日本のマーケターの8割がコンテンツのチャネル別のパフォーマンス把握に課題【アドビ調査】

日本のマーケターの8割がコンテンツのチャネル別のパフォーマンス把握に課題【アドビ調査】

アドビ株式会社は、国内外マーケティング分野におけるコンテンツ需要の変化とその対応を明らかにすることを目的として、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリアの7か国2,835人を対象に実施した「国内外のマーケターのコンテンツ需要実態と課題調査」の結果を発表しました。


「パーソナライズされた体験」への期待がコンテンツ需要を牽引

調査対象となった7か国のマーケターのうち、各国の80%以上(インド91%、アメリカ・オーストラリア86%、イギリス82%、フランス81%、ドイツ・日本80%)が共通して「過去2年間でコンテンツの需要が高まっている」と回答しました。

この背景として、各国のマーケターが共通して「パーソナライズされた体験に対する顧客の期待の高まり」を主要因に上げています。「コンテンツ増加の要因は何ですか」という質問に、「パーソナライズされた体験を求める顧客の期待」と答えた人の割合が、全ての国で最も多い (米国62%、インド・オーストラリア・英国61%、フランス・ドイツ55%、日本43%)結果となりました。

図1:コンテンツ量が増加した要因

世界では日本と比較してより多くのコンテンツが制作されている

実際に各国の企業が年間を通じてどれほどのブランドアセットを制作しているかを見たところ、年間1万点以上を制作している企業の割合には国ごとに大きな差が見られました。中でも、インド(57%)、米国(55%)では半数以上の企業がこの水準に達しているのに対し、日本は33%にとどまり、調査対象国の中で最も低い結果となりました。

図2:年間の企業のブランドアセット作成数

すでにパーソナライズされた体験への期待が日本より高いアメリカやインドでブランドアセットの制作量が高まっていることから、今後日本企業でも「パーソナライゼーション」への期待が上がるにつれ、コンテンツ制作の需要が高まることが予想されます。

日本企業の最優先課題は「人材確保」:コンテンツ拡充に向けた体制強化が急務

コンテンツ需要が増加していくことが予想される一方で、現在日本のマーケターは他国とは異なる特有の課題に直面しています。多くの国では「コンテンツ制作のスピード」が主な課題として挙げられるなか、日本では「人材不足」が最も顕著な課題として認識されていることがわかりました。実際に、日本のマーケターは今後1〜3年での優先投資対象として「人材確保」を最も多く挙げており、この課題認識は投資方針にも反映されています。

また、日本のマーケターは、他国と同様に「テクノロジー」および「AI/AIコンテンツ作成ツール」への投資にも意欲的であり、限られたリソースの中でも、人とテクノロジーの両方を活用し、効率的かつ高品質なコンテンツ制作体制を構築する必要性を認識していることが示されています。

一方で、「コンテンツの効果測定の改善」や「一元化されたコンテンツワークフローの構築」といった運用面への投資については、それぞれ24%、20%にとどまり、日本以外の6か国では、それぞれ平均して36%、31%が投資を計画していることから差が明確になりました。このことから、日本企業では人材確保や先端テクノロジー導入への投資の関心が高まる一方で、制作したコンテンツの成果を可視化・分析し、運用の最適化につなげるための投資が後回しになっている実態がうかがえます。

この傾向は、次に示す「チャネルごとの効果把握」に関する課題とも関連しており、戦略的なコンテンツ活用を実現するためには、今後さらなる基盤強化が求められると考えられます。

図3:コンテンツ需要に対応する上での課題(複数回答可)

図4: コンテンツ拡大のため今後1~3年間に計画された投資(複数回答可)

チャネルごとの効果測定に課題:データ活用による迅速な判断がカギ

調査では、日本のマーケターが「自社のコンテンツがどのチャネルで最も成果を上げているか」について、十分に把握できていない現状も明らかになりました。

調査結果によると、27%の日本のマーケターが「どのチャネルが有効か全く把握できていない」と回答。さらに、過半数を占める54%は「ある程度の理解はあるものの、インサイトは手作業でサイロ化されており、遅延がある」と認識しています。

つまり、約8割の回答者がコンテンツのチャネル別のパフォーマンス把握に課題を感じていることがわかります。これは、せっかく制作したコンテンツがその真価を発揮しきれていない可能性を示しており、データの収集や分析を効率的に行い、迅速な意思決定を行うプロセスの確立は、効果的なデジタルマーケティング戦略上の喫緊の課題と言えるでしょう。

図5: 自社コンテンツのチャネル別の効果の把握

魅力的な顧客体験を提供し続けるためには、日々高まるコンテンツ需要に対応し、より迅速かつ的確に多様なコンテンツを制作・運用していく体制の強化が不可欠です。

特に、日本企業においては、人材やリソースが限られる中でも、パーソナライズされた体験を大規模に届けるための制作体制と、成果を可視化し最適化するための運用基盤の整備が急務となっています。

調査概要

調査方法:インターネット調査
実施対象:日本、米国、英国、フランス、ドイツ、インド、オーストラリアの日常的にマーケティング業務に携わる企業のマーケティング担当者2,835人
実施期間:2025年5月

出典元:アドビ株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000507.000041087.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

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