インカムリッチは「世帯年収3,000万円以上」を境にウェルスリッチ化。「会社経営者・役員」比率はおよそ2割
・世帯年収3,000万円以上では、金融資産1億円以上が51.6%と5割を上回りました(=野村総合研究所の定義する「富裕層」世帯に相当)。
・世帯年収5,000万円以上では、金融資産1億円以上が68.6%に達し、金融資産5億円以上も50.7%と5割を上回りました(=同「超富裕層」世帯に相当)。
・職業が「会社経営者・役員」の比率は世帯年収1,500万円以上(8.8%)に対し、同3,000万円以上(18.0%)、同5,000万円以上(20.9%)と世帯年収3,000万円以上を境に増加する傾向が見られました。
・キャリア意識では「常に新しい知識や経験を追い求め、自分を成長させ続けたい」意識は世帯年収3,000万円以上(57.6%)で最も高く、同5,000万円以上(51.5%)ではやや低下する傾向が見られました。
・一方、「仕事を通じて、高い社会的地位やステータスを手に入れたい」意識は同3,000万円以上(48.3%)、5,000万円以上(47.0%)と世帯年収3000万円以上で共通して高い傾向があります。
世帯年収3,000万円以上で「リスク資産」や「現物資産」の保有が拡大
・「株式」や「NISA」の保有率はインカムリッチ全体を通じて高く世帯年収による差は小さい結果になりました。
・世帯年収3,000万円以上では投資信託でも「アクティブファンド」(20.9%)や「REIT」(20.7%)、仮想通貨等の「暗号資産」(21.8%)といったオルタナティブ資産の保有が増加しています。
・世帯年収5,000万円以上では、オルタナティブ資産でも「FX」(28.2%)、「社債」(22.9%)、「先物・オプション」(16.0%)、「プライベートエクイティ」(15.4%)の保有率や、「時計・宝飾等」(23.5%)、「金(等の貴金属)」(21.0%)「アート」(16.8%)等現物資産の保有率が更に拡大する傾向が見られました。
「タイパ志向」や「健康・ウェルビーイング志向」は世帯年収に比例して高まる傾向。一方、「家事・育児の分担志向」は世帯年収が高いほど低い
・「タイムパフォーマンス(タイパ)を重視した生活をしたい」は、世帯年収1,500万円以上(50.9%)に対し、同3,000万円以上(57.6%)、同5,000万円以上(61.3%)、「自身の健康や心の豊かさのためにお金をかけている」意識は世帯年収1,500万円以上(61.1%)に対し、同3,000万円以上(66.3%)、同5,000万円以上(69.9%)と世帯年収に比例して高まる傾向が見られました。
・一方、「夫婦・パートナーと協力して、家事や育児を分担すべきだ」という意識は世帯年収5,000万円以上(55.4%)で最も低く、世帯年収が高いほど低いという結果になりました。
・また、「家事代行や育児サポートの外注サービスは積極的に利用するべきだ」意識は世帯年収1,500万円以上(35.7%)に対し、同3000万円以上(47.6%)、同5,000万円以上(51.8%)と世帯年収3,000万円を境に急速に高まる傾向が見られました。
「子育て・教育ファースト志向」や「子供の海外留学志向」は世帯年収3,000万円以上を境に高まる傾向
・「子供のためなら仕事や居住地、ライフスタイルを変えることもいとわない」意識は世帯年収1,500万円以上(44.5%)、同3000万円以上(54.7%)、同5,000万円以上(54.2%)、「子供には留学をさせたい」意識も同1,500万円以上(35.2%)、同3000万円以上(44.9%)、同5,000万円以上(41.7%)と世帯年収3000万円以上を境に急速に高まる傾向が見られました。
インカムリッチは「アート・カルチャー志向」や「ストーリー消費志向」も強く、世帯年収3,000万円以上でその傾向が特に際立つ
・「文化や芸術に触れることで自分自身の教養やセンスを高めていきたい」意識は、世帯年収1,500万円以上(48.2%)、同3,000万円以上(62.6%)、同5,000万円以上(67.0%)、「商品そのものだけでなく、その背景にあるストーリーが大切だと思う」意識は同1,500万円以上(40.8%)に対し、同3,000万円以上(54.3%)、同5,000万円以上(51.3%)とインカムリッチ全体で高い傾向ですが、世帯年収3,000万円以上で際立って高い結果になりました。
調査の背景
(出典)
・野村総合研究所のデータをもとに博報堂が作成
・世帯年収別の世帯数:厚生労働省「国民生活基礎調査」(2024)
調査概要
調査名称:「新富裕層調査2025」
調査手法:インターネット調査
対象者:20~69 歳の男女計3,512名
・今回の調査では「インカムリッチ」と「ウェルスリッチ」の境となる世帯年収等、インカムリッチの中でも「世帯年収」による特徴の分析を強化することを目的に高年収世帯の対象者を拡充。
・全体で3,521サンプルのうち、世帯年収1,500万円以上のインカムリッチ層を2,009サンプル、同3,000万円以上を609サンプル、同5,000万円以上を209サンプルを確保、実際の人口構成に基づきウェイトバック集計を実施した。
対象地域:全国
調査時期:2025年3月14日~25日
調査機関:QO株式会社
出典元:株式会社博報堂
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。





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