大学生の旅行計画はWebよりSNS?情報収集の実態と検討フローとは

大学生の旅行計画はWebよりSNS?情報収集の実態と検討フローとは

スマートフォンが生活の一部となった現代、旅行の計画方法も大きく変化しています。特に大学生の情報収集の手段は、これまでのWebサイトからSNSへとシフトしているようです。大学生は実際にどのような方法で旅行情報を集め、計画を立てているのか。分析ツールや調査データ、大学生の声も聞きながら分析していきます。


旅行計画時、Web検索はどう使われる?

大学生は旅行の際にWeb検索をどのように活用しているのでしょうか。全世代の「旅行」検索者と大学生の「旅行」検索者を比較することで特徴を探っていきます。

なお分析には、Web行動データとアンケートデータを用いた分析を行える、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope」を用います。

全世代では旅行に関する多くのことをWeb検索で情報収集

まず、全世代の「旅行」検索者のキーワード前後を見てみましょう。こちらのデータでは「旅行」で検索した日を軸に、前後何日かの間に、どんなキーワードで検索されているのかが分かります。

「ツアー」「海外旅行」「モデルコース」「観光」など、旅行に関連した多くのワードに高い特徴値(※)が出ています。

※特徴値:抽出条件に当てはまるユーザーの中でよく検索されており、かつ一般ユーザー全体ではあまり検索されていないキーワードが高くなるような指標。

「旅行」検索者のキーワード前後

図:「旅行」検索者のキーワード前後
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

また、「旅行」検索者のサイトランキング上位は旅行関連のサイトが占めています。

「旅行」検索者のサイトランキング

図:「旅行」検索者のサイトランキング
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

「旅行」検索者は旅行についての多くの情報をWeb検索で収集しているようです。

大学生は旅行の情報収集にWeb検索を活用しない傾向

次に、大学生の「旅行」検索者に絞って見ていきましょう。大学生のデータはPerscopeの「カスタムセグメント機能」を活用しています。

キーワード前後では「インターン」や「研究室」など、旅行に関係のないワードに高い特徴値が出ています。

旅行関連と見られるワードとしては「治安」「LCC(※)」「飛行機」「宿」「新幹線」などが見られます。しかし特徴値は就職活動や勉学に関連したワードより低めの傾向があります。

※LCC:「Low Cost Carrier」の略。格安航空会社を指す。

「旅行」検索者(大学生)のキーワード前後

図:「旅行」検索者(大学生)のキーワード前後
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

全世代の「旅行」検索者は「ツアー」や「モデルコース」など、旅行の全体的な概要についてWeb検索をしているようでしたが、大学生の「旅行」検索者は主に交通手段や宿泊施設の情報収集のみでWeb検索を利用しているようです。

また、大学生の「旅行」検索者のサイトランキング上位には旅行関連のサイトは見られません。

「旅行」検索者(大学生)のサイトランキング

図:「旅行」検索者(大学生)のサイトランキング
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

一方、大学生の「航空券」「宿」検索者のサイトランキングでは上位には旅行関連サイトがあります。

「航空券」(左)「宿」(右)の検索者(大学生)のサイトランキング

図:「航空券」(左)「宿」(右)の検索者(大学生)のサイトランキング
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

大学生は「旅行」といった抽象的なワードではなく、「航空券」「宿」といったより具体的なワードでWeb検索をし、それぞれのサイトに訪れていると考えられます。

【関連レポート】2026年旅行予約トレンド調査 ~ 東北は「地元志向」、四国は「都市圏志向」などエリア別ニーズが浮き彫りに

https://manamina.valuesccg.com/articles/4788

WEB上で宿泊を伴う旅行予約を実施した人に対して、旅行先や予約と旅行出発日の日数差の分析を行いました。2026年は春(ゴールデンウイーク)・秋(シルバーウィーク)ともに5連休となる日並びのよさを背景に、数日間の滞在を伴う中期的な旅行ニーズが高くなると考えられます。旅行先のトレンドや旅行予約の実態を2025年の旅行予約データから明らかにします。※資料は記事内の入力フォームより、ダウンロードいただけます。

大学生はSNSで旅行を計画?Instagramが人気

旅行の情報収集にあまりWeb検索を利用しない大学生はどのように情報収集しているのでしょうか。Perscopeで「旅行」検索者の情報収集媒体を見てみましょう。

全世代の「旅行」検索者ではインターネットの数値が高くなっています。一方、大学生の「旅行」検索者では口コミとSNSに高い数値が出ています。

「旅行」検索者(大学生⦅左⦆、全世代⦅右⦆)の情報収集媒体

図:「旅行」検索者(大学生⦅左⦆、全世代⦅右⦆)の情報収集媒体
期間:2024年1月~12月
デバイス:パソコン・スマートフォン

大学生の「旅行」検索者のWeb検索で旅行関連ワードが少なかったのは、大学生は口コミとSNSで旅行について情報収集しているためでしょう。

ます、SNSでの情報収集の実態を詳しく見ていきましょう。

株式会社MERYが2024年4月に実施した「お出かけに関するMERYアンケート」では、Z世代女性が旅先を決める際、SNSのなかでInstagramを参考にする割合が最も高いという結果が出ています。

筆者(大学4年生)の友人の間で複数人がフォローしているInstagramの旅行系アカウントは以下の通りです。

くぼたび|旅に生きるアラサー夫婦 (@kubo_tabi_)

https://www.instagram.com/kubo_tabi_

フォロワー97.5万人(2025年5月時点) 筆者の友人7人がフォロー中

コスパ旅@コスパ良くオシャレに旅行(ホテル・旅館) (@cosupa_tabi)

https://www.instagram.com/cosupa_tabi

フォロワー17.1万人(2025年5月時点) 筆者の友人7人がフォロー中

カップル旅✈️関東発お出かけ~旅行 (@couple_trip_note)

https://www.instagram.com/couple_trip_note

フォロワー9.7万人(2025年5月時点) 筆者の友人5人がフォロー中

特に「コスパ旅@コスパ良くオシャレに旅行(ホテル・旅館)」「カップル旅✈️関東発お出かけ~旅行」はフォロワーに対して筆者の友人が多くフォローしているため、大学生に人気である可能性がうかがえます。

学生なので安く旅行をしたいという思いから「コスパ」、恋人との旅行の参考にしたいという思いから「カップル」といったキーワードで統一されたアカウントが注目されているのかもしれません。

以上の分析の結果と筆者の周りの声に基づいて、大学生の旅行の情報収集フローの仮説を立ててみました。

大学生の旅行の情報収集フロー

大学生の旅行の情報収集フロー(筆者作成)

【関連レポート】2025年最新!SNSユーザー数ランキング(全30サービス)

https://manamina.valuesccg.com/articles/4597

国内30のSNSアプリを対象とした「SNSユーザー数ランキング」調査レポートのダウンロードページ(2023年8月~2025年8月)。国内SNS市場における各サービスのMAU(月間アクティブユーザー数)やユーザー属性を明らかにしています。

【卒業旅行】旅行の大学生向けプロモーションで効果的なのは1月?

大学生はいつ旅行をしていて、いつから旅行の計画を始めているのでしょうか。

阪急交通社による2018~2019年の「学生旅行調査」によると、大学生は2~3月や8~9月の長期休みに旅行をする傾向があるようです。

同データによると旅行の申し込みが多いのは、国内国外ともに1月だそうです。2~3月の卒業旅行に向けた計画をする時期に当たります。

毎月更新されるデータを用いて、検索キーワードやWebサイトのユーザー分析ができる、株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」でも、「卒業旅行」の検索は1月がピークという結果になっています。

「卒業旅行」検索者数推移

図:「卒業旅行」検索者数推移
期間:2023年5月~2025年4月
デバイス:パソコン・スマートフォン

口コミやSNSでの情報収集も、1月に行う大学生が多いかもしれません。卒業旅行のプロモーションに効果的な時期は1月といえるでしょう。

まとめ

今回は、大学生と全世代の旅行に関するWeb検索行動の違いを明らかにしました。

全世代ではWeb検索で旅行全体の情報収集を行う傾向が強い一方、大学生はWeb検索よりも口コミやSNSを中心に情報収集を行っていることがわかりました。特にInstagramの旅行系アカウントも参考にしている傾向が見られました。

また、旅行の検討・検索が活発になる時期としては1月がピークであり、1月のプロモーション施策が有効であると考えられます。

旅行の計画に口コミとSNSを活用しているという現代の大学生。大学生の情報収集の変化にはこれからも注目です。

【関連記事】現役大学生が語るリアルなSNS活用実態。インスタ"本垢・サブ垢"の使い分けとは|Z世代インタビュー

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▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

2026年4月に入社しました。

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