AI導入の初期の勢い - ROIよりも統合が優先
日本はAIの導入において早期から勢いを見せており、今後12か月以内にAIの評価または導入を計画している組織は70%に上ります。これは世界平均やアジア太平洋平均を上回る数値です。
現時点において全社でAIを採用している日本企業はわずか2%と慎重なアプローチが特徴となっています。特に既存のシステムやプロセスとのAI統合を強く重視する傾向にあり、迅速な展開よりも長期的に堅牢なソリューションを重視していることを示しています。
AIによるROIを実現するには、AIの実験と、組織全体へのプロジェクトの拡大をバランス良く行う必要があり、長期的な取り組みとなります。興味深いことに、アジア太平洋の企業は自社のAIプロジェクトから平均で3.6倍のROIを期待していますが、これを実現するにはAIの規模拡張や社内機能の構築に関して慎重なアプローチが必要です。
日本の緩やかなペースは、ビジネスの俊敏性と即応性の向上、サステナビリティの向上、および収益の増加に焦点を当てると同時に、AIと既存システムの統合、データ品質の問題、予算不足といったビジネス上の課題克服を目指す姿勢を反映しています。
組織の準備不足の問題を克服する
AIの成長に必要なものについての理解が深まり、AI導入リスクへの認識が高まるにつれ、ビジネスの優先事項も年々変化しています。
今年寄せられたAIリスクの上位は倫理的問題とバイアスですが、AI GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)ポリシーを完全に実施している企業は、グローバルでは24%、アジア太平洋地域では25%に留まりました。日本では、28%のCIOが全社的なGRCポリシーを完全実施していると報告しています。
このことは、アジア太平洋地域の企業にとって最優先事項として浮上した問題に対して、構造化されたアプローチが今すぐ必要であることが浮き彫りになっています。
AIガバナンスを効果的なものにするには、説明可能性、倫理的フレームワーク、説明責任、モデルガバナンス、プライバシーとセキュリティの向上、および人間による監督の統合が不可欠です。
生成系AIの導入を加速
生成系AIは、企業の業務プロセスを根本から変革するものと目されており、日本では2025年におけるAI導入の34%を占める見込みです。
AIのユースケースとして、アジア太平洋地域では1位のIT運用に続き、サイバーセキュリティ(2位)とソフトウェア開発(3位)となっています。日本では、財務(1位)、マーケティング(2位)とIT運用(3位)という順になっています。
オンプレミスおよびハイブリッドインフラストラクチャが主流
アジア太平洋地域の企業の65%が、AIワークロードの処理にオンプレミスまたはハイブリッドソリューションを選択しています。この傾向は、安全で低遅延な環境と運用上の柔軟性へのニーズを反映しています。一方で、19%は依然としてパブリッククラウドサービスに依存しています。
日本も同様の傾向を示しており、66%はオンプレミス、プライベート、ハイブリッドのいずれかを使用している一方、6%はパブリッククラウドに依存しています。
AI PC: 早期導入で生産性向上が報告される
AI搭載PCはアジア太平洋地域で普及が進んでおり、43%の企業が大幅な生産性向上につながると考えています。認知度は高まっているものの、この市場全体における局所的な導入の進展は依然として慎重に進んでいます。日本では、企業の58%がすでにAI搭載PC導入の計画段階に入っています。テクノロジーが成熟し、ROIの実績が増えれば、普及がさらに加速し、より多くのデジタルワークプレイスソリューションが普及していくことでしょう。
スキルの高いパートナーの必要性
AI導入の取り組みを拡大する組織が増える中、アジア太平洋地域のCIOの34%と日本のCIOの6%が、データ管理の複雑さ、人材不足、コスト効率といった課題に対応するため、専門的なAIサービスを活用しています。
それに加えて、日本のCIOの72%が、近い将来に同様のサービスを活用することを検討または計画しています。
このようなコラボレーションにより、企業は社内の能力ギャップを補完し、従業員のスキル向上に注力しながら、長期的なレジリエンスを構築できます。
出典元:レノボ・ジャパン合同会社
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。





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