hotice、インフルエンサーPRにおける「代理店利用・依頼意識」に関する調査結果を公開

hotice、インフルエンサーPRにおける「代理店利用・依頼意識」に関する調査結果を公開

hotice株式会社は、全国の会社員・公務員・経営者・自営業・フリーランスなどを対象に、インフルエンサーPRにおける「代理店利用・依頼意識」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


依頼に前向きな層は約4割

インフルエンサーPRの代理店利用経験について聞いたところ、「ある」は17.8%、「ない」は54.8%でした。一方で「ないけどしてみたい」という回答が26.3%を占め、依頼経験はなくても関心を持っている層が一定数存在しています。

また「直接依頼したことがある」は1.1%と少数にとどまりました。これは代理店を介さず、インフルエンサー本人へ企業側が直接発注したケースを指しますが、契約管理や進行面のリスクを考えると、この方法が一般的ではないことがうかがえます。

全体として、インフルエンサーPRには興味があるものの、具体的な依頼には踏み切れていない層が多い点が特徴です。費用感の不透明さや、炎上リスクへの不安、依頼の流れが分かりにくいことなどが、経験者の少なさにつながっていると考えられます。

実務的には、「未経験だが興味はある層」が今後の重要なターゲットになります。基本的な進行フローや費用の説明が明確であれば依頼に至る可能性が高く、市場拡大の鍵を握る層といえます。

また依頼経験者が2割に満たない現状は、多くの企業が成功パターンや判断基準を確立できていないことを示します。そのため代理店には、施策の実行だけでなく、初めて取り組む企業をサポートする役割も求められていきます。

インフルエンサーPRは専門代理店を選ぶ傾向が強い

インフルエンサーPRを依頼・検討する際に、どの種類の代理店を選ぶかを尋ねたところ、最も多かったのは「インフルエンサー専門代理店」で 46.8% に達しました。

次いで「PR・広報代理店」が 39.8%、「制作会社(動画・SNS運用など)」が 39.2% と続いており、“専門性の高い領域に強い会社” が選ばれやすい構造が見て取れます。

一方で、従来型の「広告代理店(総合/デジタル)」は 38.8% とほぼ同水準に位置しており、特定ジャンル特化型と総合型を使い分ける動きも存在するようです。

また「マーケティング支援会社」は 30.2% で、戦略設計や全体最適化のサポートを求める層も一定数見られました。

「どの代理店も利用していない/検討していない」は 4.4% にとどまり、多くの回答者が何らかの外部パートナーの活用を視野に入れていることが分かります。依頼者側としては、専門性と実行力の両立を重視しており、目的に応じて代理店を選び分けている姿が浮かび上がります。

インフルエンサーPRの最も多い理由は“集客・認知拡大”

インフルエンサーPRを代理店へ依頼したい理由として最も多かったのは、「複数のインフルエンサーをまとめて依頼できるから」で 47.36% でした。

続いて「契約・権利関係の管理が安心だから」(46.00%)、「炎上リスクやトラブル対応があるから」(36.50%)が挙がり、実務上の負担やリスクを減らしたい意図が強く表れています。

また「効果測定やレポート作成を任せられるから」(34.24%)や「専門的な知見や提案が欲しいから」(30.17%)といった回答も多く、成果の可視化や専門性を求める声も目立ちました。

これらの理由はいずれも、最終的には “集客や認知の最大化” を効率よく実現したいという目的につながると考えられます。

依頼者の多くは、自社での運用が難しい部分を専門家に任せることで、施策の質と安全性を確保したいと感じています。代理店選びでは、インフルエンサーの手配だけでなく、リスク管理やレポート、提案力まで含めた総合力が重視されていると言えます。

契約形態は「都度見積」「成果報酬」「月額制」が拮抗

希望する契約・料金形態を尋ねたところ、「都度見積」が 31.7% で最も多く選ばれました。案件ごとに内容や工数が大きく変わるため、状況に合わせて柔軟に依頼できる点が支持されていると考えられます。

続いて「成果報酬」が 29.6%、「月額フィー」が 26.9% とほぼ並ぶ結果になりました。費用の予測が立てやすい月額制と、成果に応じて支払う成果報酬の両方が一定の需要を持っており、依頼者の目的やリスク許容度によって選び分けられている様子がうかがえます。

一方で、「ハイブリッド(複合型)」は 6.8% と少数派にとどまりました。複雑な契約よりも、シンプルで分かりやすい料金体系を好む傾向が見られます。

「未定」が 5.1% あることから、まだ最適な依頼方法を判断できていない層も一定数存在しています。

依頼者のニーズが一つに偏らず、複数の契約形態が拮抗している点は特徴的です。代理店としては、単発・運用型・成果連動のいずれも対応できる柔軟なプラン設計が求められそうです。

予算規模は「10〜50万円」が最多

PR施策にかけられる予算規模を尋ねたところ、最も多かったのは「10〜50万円」で 30.9% を占めました。単発案件としても取り組みやすく、ある程度のクオリティを確保できる現実的な価格帯として支持されていると考えられます。

次いで「10万円未満」が 23.5%、「50〜100万円」が 23.2% と、低価格帯と中価格帯に回答が二極化する結果となりました。まずは小さく試したい層と、一定の費用をかけて成果を狙いたい層が混在している様子がうかがえます。

「100〜300万円」は 10.6%、「300万円以上」は 1.4% と、高額帯を想定する回答は少数派でした。本格的なマーケティング投資として位置付けている企業は限定的で、多くが“手頃な範囲での実施”を前提にしているようです。

また「未定」と回答したのは 10.4%。インフルエンサー施策の相場感がつかめていない、または具体的な施策イメージが固まっていない層も一定数いると考えられます。

全体として、依頼者の多くはリスクを抑えながら実施できる価格帯を選んでおり、代理店としては柔軟な予算設計やスモールスタートしやすいプランが求められそうです。

成果判断は「売上・CV」が最重要指標に

代理店の成果をどう評価するかを尋ねた結果、「売上やコンバージョン」が 42.2% で最も高い割合を占めました。PR施策であっても、最終的には事業成果にどれだけ貢献したかを重視する企業が多いことが分かります。

2番目に多かったのは「話題化・拡散力」で 25.8%。SNS特有のバズ効果や認知の広がりを期待してPRを実施するケースも根強く、短期的な注目度も評価軸として一定の存在感があります。

「SNSフォロワーの増加」は 22.3% となり、コミュニティ形成や継続的な接点づくりを成果と捉える層も少なくありません。
一方で、「自社サイトの流入・滞在」(5.7%)や「ブランド認知の向上」(3.9%)は比較的低く、間接的な指標よりも短期で数字に反映される項目に意識が向いていることがうかがえます。

全体として、企業は「事業にどれだけ寄与したか」を明確にしたい傾向が強く、代理店には成果の見える化が以前より求められています。レポートや分析の精度だけでなく、企画段階から売上やCVを意識した設計が重要になりそうです。

最も期待されているのは「インフルエンサー選定力」

代理店にどの役割を最も期待しているかを尋ねた結果、「インフルエンサーの選定力」が 40.6% でトップとなりました。PR施策の成否を大きく左右する“誰に依頼するか”の判断を、専門家に委ねたいと考える企業が多いことが分かります。

次いで「企画・提案力」が 35.4% と高く、施策全体の設計力やアイデアの質も重視されていることがうかがえます。単にインフルエンサーをアサインするだけでなく、目的に合った戦略づくりまで含めて支援を求めている姿勢が明確です。

一方で、「KPI設計・分析力」(10.6%)、「炎上リスク管理」(8.1%)、「コストの最適化」(5.3%)は比較的低い数値となりました。運用やリスク対応よりも、“キャスティングと企画” を中心とした前半工程に期待が集中していることが読み取れます。

全体として、依頼者は「適切なインフルエンサーの選定」と「成果につながる企画」を代理店に強く求めており、その重要度が他の要素を大きく上回る結果となりました。言い換えれば、キャスティングの精度と戦略構築力が代理店選びの主要な判断軸になっていると言えます。

最大の不安は「炎上やトラブルのリスク」が約5割

代理店を利用する際に感じる不安として最も多かったのは、「炎上・トラブルのリスクが不安」で 50.2% に達しました。SNS特有のリスクに敏感になっている企業は多く、インフルエンサーを起用する際の“想定外の事態”を懸念する声が突出しています。

次に多かったのは「提案内容が期待とズレることがある」で 41.9%。施策の方向性や期待値が噛み合わず、成果につながりにくい経験をした企業が一定数存在すると考えられます。

「成果の計測方法が難しい」(36.1%)、「費用対効果がわかりにくい」(31.8%)といった項目も上位に入り、PR施策の“見えにくさ” に課題を感じる回答者が多い点も特徴的です。数値化しづらい指標や、施策の影響範囲が把握しにくいことが、代理店利用のハードルになっている様子がうかがえます。

ところが、「社内の調整が通りにくい」は 25.9% と比較的低く、社内稟議よりも“成果の透明性や企画の質”のほうが不安要素として大きいことが分かります。

「特に不安はない」と回答した層は 5.3% にとどまり、大多数が何らかの課題意識を抱えています。

全体として、企業が求めているのは「リスクを減らせること」と「成果が明確であること」。代理店側には、炎上対策やガバナンス強化はもちろん、レポートの分かりやすさや企画意図の説明など、“納得感” を高めるコミュニケーションが求められているといえます。

半数以上が「満足度はやや高い」と回答

代理店に対する満足度(または期待度)について尋ねたところ、最も多かったのは「やや高い」で 51.6% を占めました。大きな不満はなく、一定の成果やサポートを評価している層が半数以上にのぼることがわかります。

「どちらでもない」が 31.7% と続き、可もなく不可もないニュートラルな姿勢も一定数存在します。施策内容や担当者との相性によって評価が変わるため、特段のプラス・マイナスを感じていない層と考えられます。

一方で、「非常に高い」は 14.3% と、強い満足度を感じている回答は一部に限られています。とはいえ、低評価にあたる「やや低い」(1.5%)、「低い」(0.9%)が極めて少ない点は注目すべきポイントです。

全体として、代理店に対する大きな不満や不信感はほとんど見られませんでした。

総じて、依頼者は“ある程度の品質や対応力は確保されている”と感じつつ、さらなる改善や提案に期待している段階にあると言えます。満足度の底は固いものの、突出した高評価に繋がるポイントはまだ開拓の余地がある印象です。

新規利用のニーズが最も高く、継続利用も2割超

今後の代理店活用について最も多かったのは、「初めて依頼してみたい」で 45.4% を占めました。未経験ながらもインフルエンサーPRに関心を持ち、“次の一手として始めてみたい” と考える層が非常に多いことが分かります。

ついで「今後も継続・拡大したい」が 23.8%。すでに代理店を利用した経験があり、その成果や運用体制に一定の満足を感じている層が、今後の投資を前向きに考えていると推測できます。

一方で、「別の代理店を検討したい」が 18.3% と、乗り換えを視野に入れている回答も一定数存在します。企画の質やコミュニケーション、価格など、何らかの改善余地を感じているケースがあると考えられます。

「直接依頼に切り替えたい」は 2.9% と少数派にとどまりました。インフルエンサー個人とのやり取りやリスク管理を自社で完結させることの負荷を考えると、代理店活用のメリットが依然として大きいことが読み取れます。

「未定」は 9.7% でしたが、関心はあるものの具体的なイメージが掴めていない層も含まれると考えられ、今後の情報提供次第で活用意向が変化する可能性があります。

総合すると、代理店の利用意向は決して下がっておらず、むしろ“新規利用”の伸び代が大きい段階にあります。市場としては今後さらに広がる可能性が高く、代理店側にとっても提案や導入支援の強化が成長機会につながりそうです。

調査概要

調査主体: hotice株式会社
調査協力: 合同会社RASA JAPAN
調査手法: インターネット調査
調査実施日: 2025年11月17日
調査対象: 全国の会社員、公務員、経営者、自営業、フリーランス など
有効回答数: 1,503名(うち代理店利用経験・意向あり:663名)

出典元:hotice株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000062299.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

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