AIの活用目的で利益に差?「コスト削減」目的の企業は半数以上が『営業利益は変わらない』と回答
まず前提として、業務でAIを活用している企業において、最終的な営業利益にどのような変化があったのかを尋ねました。
今回は、AIを業務に導入した主な目的や活用方針(「売上高の向上」「売上原価・販管費の削減」「売上高の向上や売上原価・販管費の削減の両方」)別で、回答結果を比較しています。
調査の結果、AIを導入した目的によって、営業利益の変化に違いがあることが分かりました。
■ 売上高の向上
『大幅に伸びた(34.4%)』『やや伸びた(32.0%)』を合わせ、約7割が利益の向上を実感していると回答
■ 売上原価・販管費の削減
『大幅に伸びた(8.0%)』『やや伸びた(37.7%)』を合わせた利益向上は45.7%にとどまり、半数以上が『変わらない』と回答
■ 売上高の向上や売上原価・販管費の削減の両方
『大幅に伸びた(7.0%)』『やや伸びた(33.1%)』を合わせた利益向上は40.1%となり、最も多い57.3%が『変わらない』と回答
「売上高の向上」を目的としてAIを導入した層は、6割以上が利益の向上を実感している様子がうかがえます。
一方で、「コスト削減(売上原価・販管費の削減)」や「売上とコストの両方」を目的とした層では、約半数からそれ以上の企業が『変わらない』と回答しており、期待したほどの成果に結びついていない現状が見えてきます。
コストの抑制は手近な成果をもたらすものの 、それを最終的な営業利益の増加にまで直結させるには、単なる時短ではなく、「運用の工夫」が必要なのではないでしょうか。
AI導入の目的、大企業ほど「売上向上とコスト削減の双方」を狙う傾向
では、経営者はどのような方針でAIを導入したのでしょうか。業務にAIを導入した主な目的や活用方針について、年商別に尋ねました。
調査の結果、年商規模によってAIに期待する役割が大きく異なることが分かりました。
■ 年商5,000万円以上~10億円未満の企業
「年商5,000万円以上〜1億円未満」の層では34.9%、「年商1億円以上〜10億円未満」の層では35.1%が『売上原価・販管費の削減』と回答し、いずれの層でも最も高い数値となりました。
■ 年商100億円以上の企業
年商規模が大きくなるにつれてアプローチに変化が見られ、年商100億円以上の大企業においては『売上高の向上や売上原価・販管費の削減の両方(37.9%)』が最多となりました。
年商規模が小さい企業においては、定型業務の効率化や経費抑制など、「即効性の高い効果」を狙ってコスト削減からAIの活用を着手する傾向がうかがえます。
一方で、投資体力やリソースに比較的余裕がある大企業においては、単なる効率化ツールではなく、「売上拡大のための投資」としてAIを位置づけており、より広い範囲で成果を出そうとするなどの使い方の違いが見えてきます。
単なる時短では終わらない、AI活用で経営者が直面する「苦戦ポイント」
実際にAIを業務に導入・活用する中で、どのような点に『苦戦した』と感じているかについても尋ねました。
最も高かったのは『プロンプト(指示文)を作れる人が限られ、活用に格差がある(29.0%)』、次いで『アウトプットの質が中途半端で、結局人間が手直しした方が早い(23.9%)』、『セキュリティ規定が厳しく、重要なコア業務・データに連携できない(23.1%)』、『ファクトチェック(真偽確認)に時間がかかり、確認工数が増えた(21.3%)』と続きました。
この結果から、ツールを導入したものの社内全体に浸透せず「一部の得意な人だけが恩恵を受けている格差」や、実用に耐える品質にするための「手直しや確認作業が現場の負担になっている実態」がうかがえます。
これらの運用のハードルを解消しない限り、単なる作業の時短にとどまり、更なる利益向上には繋がらない可能性が見えてきました。
調査概要
調査テーマ:「AI活用企業における営業利益と活用実態」に関する調査
調査期間:2026年06月25日(木)~2026年06月26日(金)
調査方法:PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
調査人数:507人
調査対象:調査回答時にAIを業務に使っている年商5,000万円以上の企業の経営者・役員と回答したモニター
調査元:株式会社PRIZMA
モニター提供元:サクリサ
出典元:株式会社PRIZMA
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