8割以上が「誤った意思決定」を経験──背景に“情報不足”の影
調査の結果、「情報が不十分で誤った意思決定をしたことがある」と答えた人は合わせて80%以上に上りました。
これは、マーケターの大半が「データ不足」を原因とする失敗を経験していることを意味します。
一方で、セルフリサーチ未経験者では「誤った意思決定の経験がない」と答える割合が比較的高い結果となりました。 しかしこれは、実際に失敗をしていないというよりも、「自分の判断の誤りを認識できていない」可能性を示唆しています。
言い換えれば、市場で目にした情報を「正しい」と受け止め、都合の良いデータを拠り所に意思決定を進めてしまっているケースもあるかもしれません。その結果、間違った前提でプロジェクトが動き出すリスクをはらんでいると言えるでしょう。
誤った意思決定は、商品企画の方向性やキャンペーンの実施可否、予算配分などに直結します。マーケティング担当者が日常的に直面する「情報不足」は、想像以上に組織の成果を左右していると言えるでしょう。
7割以上が週1回以上リサーチ──情報収集は“習慣化”の時代に
次に、情報収集の頻度について尋ねたところ、セルフリサーチを実施したことのある企業では、実に7割以上が「週1回以上」と回答しました。
そのうち「毎日行う」と答えた人も少なくなく、マーケターにとって情報収集はもはや単発ではなく日常業務に組み込まれていることが明らかになりました。
リサーチが習慣化している背景には、マーケティング活動のスピード化があります。競合調査、顧客動向、トレンド把握など、日々変化する市場環境に対応するためには「定点観測的な情報収集」が欠かせません。
ただし、調査が増える一方で「本当に必要な角度の情報が手に入らない」という課題も強く意識されており、次項で紹介する既存リサーチの課題につながっています。
既存リサーチの最大の課題は“時間”と“角度不足”
既存の情報収集方法に関する課題を聞いた設問では、最も多かった回答が 「探しているデータと完全一致ではない」、次いで多かったのが 「情報が古いことがある」 でした。
つまり、マーケターの多くは「情報はあるけれど、自分の意思決定にそのまま活かせない」と感じているのです。
例えば、業界レポートや公開資料は網羅性は高いものの「自社の状況に当てはめづらい」、またネット検索では「断片的で信頼性に欠ける」といった不満が挙がります。
時間をかけても精度の高い判断につながらない。
こうした「努力と成果の乖離」が、現場のマーケターにとって深刻なボトルネックとなっています。
改善ニーズは「スピード」と「正確性」──求められるのは即応できる仕組み
では、マーケターが改善したいと思う点は何でしょうか。
設問では、「短時間で正確な情報を得たい」「外部の信頼できるデータを使いたい」 が上位を占めました。
これはまさに「スピードと精度の両立」への強いニーズを反映しています。
競争環境が激化する中で、データを手にするタイミングが意思決定の質を左右するのは言うまでもありません。情報が1か月遅れるだけで市場は変化してしまい、意思決定の前提が揺らぐことすらあるのです。
そのため、今マーケターに求められているのは「即座に使える情報」を得られる仕組み。従来の大規模調査や既存データの参照だけでなく、必要なときに自らデータを取りに行ける“セルフリサーチ”という手段が注目される理由もここにあります。
出典元:株式会社PRIZMA
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