注目度上昇中!資さんうどんとは
資さんうどんは1976年に福岡で創業したうどん店で、九州のローカル飲食チェーンとして親しまれてきました。近年は九州外にも進出しており、2024年10月にすかいらーくホールディングスに買収されて以降は、大阪や関東での出店も加速しています。
うどん店として知られていますが、そば・丼・カレー・アルコール類まで100種類以上のメニューをそろえ、ファミリーレストランとしても利用しやすいのが特徴です。また、営業時間の長さも魅力で、朝早くから深夜まで営業している店舗が多く、24時間営業の店舗もあります。
■資さんうどん公式HPの訪問者数は2年で5倍以上に
まず、直近2年のヒット状況を見ていきましょう。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用います。
図:「資さんうどん公式HP」のサイト訪問者数
調査期間:2024年2月~2026年1月
調査デバイス:PC&スマートフォン
公式サイトの訪問者数は、2024年2月の約14万人から2026年1月には約77万人弱へと大きく増加し、2年間で約5.6倍に伸びています。クーポン配布などにより一時的に訪問者数が増加した月もありますが、2024年10月の買収以降は関東圏への進出も始まり、全体として着実に注目度が向上しています。
ヒットの背景はすかいらーく傘下に入ったことか
資さんうどんはこの2年間で注目度を大きく伸ばしました。最も大きな要因は、やはり「すかいらーくホールディングス」による買収と考えられます。ここでは買収による影響を詳しく見ていきましょう。
■わずか1年半で30店舗増の急拡大
資さんうどんは2024年8月に70店舗を達成し、その後、2026年3月12日に100店舗目を出店しました(参考:PR TIMES①、②)。約1年半で30店舗増と、急速な拡大を遂げたことになります。1980年の創業以来40年以上かけて店舗数を積み上げてきた同社ですが、買収後はこれまでにないスピードで出店を進めていると言えるでしょう。
■関東18店舗出店。ローカルチェーンから全国区へ
資さんうどんは、買収前の2024年8月時点で、九州全7県に加え、山口県・岡山県・大阪府・兵庫県の1府10県で計70店舗を展開していました(PR TIMESより)。その後、買収を経て関東エリアにも進出し、2026年3月時点では関東だけで18店舗を構えるまでに拡大しています。
図:資さんうどん出店エリア(筆者作成)
データ参照:https://www.sukesanudon.com/map/
資さんうどんはこれまで北九州を中心としたローカルチェーンでしたが、買収と関東進出によって一気に全国的な知名度が高まったと考えられます。
資さんうどん支持者を分析。関東・九州居住者、すかいらーくファンか
次に、資さんうどん公式サイト訪問者の居住地を見てみましょう。
図:「資さんうどん公式HP」のサイト訪問者の居住地域
調査期間:2024年2月~2026年1月
調査デバイス:PC&スマートフォン
資さんうどん公式サイトの訪問者の居住地域を見ると、関東地方の割合が最も高いことが分かります。2024年12月に関東へ初進出したばかりであるにもかかわらず、短期間で関東圏にも支持が広がっていることがうかがえます。
一方で、もともとローカルチェーンとして親しまれてきた九州地方も高い割合となっており、出店実績のある中国地方からの訪問も比較的多くなっています。
■関東はすかいらーく支持者が牽引
続いて、資さんうどん公式サイトの訪問者が関心を寄せているアプリを、居住地別に見ていきます。
図:「資さんうどん公式HP」のサイト訪問者の関心アプリ
調査期間:2024年2月~2026年1月
調査デバイス:PC&スマートフォン
関東居住者では「すかいらーくアプリ」が1位となっており、これは九州居住者の関心アプリには見られない特徴です。このことから、関東で資さんうどんに注目している層は、すかいらーくグループとのつながりをきっかけに関心を持っている可能性が高いと考えられます。
■”すかいらーくポイント”が資さんうどんへの関心を後押しか
資さんうどん公式サイトの訪問者がすかいらーくアプリに関心を示す理由として、すかいらーくポイントの存在が大きいと考えられます。すかいらーくポイントは、すかいらーくアプリを利用することで貯まり、同グループのほとんどのブランドで共通して使うことができます。
資さんうどんも対象ブランドに含まれているため、資さんうどんに馴染みのなかった関東のユーザーでも「ポイントが貯まるなら使ってみよう」という動機が生まれやすく、関心の高さにつながっている可能性があります。
また、同じグループ内ではサービス仕様や決済方法が共通していることが多く、初めての店舗でも迷いにくく安心して利用できる点も、利用拡大を後押ししていると考えられます。
外食のファンダムが広がる
資さんうどんの勢いの背景には、すかいらーくグループ入りによる出店拡大だけでなく、グループ内ブランドを横断して利用する消費者行動の広がりもあると考えられます。
すかいらーくグループは、ブランド共通のすかいらーくアプリを通じて、クーポン配布やポイント利用に加え、店舗によってはデリバリーサービスまで提供しています。ガストやバーミヤンなど多様なブランド展開とアプリサービスにより、“外食をすかいらーくで完結”させる流れを作っているのかもしれません。
すかいらーくグループに限らず、他の大手飲食グループでもブランド展開の幅を広げる動きが見られます。
■ゼンショーホールディングス
ゼンショーホールディングスは、すき家やはま寿司に加え、ココスやなか卯など計15ブランドを展開しています(公式HPより)。2026年2月には、2023年に買収したロッテリアのブランドを「ゼッテリア」に一本化する方針を発表し、グループ全体のブランド戦略を強化しています。
■吉野家ホールディングス
吉野家・はなまるうどんを軸に展開する吉野家ホールディングスは、ラーメン事業の拡大方針を打ち出し、グループとしての事業領域を広げています。
牛丼チェーン業界の詳しい動きを記事にしました。ご興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
【関連記事】松屋、吉野家、すき家のメニュー・価格を比較。快進撃の「うまトマ」等、各社の戦略は? | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
https://manamina.valuesccg.com/articles/4525牛丼チェーン「松屋」の期間限定メニュー「うまトマハンバーグ(通称:うまトマ)」は、SNSでもたびたび話題になる大人気メニューです。2025年6月3日から待望のレギュラー化が決定し、完売が続出するほど大きな反響を呼びました。本記事では、「うまトマ」レギュラー化を受けて消費者行動がどのように変化したのか分析し、松屋・吉野家、すき家3社の牛丼チェーン業界の事業戦略について考察しました。
■株主優待とも好相性
すかいらーく、ゼンショー、吉野家ホールディングスは株主優待として食事券を配布しており、グループ内ブランドで利用することができます(一部対象外あり)。そのため、優待券の利用を目的にグループ内ブランドを選ぶ消費行動も期待できます。
参考:すかいらーくホールディングス「株主優待制度 | 株式情報 | 株主・投資家情報」
まとめ
買収をきっかけに注目度を大きく伸ばした資さんうどん。その背景には出店規模拡大だけでなく、“外食のファンダム”の構築が見られました。こうした動きがすかいらーく以外の大手グループにも広がりつつあるなか、今後どのように外食市場全体へ波及していくのかにも期待が高まります。
【関連レポート】デジタル・トレンド白書2025 – 食トレンド編|ダウンロードページ
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26卒内定者アルバイトの大学院生。大学では害虫防除の研究をしています。