ファン育成施策を行った企業の84.1%が効果を実感!「関係値の可視化」「顧客との継続的なコミュニケーション」がファン育成の重要な要素に【kazeniwa調査】

ファン育成施策を行った企業の84.1%が効果を実感!「関係値の可視化」「顧客との継続的なコミュニケーション」がファン育成の重要な要素に【kazeniwa調査】

株式会社kazeniwaは、ファン施策の実施率およびファン育成施策の効果に関する調査を実施し、結果を公開しました。


BtoC企業におけるリピーター施策の実施率は34.8%

ファン育成を目的とした施策を実施したことが過去もしくは現在でありますか?

小売りの業種など、B to C企業に属すると考えられる母集団(スクリーニング9,953人)より、BtoC企業に属していると回答をいただいた2,079人に、過去ファンマーケティング施策を実施したことがあるか確認したところ、「現在実施している」「過去実施していた」を回答した人の割合は34.8%にとどまりました。

過去または現在、ファン育成を目的とした施策を実施したことがある方にお伺いします。その施策の直接的な目的は何ですか?

ファン化に取り組む目的として「ブランドや顧客との関係性を強化すること」を選択した人が46.8%と最も多い結果となりました。

次いで「売上・収益の向上」が45.0%、「商品企画・開発、サービス改善」が41.3%と続き、事業成果や商品改善といった売上向上に直接かかわる目的が大きな割合を示しました。

また、「顧客理解・データ活用・市場調査」が38.3%と高い割合を示しており、ファン育成を通じて顧客データを取得・活用する企業も多くいます。

自社のファンを作ることで得られるメリットは会員の囲い込み・ブランドの浸透

自社のファンを作ることで得られるメリットは何ですか?

ファン育成に取り組んだ企業が、重視するメリットは「会員の囲い込み・ブランドの浸透」で42.2%でした。

次いで「リピーターの離脱防止」が40.3%と高く、「客単価の向上」と「顧客資産の蓄積、向上」はそれぞれ33.8%と33.6%と同程度でした。

新規顧客の獲得競争が困難になる中で、既存顧客との信頼関係を強化し、ブランドへの愛着を育てることが、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得につながると考えられます。

ファンを増やすためにSNS運用を行っている企業が最も多い

ファンを増やすために、現在または過去に実施した施策は何ですか?

調査の結果、ファンを増やすための具体的な取り組みとして、「SNS運用」と回答した人が38.7%と最も多いことが分かりました。

次いで「会員制度(クーポン配布・ポイント還元・会員ランク特典)」が35.8%と多く、「購入後フォローやサブスク、定期購入、カスタマーサポート強化」が33.6%と3番目に多い結果となりました。

SNSは無料で始められるため参入ハードルが低く、コストを抑えながら多くの消費者と接点を持てる点が大きな理由と考えられます。

ファンを増やすことによって、リピーターが増え、売上増加につながった企業は49.3%

ファンを増やす施策によって、実際にどのような変化や効果がありましたか?

ファン化に取り組んだ企業のうち49.3%が「リピーターが増え、売上増加につながった」と回答しました。

ここから、ファン育成が単なるブランドイメージ向上にとどまらず、実際の購買行動や収益拡大に直結していることが伺えます。

その他にも、「顧客からのポジティブな声が届くようになった」と回答した人は44.0%、「SNSでの口コミや反応が増えた」と回答した人は39.3%でした。ファン化施策を行うことによって、サービス品質を高めることができるといえるでしょう。

つまり、ファンを増やすことは売上に直結する投資価値の高い施策であることが示されました。

ファンを増やす施策が、LTVの改善にもつながる

ファンを増やす施策は、LTV(1人のお客様が一生のうちに、自社にもたらす合計購入金額)にどの程度影響しましたか?

・「大きな改善があった(10%以上)」
・「一定の改善があった(5~9%程度)」
・「わずかな改善があった(1~4%程度)」
・「効果は体感しているが、数値化できていない」

上記の回答を合計すると、84.1%の企業がファン育成施策によってLTV(顧客生涯価値)の改善を実感していることが分かりました。

LTVは「1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす売上総額」を示す重要な指標です。LTVを高めることで、下記のような効果が得られ、長期的な売上増加につながります。

・リピーターの増加による購入頻度の向上
・ブランドへの愛着から生まれる客単価の上昇
・口コミによる新規顧客獲得といった複数の効果

つまり、ファンを増やすことは短期的な売上効果だけでなく、顧客価値を最大化するための施策であるといえるでしょう。

ファンを育成するために、最も重要なことはファンとの関係値を可視化すること

ファンを育成するために、最も必要なことは何だと思いますか?

ファン育成に取り組む企業が最も重視しているのは、25.0%の人が回答した「ファンとの関係値を可視化すること」であることが分かりました。

・2位:「ファンの声を施策や商品に反映するフィードバックする仕組み」(21.6%)
・3位:「ファンと継続的に接点を持つ1対Nのコミュニケーション」(18.3%)
・4位:「ファン1人ひとりに合わせた1対1のパーソナライズ対応」(17.5%)
・5位:「ファンと交流できるコミュニティの場づくり」(13.4%)

この結果から、企業が「関係値の可視化」や「データに基づいた分析」を重視している一方で、本来ファンマーケティングの基礎であるはずの「コミュニティ形成」が意外にも低くなっていることがわかりました。

「1対1のパーソナライズ対応」や「1対Nのコミュニケーション」が上位に位置していることは、企業が顧客個々人との接点や直接的な関係づくりには力を入れていることを示しています。

しかし、その一方で、ファン同士が交流し合う「コミュニティの場づくり」は優先度が低く、企業側がまだ十分に認識できていない課題とも言えます。

調査概要

調査機関:株式会社kazeniwa
調査対象:23~65歳の会社員(経営者含む)
有効回答数:スクリーニング調査:9,953人 / 本調査:531人(有効回答数509人)
スクリーニング調査:23~65歳の会社員(経営者含む)に対し、ファン育成を目的とした施策の実施状況を確認
スクリーニング調査期間:2025年8月22日~8月29日
本調査:5名以上の企業規模の担当者の中で、一般消費者向けにファン育成を目的とした施策を現在もしくは過去で実施したことがある方を対象に調査を実施
本調査期間:2025年9月3日~2025年9月10日
調査方法:インターネット調査

※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。

出典元:株式会社kazeniwa

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000016018.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

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