能を使い分けながらより細やかな健康管理をしていると考えられる。

いかがだったでしょうか。両サービスで、利用者の属性やニーズ、熱量が異なることが明らかになりました。併用ユーザーも一定存在しつつ、利用者のすみ分けが起こっていそうです。

今後、両者でどのようなサービスが展開されていくのか、新たな健康管理アプリが台頭してくるのか、引き続き注目です。

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▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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▼また、生活者理解のためのリサーチエンジン『Perscope』も使用しています。『Perscope』では国内最大規模のWeb行動×アンケートデータを活用し、誰でも いつでも 簡単に"生活者起点のマーケティング活動"を実現することができます。無料デモもありますので、興味のある方は下記よりぜひお申し込みください。

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この記事のライター

1997年生まれ、大阪大学卒。データアナリストを経て、Webマーケティング・リサーチを軸に、コンテンツディレクション、SNS運用、デジタル広告運用などを担当。現在はフリーで活動しています。

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