約7割が解決できずに有人対応に移行した経験あり!? チャットボットやFAQページに期待される“問い合わせ削減”に潜む落とし穴と改善策【ラクス調査】

約7割が解決できずに有人対応に移行した経験あり!? チャットボットやFAQページに期待される“問い合わせ削減”に潜む落とし穴と改善策【ラクス調査】

株式会社ラクスは、同社が提供する問い合わせ管理システム「メールディーラー」にて、チャットボット・FAQページ(よくある質問)などの自己解決チャネルで問い合わせした経験がある方を対象に、「問い合わせ機能の利用実態と改善案」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


ユーザーが最初に頼るチャネルは?自己解決行動の傾向と成功・失敗体験

はじめに、「商品やサービスに関する疑問や困りごとを自己解決しようとするとき、まずどのチャネルを使うことが多いか」と尋ねたところ、『公式サイトのFAQページ(よくある質問)やヘルプ・ガイドページ(44.3%)』と回答した方が最も多く、『インターネットでのキーワード検索(22.5%)』『チャットボット(20.2%)』となりました。

「公式サイトのFAQページやヘルプ・ガイドページ」が最も使われている背景には、公式の情報として信頼でき、サイト内からもすぐにたどれるアクセスのしやすさがあると考えられます。また、「キーワード検索」や「チャットボット」も一定の需要があることがわかりました。

では、そのチャネルによって商品やサービスに関する疑問や困りごとは解決できたのでしょうか。

「直近で前設問のチャネルを使って調べたとき、最終的に解決できたか」と尋ねたところ、チャネル別で以下のような回答結果になりました。

「チャットボット」「公式サイトのFAQページ(よくある質問)やヘルプ・ガイドページ」など多くのチャネルの解決率は約7割で、公式のチャネルであっても「完全な解決」には至らないケースも一定数あることが示されました。

次に、『解決できた』と回答した方に、「解決できたとき、特に「良かった」と感じたポイント」について尋ねたところ、チャネル別で以下のような回答結果になりました。

チャットボットと公式サイトのFAQページ(よくある質問)やヘルプ・ガイドページについては、いずれも「非対面での手軽さ」と「ストレスなく即時解決できる」点が評価されているようです。

一方、解決に至らなかったケースにはどのような理由があるのでしょうか。

先ほどの質問で『解決できなかった』と回答した方に、「解決できなかった理由」について尋ねたところ、チャネル別で以下のような回答結果になりました。

解決できなかった理由として、チャットボットや公式サイトのFAQページ利用時に「必要な情報自体が存在しない」が多数挙げられており、情報の網羅性に課題があることがわかりました。

次いで多かったのが、「自分のケースに当てはまらなかった」という回答で、汎用的な回答だけでは対応しきれない個別の事情への適応力不足が浮き彫りになりました。

「人に聞く前に済ませたい」はどのようなとき?チャネル選択と問い合わせの境界線とは

「チャットボット」や「FAQページ」は、企業が設計・改善可能な代表的な自己解決チャネルであり、サポート業務の効率化に直結するため、多くの企業が注目する領域です。

一方、利用者にとっては利用頻度が高く、不満が出やすい接点でもあります。

では、利用者はどのようなときに、こうしたチャネルを「まず試してみよう」と考えるのでしょうか。

「自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)を利用する場面で、「人に問い合わせる前に済ませたい」と思うのはどのようなときか」と尋ねたところ、『よくある質問で解決できそうなとき(47.5%)』と回答した方が最も多く、『急いでいて今すぐ知りたいとき(44.6%)』『メールや電話は手間だと感じるとき(36.5%)』と続きました。

「FAQページで解決できそう」「今すぐ知りたい」「メールや電話が面倒」というニーズは、手軽さと即時性の高いチャネル選択に影響しており、チャネル設計には「迅速かつ簡便な導線設計」が不可欠であると考えられます。

自己解決チャネルを選ぶ動機が明らかになりましたが、先ほどの結果で約3割が「チャットボットやFAQページで解決できなかった」と回答したことからも、解決できるケースばかりではありません。

「自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)で解決できずに、最終的にメールや電話などで問い合わせたことはあるか」の質問には、約7割が『ある(72.5%)』と回答しました。

多くの方が自己解決に失敗した際にメールや電話での問い合わせに移行しており、自己解決チャネルは入口にはなっているものの、問題や困りごとの解決には従来型の有人対応が必要とされていることが示されました。

ユーザーが「わかりやすい」と感じる条件とは?

では、ユーザーは自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)においてどのような点を最も重視しているのでしょうか。

「自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)において、最も重視すること」について尋ねたところ、『すぐに解決できるスピード感(35.8%)』と回答した方が最も多く、『正確な情報が得られること(26.1%)』『自分に合った答えが見つかること(22.7%)』と続きました。

最も重視する点として「スピード感」が挙げられ、次いで「正確さ」や「自分に合った答え」が上位になりました。
これは、時間的な効率を最優先しつつも、内容の信頼性とパーソナライズ性にも高い期待があると考えられます。

自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)は利便性の高さだけでなく、実際に「迷わず使える」ことも重要なポイントですが、ユーザーはどのような設計がわかりやすいと思うのでしょうか。

「自己解決チャネル(チャットボット・FAQページ)において、どのような状態ならわかりやすいと思うか」について尋ねたところ、『直感的に操作できて迷わず使える(41.2%)』と回答した方が最も多く、『質問例や入力のヒントがある(34.0%)』『入力ミスや言葉の揺れ(表現違い)にも対応してくれる(31.6%)』と続きました。

「直感的に操作できる」「質問例や入力のヒントがある」といったUI・ナビゲーション面の工夫が、わかりやすさに直結していることが示されました。

また、「言葉の揺れへの対応」や「有人対応への切り替え」など、柔軟な設計が求められており、形式的な案内だけでなく“状況に応じて選べる仕組み”が重要といえるでしょう。

調査概要

調査期間:2025年8月21日(木)~2025年8月25日(月)
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,008人
調査対象:調査回答時にチャットボット・FAQページ(よくある質問)などの自己解決チャネルで問い合わせした経験があると回答したモニター
調査元:株式会社ラクス
モニター提供元:PRIZMAリサーチ

出典元:株式会社ラクス

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000017058.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


自社のサービスや製品の認知拡大に向けた活動を行っている中小企業の8割以上が、現在の活動に課題を実感【レイクルー調査】

自社のサービスや製品の認知拡大に向けた活動を行っている中小企業の8割以上が、現在の活動に課題を実感【レイクルー調査】

株式会社レイクルーは、従業員数100名以下の企業の経営者を対象に「自社サービス・製品の認知拡大に向けた活動の実態に関する調査」を実施し、結果を公開しました。


中小企業のWEBマーケティング、予算不足より「戦略・記事品質・改善プロセス」の欠如が浮き彫りに【LiKG調査】

中小企業のWEBマーケティング、予算不足より「戦略・記事品質・改善プロセス」の欠如が浮き彫りに【LiKG調査】

株式会社LiKGは、全国の中小企業経営者および役員を対象に、「Webマーケティング投資実態調査2025」を実施し、結果を公開しました。


OpenAI、「あなたの1年間のChatGPTまとめ」を公開

OpenAI、「あなたの1年間のChatGPTまとめ」を公開

OpenAIは2025年12月23日 午前4:45(日本時間)、ChatGPTのウェブ版およびモバイルアプリで「Your Year with ChatGPT(あなたの1年間のChatGPTまとめ)」の展開を開始したと発表しました。


店内でアプリを開くユーザーの約7割が、購買の意思決定が行われる「レジ前の店内」でもアプリを活用【DearOne調査】

店内でアプリを開くユーザーの約7割が、購買の意思決定が行われる「レジ前の店内」でもアプリを活用【DearOne調査】

株式会社DearOneは、小売店舗(スーパー・コンビニ・ドラッグストアなど)の公式アプリを週1回以上利用するユーザーを対象に実施した調査結果をまとめた「リテールメディア動向レポート〜ARUTANA Lab Vol.2〜」を公開しました。


Sansan、商談記録を自動要約するAI音声入力機能を実装

Sansan、商談記録を自動要約するAI音声入力機能を実装

Sansan株式会社は、同社が提供するビジネスデータベース「Sansan」において、商談記録を手間なく作成できる「AI音声入力機能」を追加したことを発表しました。


ページトップへ