「若者のブランド離れ」は起きているのか?Z世代の身の丈と憧れ、周りの目のバランス感覚とは【SHIBUYA109 lab.調査】

「若者のブランド離れ」は起きているのか?Z世代の身の丈と憧れ、周りの目のバランス感覚とは【SHIBUYA109 lab.調査】

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、同社が運営する「SHIBUYA109 lab.(読み:シブヤイチマルキュウラボ)」にて、学生と社会人を含む20代のZ世代(20~26歳)を対象に「Z世代のハイブランドに関する意識調査」を実施。その結果を公開しました。


Z世代が「奮発」する際のファッションアイテムは平均約1万円!?彼らのハイブランドとの 付き合い方とは

Z世代が「良いものを買おう」と思った時に購入するファッションアイテムの平均金額は、大学生が8,787円、社会人が12,393円、今まで購入した中で最も高いファッションアイテムの平均金額は、大学生が15,564円、社会人が26,139円となりました。

一ヶ月あたりにファッションアイテムにかける平均金額についても調べてみると、大学生が5,752円、社会人が8,214円となっています。普段購入するファッションアイテム1つあたりの平均金額を聞いてみると、大学生が4,246円、社会人が6,284円となりました。さらに、プレゼントとしてファッションアイテムを購入する際にかけるお金の平均金額は、大学生が7,528円、社会人が10,844円となっています。

ハイブランドとの接点について聞いてみると「SNS上でよく目にする(26.5%)」「店舗の前を通った際に目にする(25.5%)」「店舗の中で商品を目にする(19.9%)」という回答が多く上がった一方、最も多い回答は「特に接点はない(29.6%)」になりました。

グループインタビューでは、「TikTokやInstagramで、ハイブランドのまとめ投稿(例:財布など)を目にする」「K-POPのアイドルがハイブランドを身に着けているのを見ると、憧れるしかっこいいと思う」「Instagramや動画配信サービスで好きな人が着ているのを見て、真似したいと思うのが一番多い結果に。

あとは渋谷に遊びに来ると店舗に寄って欲しいものに目星をつけておき、後日お金を貯めて買う」などの声が聞かれました。

現在持っているハイブランドのアイテムを聞いてみると、全体では「財布・パスケース(54.8%)」「洋服(49.9%)」「バッグ(49.4%)」が多くなりましたが、女性だけに絞って聞いてみると、「化粧品(60.1%)」「財布・パスケース(59.6%)」「バッグ(56.9%)」と、結果が大きく変わりました。

グループインタビューでも、「友達からDIORのコスメを貰って気に入ったので、自分でも買ったのが初めてのハイブランド商品購入」「親から財布と時計は高いものを持っていなさいと言われて、kate spadeの財布を購入した」 などの意見がありました。

また、「SNSにブランド物を載せるのは気が引けるが、コスメは気にしない」「コスメとファッションアイテムで好きなブランドは別」「コスメは頑張れば買えるが、バッグはすごく高くて憧れがある。いつか買いたい」など、コスメアイテムはハイブランドの中でも低単価で初めての購入品にもなりやすい商材であるものの、コスメアイテムとファッションアイテムではブランドの選び方や印象などが少し異なる傾向が見受けられました。

ハイブランドデビューは若年化?Z世代がハイブランドに触れるきっかけ

ハイブランドのファッションアイテムを初めて着用・利用し始めた時期について、大学生は「大学生前半(1~2年生)(30.3%)」社会人は「社会人(28.4%)」が最も多い回答となりました。

さらに、初めて自分のお金でハイブランドのファッションアイテムを購入した時期※図4も聞いてみると、最も多い回答が、大学生は「大学生前半(1~2年生)(34.8%)」となったのに対し、社会人は「社会人(32.0%)」となっており、現役の大学生の方が早い段階でハイブランドのファッションアイテムに触れる傾向があることがわかります。

また、ハイブランドのファッションアイテムを初めて手にしたタイミングを聞いてみると、「誕生日(25.2%)」「入学・卒業(12.8%)」「お金が貯まってきた時(12.1%)」という回答になりました。グループインタビューでも「高1の時に、お祝いで親戚にGUCCIの財布をもらった」「中学生になる時に、時計を買ってもらった」などの声が聞かれました。

自分で初めてハイブランドのファッションアイテムを購入したタイミングは「お金が貯まってきた時(22.4%)」「ボーナスや臨時収入などまとまったお金を得た時(22.1%)」「誕生日(19.7%)」という回答が多く、「今後購入したいタイミング」を聞いた場合も同じ項目が上位に上がっています。

グループインタビューでも「まだバイトを始めたばかりなので、お給料が来月に入った時にお財布を買おうと思っている」「大学生になるタイミングで学校用に買った」などといった声が聞かれました。

また、家族とハイブランドアイテムをシェアしているのは全体の32.6%で、シェア相手として最も多かったのは「母(44.9%)」でした。

ハイブランドのファッションに関心があるZ世代は約半数。ブランドのイメージはどのようにつくられるのか

ハイブランドのイメージや関心について聞いてみたところ、「ハイブランドファッションに関心がある」と回答したのは52.7%、「ハイブランドファッションに憧れがある」と回答したのは53.9%、「将来はハイブランドファッションを身に着けていたいと思う/購入できるようになりたい」と回答したのは48.7%7で、ハイブランドファッションは誰もが憧れるものではなくなっており、ハイブランドに関する考え方が多様になっていることがわかります。

「ハイブランドだ」と判断する基準を聞いてみると「商品の値段が高い(49.6%)」「ブランドイメージが確立している(42.6%)」「知名度がある(41.4%)」という回答が多くなり、ハイブランドのファッションアイテムに感じる魅力としては「質がいい(38.3%)」「長く使うことができる(35.2%)」「デザインが良い(27.9%)」「持つことで自信が湧いてくる(25.3%)」「自分の価値を高めることができる(24.1%)」などの回答が多くなりました。

実際にグループインタビューでは、「シンプルなデザインのTシャツでも数万円しているのを見ると、ブランド力を感じる」「歴史があって名前が知れ渡っているから、その名前にお金を払っても良いと思える感じ(がハイブランドである)」などという声が聞かれ、ブランドを持つ魅力として「持っていると自分の質があがるし、会話も広がる」「持っていると、それに見合うように毎日を頑張ろうと思える」などの声がありました。

Z世代の約4割がハイブランドの展示会やPOPUPイベントなどに行ってみたいと回答しており、グループインタビューでは、「DIORの香水のイベントに行った。今まで自分が思っていたブランドイメージが具現化された空間だと思った」「GUCCIのポップアップに行って、世界観が独特で良いなと思った」「ブランドのイメージが伝わってきて、自分の中での価値が変わった」など、世界観を体験として感じることを楽しんでいる様子が聞かれました。

好きなハイブランドファッションがあると回答したのは45.7%で、好きなブランド名の自由記述で回答が多かったのは「GUCCI」「DIOR」「LOUIS VUITTON」などでした。

グループインタビューでは、特定のブランドが好きな理由として「値段がものすごく高いので、いつか買いたいという憧れがある」「(わかりやすいロゴデザインなど)ブランドを主張しているのがあまり好きではないが、(好きなブランドは)いやらしくないのが良い」などの理由が聞かれました。

ハイブランドのファッションアイテムをSNSに投稿するのは45.6%で、グループインタビューでは女性の中から「コスメなら気にならないが、ファッションアイテムはInstagramの親しい友達設定、あるいはサブアカウントのストーリーズに投稿」「『どうしてそんなにブランド品を持っているの?』と色々と詮索されたら怖い」「『お金を貯めてやっと購入!』など、頑張って購入した感じの文章を載せることで、自慢っぽさを軽減させている」「親と共有で使っているPRADAのバッグは、ロゴが写っていない写真を選んで投稿する」など、周りからの見え方を気にする声が聞かれました。

コピー品や模倣品について、購入したことがあるのは25.1%となりました。コピー品に関しては「絶対に購入したくない(29.6%)」「家族や友達には購入してほしくない(18.4%)」「炎上している商品は避けたい(13.5%)」※図15などの声が聞かれました。

グループインタビューでも、「自分は手を出さない。友達に見せた時に、偽物だとバレたら恥ずかしい」「他人が着ていても何も思わないが、コピーと知っていて着ているのを見ると、そんなに無理しなくても良いのにと思う」などの声が聞かれました。

調査概要

①WEB調査
調査期間:2023年9月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチプラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県
性別:男女
年齢:20~26歳(20代のZ世代)
対象:大学生・短大・専門学校生・社会人・フリーター
回答者数:423名(男性205名:女性218名/学生145名:社会人・フリーター278名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
※直近1年で何らかのファッションアイテムの購入をしたことがある方が本調査対象者

②SHIBUYA109 lab.による定性調査
グループインタビュー
対象者条件:高校生~大学生の男子3名、女子4名の2G(合計7名)
・その他過去定性調査をもとに考察

出典元:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000256.000033586.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

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