【参加者プロフィール】
Aさん
男性・千葉県在住の大学4年生。経済系の学部に所属。InstagramとX、BeReal.をよく使う。アイドルと犬が好き。
Bさん
男性・東京都在住の大学4年生。経済系の学部に所属。InstagramとXをよく使う。ピアノを練習中。
Cさん
男性・千葉県在住の大学4年生。経済系の学部に所属。Instagramをよく見るが、投稿はほとんどしない。バスケが好き。
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推し活、趣味、情報収集…目的別にアカウントを使い分けるのが当たり前
インタビュアー:皆さんは、SNSのアカウントをどんな風に使い分けていますか?
Aさん:高校時代は推し活(乃木坂46)専用のXアカウントを持っていましたし、今はInstagramでサウナの情報収集用、ビジネス系の情報収集用など、用途ごとにアカウントをいくつも持っています。ファッション用も作ったことがありますね。
Bさん:僕も大学入ってから「情報収集用のXアカウント」を作りました。趣味や好きなジャンルごと、それぞれのSNS・アカウントで集めてます。
Cさん:私は“本垢”と“サブ垢”、あとは特定の趣味専用のアカウントを用途で分けて使っています。
本垢は「名刺」、サブ垢は「居酒屋トーク」 建前と本音を自在に切り替える
インタビュアー:“本垢”はどんな位置づけですか?
Cさん:本垢は、完全に「大学生の名刺」だと思ってます。「この大学に通っていて…」みたいな、プロフィール的な使い方です。なので、見せたい自分しか見せません。
Aさん:本垢は「誰に見られてもいい顔」を見せる用で、ほかのアカウントの存在は基本的に秘密です。最近は就活中にInstagramを交換することも増え、本垢では無難な投稿しかやらなくなりました。
友達用のサブ垢もなんでも投稿するわけではなくて、「財布をなくした」「駐車場で車をこすった」とか、面白いイベントを厳選して投稿してますね。
インタビュアー:見る人を意識して、話しのネタを提供する感じなんですね。
Aさん:そうです。「聞いて聞いて!」というより、「これ、ウケるだろ?」という前提で投稿します。
インタビュアー:仲間内で話すような、いわゆる「居酒屋トーク」的な内容はクローズドなサブ垢で投稿するんですね。本垢とサブ垢でずいぶんと毛色が違うみたいですね。
Bさん:LINEよりインスタ交換が先なことも増えてきて、本垢の扱いがますます“表の顔”化してますね。
■LINEとInstagramのDMも使い分け
インタビュアー:LINEではなく、Instagramで連絡を取り合うことも多いですか?
Aさん:ほんとに近い友達とはLINE。でも、ラフな会話はInstagramのDMが多いです。ストーリーへの反応とかも気軽だし。
20代のLINEとInstagramのユーザー数。InstagramもLINEの8割程度と、十分なユーザー数がおり、コミュニケーションツールとして活用できることが分かる。
集計期間:2024年8月~2025年7月
デバイス:スマートフォン
データの抽出方法:Dockpit(ドックピット)より集計
Cさん:「これ面白い!」みたいな話はInstagramで盛り上がって、遊びの計画の詳細とか業務連絡ぽいものはLINEでって流れが多いです。
Aさん:他の友達の投稿を見て、「○○(友達の名前)、今こんなことしてるんだ」みたいな会話もInstagramのDMでしますね。
インタビュアー:就活中に交換するという話しもありましたが、Instagramのアカウントを持っていない人がいたら驚きますか?
Aさん:びっくりします。「何か理由があるのかな?」って思います。
「映え疲れ」の救世主『BeReal.』 自然体な自分でつながる理由
インタビュアー:2017年には「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれ、広く定着した言葉・風習になったかと思いますが、いわゆる「インスタ映え」な投稿はいまだにあるんでしょうか。
Aさん:アフタヌーンティーとか、旅行先での綺麗な風景の投稿があるので、いまだにそういう雰囲気はあると思いますね。カップルで撮ったと分かるような「匂わせ」投稿も。
インタビュアー:一方で、”映えないSNS”として最近「BeReal.」も注目されていますが、BeReal.は使っていますか?
Aさん:はい、大学生になってから始めました。BeRealは通知が来たタイミングで撮るのが基本ですが、1日2回までなら後からでも投稿できるので、意外と時間に追われる感じはないですね。
BeReal.のユーザー数の推移。2023年8月からの
2年の間で、着実に増加している
集計期間:2023年8月~2025年7月
デバイス:スマートフォン
データの抽出方法:Dockpit(ドックピット)より集計
インタビュアー:BeReal.の一番の魅力は何ですか?
Aさん:旅行先で自撮りするハードルが下がることです。男同士だと改めて「写真撮ろうぜ」って言いづらい空気があるんですけど、「BeReal.撮ろう」ならすごく自然なんです。それがアーカイブとして残るので、日記代わりにもなります。それに、BeReal.は加工ができない分、不自然な”イタイ投稿”になりにくい。見る側も構えずに見ている気がして、BeReal.は精神衛生上すごく良いと感じます。
Cさん:確かに。僕は使ってないですが、旅行先で「BeReal.撮ろう」って言ってくれる人がいたら嬉しいですね。自分から言うのは少し気が引けますけど、撮るってなったら喜んで入ります。
広告は「偶然の出会い」、インフルエンサーは「信頼性」で選ぶ
インタビュアー:SNSの広告からなにか商品を買うことはありますか?
Aさん:広告がきっかけで買ったことはあります。姉の誕生日プレゼントに迷っていた時、ちょうど好きな映画のコラボ商品の広告が出てきて、店舗まで買いに行きました。
Bさん:僕はお出かけ系のイベントや、気になる作家さんの展示の広告をよく見ます。音楽系のイベントも広告がきっかけで行くことがありますね。
インタビュアー:広告が"きっかけ"ということは、広告をクリックしても、すぐに購入するのではなく、一度Googleなどで検索し直しているのでしょうか。
一同:はい、検索しなおします。
インタビュアー:インフルエンサーがお勧めする商品を購入することはありますか?
Cさん:僕はプロモーションと聞くと信頼できないので、インフルエンサー経由では買わないですね。
Aさん:僕もインフルエンサーはあまり信用しませんが、信頼しているビジネス系YouTubeチャンネルとかは別ですね。そこで紹介されていた化粧水は実際に買いました。
SNSは「きっかけ」を生み出す。自己表現と情報収集のツール
最後に、SNSをやっていて良かったことを尋ねると、3人から三者三様の答えが返ってきました。
Aさんは「飼い犬専用のInstagramを始めたこと」だとのこと。「犬の投稿をすると色々な人から反応をもらえて、会話のきっかけが増えました。とっつきにくいと思われがちな僕にとって、話しかけてもらうフックを得られたのは、セルフプロデュースの一環として良かったですね」。
一方、Bさんは情報収集の観点を挙げています。「知らない世界を知る“とっかかり”として、SNSは非常に有効です。断片的な情報から興味を持ち、そこから自分で検索したり生成AIに聞いたりして知識を深めていく。その第一歩として役立っています」。
そしてCさんは、人との繋がりに価値を感じているようでした。「初めて会う人とインスタを交換して、共通の知り合いが見つかると『え、なんで繋がってるの!?』って一気に話が弾むんです。新しい出会いが多い今、共通の話題ができるのはすごく助かります」。
今回インタビューに答えてくれたのは東京の同じ大学に通い、同じサークルに属している友達同士の3人でした。多様化した現代では大学生といっても個人差が大きく、同じ大学の別のサークル、違う大学、別の都道府県の大学生にインタビューするとまた違った答えになるかもしれません。今回のインタビューの回答のように感じている大学生がいる、といった捉え方がちょうどいい距離感だと考えられます。
大学生らにとってSNSは、単なる暇つぶしのツールではありません。自己を巧みに演出し、人間関係を円滑にし、世界を広げるための戦略的なツールの側面があると考えられます。複雑に見えるZ世代のSNS利用実態の裏には、彼らなりの合理性と”お作法”と、価値観が隠されています。
【関連レポート】2025年最新!SNSユーザー数ランキング(全30サービス)
https://manamina.valuesccg.com/articles/4597国内30のSNSアプリを対象とした「SNSユーザー数ランキング」調査レポートのダウンロードページ(2023年8月~2025年8月)。国内SNS市場における各サービスのMAU(月間アクティブユーザー数)やユーザー属性を明らかにしています。






マナミナ編集部員。コンテンツマーケ、SEO、SNS周りに携わっています。小説と音楽が好きです。