これまでに、チラシがきっかけで商品を購入、またはお店やサービスを利用した経験
■56.0%と過半数がチラシを見て行動に至った経験あり
チラシをきっかけに実際の行動(購入・来店・利用)につながった経験について調査したところ、56.0%が「経験がある」と回答しました。
この結果から、チラシは今もなお、“行動喚起メディア”として一定の効果を発揮していることが分かります。
スマートフォンやSNSでは瞬時に情報が流れ去ってしまうのに対し、チラシは手元に残り、繰り返し目に触れるという特徴があります。この“物理的な接触”が、購買や来店といった具体的なアクションへつながる重要な要素といえます。
そのため、受け手の記憶に残るデザイン・コピー・情報設計を行うことで、紙媒体ならではの時間差反応を引き出せる可能性が高まるのです。
保管・内容を注視したチラシのデザイン・内容で魅力を感じたポイント
■「お得感」や「関心への一致」が魅力を感じる最大の要素
チラシを保管や内容が注視した要因を調査したところ、「お得な特典やクーポンがあった」(42.48%)と「自分の興味と関係していた」(27.78%)が突出しており、両者を合わせると全体の7割以上を占めました。
この結果から、消費者がチラシを手に取る・読む・行動するかどうかは、主に次の2つの実利的な視点に基づいていることが分かります。
①直接的な金銭的メリット
値引きや特典・限定クーポンなど、明確なお得感がある
②自分に関係があるか
ライフスタイルや興味と"自分ごと化"できる内容である
チラシの成否は「デザインの美しさ」だけでなく、“誰に・どんな価値を届けるか”という設計力にも左右されます。
マーケティングの視点からデザインを捉え、見る人の関心やニーズに寄り添いながら、具体的なメリットを提示できるかどうかが、行動を促す鍵といえるでしょう。
■デザインと読みやすさが11.14%と同率!魅力を伝える「土台」としての役割
チラシを保管したり、内容を注視した理由として、「色使いやデザインがきれいだった」と「情報が整理されていて読みやすかった」が、いずれも11.44%で同率という結果となりました。
「お得感」や「関心との一致」に次いで、合わせて2割以上を占める無視できない要素であることが分かります。
これらのデザイン・レイアウト要素は、チラシの“魅力を支える土台”として機能しています。
どれほど内容が優れていても、読みにくい配置や雑然とした印象では、せっかくの特典や情報が伝わる前に捨てられてしまう可能性があります。
つまり、チラシづくりにおいては「目を引く」だけでなく、“最後まで読ませる”構成設計が欠かせません。
デザインは単なる装飾ではなく、情報を魅力的かつ効果的に伝えるための設計技術であることが、今回の調査結果からも示唆されます。
「すぐ捨ててしまう」チラシの特徴
■「関心不一致」が60.33%と最大の離脱要因
すぐに捨ててしまうチラシの特徴として、「自分に関係がない内容だった」が60.33%を占め、チラシが“届いているのに届いていない”状態に陥っていることが分かりました。
この結果は、チラシ制作における「ターゲティング設計の精度」が反応率を左右する最重要ポイントであることを示唆しています。
「誰に・何を・どのように伝えるか」という基本設計が曖昧なままでは、どれほどデザインや特典に工夫を凝らしても、行動にはつながりません。
特にポスティングの場合は、配布対象を細かく絞りにくいため、「地域・世代・生活シーンに合わせた訴求軸の再設計」や、「共感を生むコピーライティング」の重要性が一層際立ちます。
■「情報過多・視認性不足」が次点の課題
すぐに捨てられてしまうチラシの特徴として、「文字が多すぎて読む気にならない」(15.33%)、「何の広告かすぐ分からない」(8.67%)が挙げられました。
この2項目を合わせると約4人に1人(24%)が「情報整理の悪さ」を問題視していることが分かります。
情報を詰め込みすぎたり、視線誘導が整理されていなかったりすると、内容がターゲットに合致していても、読む前に離脱されてしまう可能性が高まります。
手に取ってもらえるチラシに重要なのは、情報量ではなく「伝達設計」であり、受け手が瞬時に“何の広告か”を理解できることが大切です。
視線の流れ、情報の階層、余白のバランスといったビジュアルコミュニケーションの設計こそが、反応を生むチラシとそうでないチラシを分ける鍵と言えます。
調査概要
調査対象:300名の男女
年齢層:20代~60代
調査方法:インターネットアンケート調査
実施期間:2025年10月9日~2025年10月10日
出典・引用:株式会社デザポケ( https://deza-poke.com/ )
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。





マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。