広告代理店の生成AI活用については7割以上の広告主が肯定的【SO Technologies調査】

広告代理店の生成AI活用については7割以上の広告主が肯定的【SO Technologies調査】

ソウルドアウト株式会社の連結子会社であるSO Technologies株式会社は、インターネット広告を広告代理店に委託している広告主を対象に、「インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査」を実施しました。


インターネット広告の生成AI利用率は約9割!広告代理店の生成AI活用にも肯定的

広告主である回答者に対し、業務におけるChatGPTなどの生成AIの利用頻度を聞いたところ、「週1~2回程度」が40.4%、「ほぼ毎日」が27.2%、「月に1~2度」が21.5%となり、89.1%が生成AIを利用していると回答しました。

具体的な業務内容ではアイデア出しやブレストが70.0%、文章作成が54.4%、情報収集が52.3%、議事録作成が50.5%の順に多くなっています。

また、「現在は利用していない」「利用したことはない」と回答した方に理由を聞いたところ、「使いこなせる自信がないから」「使い方がわからないから」がそれぞれ35.4%、「プライバシーやセキュリティに不安があるから」が22.9%と続きました。

委託先の広告代理店が生成AIを活用することをどう思うかについて、回答者自身の考えにもっとも近いものを聞いたところ、「活用してもよいが、一定のルールやガイドラインが必要」が最多で47.0%、次いで「積極的に活用してもよい」が29.2%となり、76.2%が肯定的な意見となりました。

一方、「活用しないでほしいが、ルールやガイドラインがあればやむを得ない」が13.9%で、肯定的・否定的のいずれにしてもルールやガイドラインを必要と考える広告主が過半数の60.9%。また、「明確に禁止すべき」と考える広告主は4.8%となりました。

以下にて、生成AI活用に対する考えの回答理由を紹介します。

<「積極的に利用してよい」「一定のルールがあればよい」の回答理由の一部>
・早く最先端に慣れた方がいい
・業務が大幅に時短になるから、効率がよいから。
・リスクより、実益がたかい。
・使った上で問題が出てきたら話し合う。
・ルールは策定しておきたい(トラブル防止)
・責任の所在を明らかにする必要性がある。
・今後必要な技術だが、倫理ルールがまだ十分でない

<「ルールがあればやむを得ない」「禁止すべき」の回答理由の一部>
・未知のリスクが整理されていない
・総合的 俯瞰的に判断をして適切だから
・リスクがあると感じているため

広告主企業では申請や利用ルールはあれど8割以上が生成AIを利用可能。肯定的な意見が大多数に

回答者の所属する会社にて、業務の委託先企業が生成AIを活用する場合の対応方針について聞いたところ、「ルールやガイドラインはないが、利用には申告が必要」が最多で30.8%、次いで「許可を取る必要はなく、自由に利用してよい」が28.8%、「一定のルールやガイドラインに則った上で利用を許可している」が22.8%と続きました。

また、「利用は許可していない」はわずか6.6%でした。

広告代理店が生成AIが利用可能な業務領域は「リサーチ」が最多。予算関連・議事録・メール文面作成などの利用には否定的な意見も

広告代理店の各業務領域に対する生成AI活用への考えを聞いたところ、「積極的に利用してもよい」「利用して問題ない」を合わせた肯定的な回答がもっとも多かった業務は「広告配信する商品・サービスのリサーチ」で66.9%、次いで「競合・市場リサーチ」の54.5%に。

また、すべての業務領域で「利用して問題ない」あるいは「どちらでもよい」の回答が多数派となっており、業務内容によって利用に反対する広告主は少ないと考えられます。

一方、「控えてほしい」「絶対に利用しないでほしい」を合わせた否定的な回答の上位としては、「予算調整のアドバイス」が21.9%、「議事録作成」21.4%、「メール、チャット文面の作成」21.0%となりました。

以下にて、いずれかの業務領域での活用に対して否定的な回答をした理由を一部紹介します。

<「控えてほしい」「絶対に利用しないでほしい」の回答理由の一部>
・該当の作業については人手を介したほうがよくて、機密事項に関わることでもあるためそのような判断です。(広告予算策定、予算調整のアドバイスなど7項目)
・急な対応ルートの確保や関係性を構築している部分、責任の所在を明確化してもらいたい部分などには生成AIを使用スべきではない。(広告予算策定、広告クリエイティブのコンセプト設計など7項目)
・画一的な回答しか返ってこないから(広告クリエイティブ関連の5項目)
・定型的な結果を懸念しているから。(レポーティング作業、メール・チャット文面の作成)
・大きな間違いがおこりそう(広告データ集計・分析)
・専門性を疑うことにつながるから(広告入稿作業、レポーティング作業、議事録作成)
・レビューは人間の方が正確だと思うので(広告結果に対するレビュー作成)
※回答者の記述内容をそのまま記載しているため、誤字脱字等がある場合があります。

調査概要

調査対象:自社商品・サービスのインターネット広告を広告代理店に委託している企業の経営者・事業およびマーケティング責任者、現場の担当者
調査期間:2023年5月22日~23日
有効回答数:438人
調査方法:株式会社ジャストシステム「ファストアスク」によるインターネットアンケート
調査主体:SO Technologies株式会社

出典元:SO Technologies株式会社(ソウルドアウトグループ)
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000329.000031201.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

株式会社メディアリーチは、企業のマーケティング課題を解明するための定期的な調査として、2024年11月に実施した『経営者・役員対象:SEO対策意識調査 2024・2025年』の結果を公開しました。


Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代/Y世代/X世代を対象に、商品カテゴリー別のカスタマージャーニーに関する調査を実施し、結果を公開しました。


ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

株式会社オトバンクは、企業のマーケティング担当者を対象に「ポッドキャストに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


最新の投稿


SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

株式会社メディアリーチは、企業のマーケティング課題を解明するための定期的な調査として、2024年11月に実施した『経営者・役員対象:SEO対策意識調査 2024・2025年』の結果を公開しました。


Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代/Y世代/X世代を対象に、商品カテゴリー別のカスタマージャーニーに関する調査を実施し、結果を公開しました。


ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

株式会社オトバンクは、企業のマーケティング担当者を対象に「ポッドキャストに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、アメリカの食品業界で新たなトレンドワードとして注目されている「Swicy(スワイシー)」とその流行の背景について取り上げます。


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ