ライブ配信から商品購入に至った視聴者は3割超!ライブ配信は「楽しむもの」から「売る手段」へ着実に進化【PRIZMA調査】

ライブ配信から商品購入に至った視聴者は3割超!ライブ配信は「楽しむもの」から「売る手段」へ着実に進化【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、企業のマーケティング・PR担当者と、ライブ配信を視聴したことのある10代~60代の一般視聴者を対象に、「ライブ配信を活用したリアルタイムマーケティングに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


「ついポチっちゃう」視聴者の購買行動と視聴スタイルの実態

圧倒的多数が「YouTube」でライブ視聴、InstagramやTikTokも定着

「ライブ配信を視聴するプラットフォームを教えてください」と尋ねたところ、『YouTube(85.3%)』が最多となり、『Instagram(38.5%)』『TikTok(28.2%)』と続きました。

YouTubeはライブ配信の視認性・信頼性・使い勝手の面で高い優位性を持ち、主戦場としての地位を築いていることが明確になりました。

一方で、InstagramやTikTokといったSNS型プラットフォームも一定の利用率を持ち、特に若年層を中心に「日常に溶け込んだ視聴体験」が普及している様子がうかがえます。

TwitchやIRIAMなどの専門プラットフォームは限定的な支持にとどまり、やはり“既存SNS内のライブ機能”に集約されつつある現状が見て取れます。

今後、企業がライブ配信を活用する際には、YouTubeを基軸としながら、ターゲットに応じてInstagram・TikTok等、プラットフォームを使い分ける戦略が主流となっていくでしょう。

エンタメ性重視の傾向が鮮明に、「音楽・雑談」が人気ジャンル

次に「あなたがよく視聴するライブ配信のジャンルは?」と尋ねたところ、『音楽・ライブ(40.5%)』『雑談・Vlog(32.1%)』『ゲーム実況(26.2%)』が上位を占めました。

上位ジャンルは、いずれも“没入感”や“ライブ感”のあるエンタメコンテンツであり、視聴者が娯楽としてライブ配信を楽しんでいる様子が浮かび上がります。

一方で、『食品・グルメ(16.3%)』『美容・コスメ紹介(14.7%)』『アパレル・ファッション(11.5%)』といった販促性の高いジャンルは相対的に低い割合にとどまりました。

これは、購買誘導を目的としたライブ配信が必ずしも“視聴習慣の中心”にはなっていないことを示しており、販促系配信は「特定の関心層に届ける工夫」が重要であるといえます。

視聴ジャンルの傾向からも、まずは“エンタメとして楽しめる設計”を起点に、その中で商品を自然に取り込むスタイルが求められているのかもしれません。

配信者は「YouTuber」と「著名人」が二大人気

次に「視聴する配信者のタイプを教えてください」と尋ねたところ、『YouTuber(57.9%)』が最多で、『芸能人・著名人(41.3%)』『TikToker(19.4%)』『インスタグラマー(16.3%)』と続きました。

“親しみやすさ”と“信頼性”のバランスを兼ね備えたYouTuberの人気が際立っており、視聴者は自らの視聴習慣に根ざした配信者に惹かれる傾向があることがわかります。

また、『Vtuber・Vライバー(12.3%)』も一定の支持を集めており、没入型の世界観やアバター文化に魅力を感じる層が存在することも見逃せません。

商品紹介や販促においては、誰が伝えるかが重要な要素となるため、インフルエンサーや配信者の“タイプ選定”がコンバージョン率を大きく左右する可能性があります。

実際の配信設計では、配信者のキャラクター性と商材の親和性を見極めた上でのキャスティングが重要となるでしょう。

商品購入に至った視聴者は3割超

では実際に、ライブ配信中に紹介された商品・サービスを購入したユーザーはどの程度居るのでしょうか。
「ライブ配信中に紹介された商品やサービスを購入したことがありますか?」と質問したところ、『はい(15.9%)』『購入を検討したことがある(17.1%)』と答えた方は、3割を超える結果となりました。

一方で『いいえ(67.1%)』が多数を占め、ライブ配信は視覚的・感情的訴求力に優れる一方で、必ずしも即時の購買行動には結びついていない現実が浮かび上がりました。

とはいえ、一定割合の視聴者が“気になって購入・検討”している点は注目すべきであり、工夫次第ではリアルタイム販促の効果を引き上げる余地もあるといえます。

【業界別】ライブ配信を活用したマーケティングの実態を調査!

6割以上が「ライブ配信施策を実施済み」

業種別にライブ配信施策の実施経験を調査するため「これまでにライブ配信を活用したプロモーション施策を行ったことはありますか?」と質問したところ、『EC・小売(67.5%)』『エンタメ・メディア(68.3%)』『旅行・観光(66.7%)』業界が高い割合を示しました。

これらの業界では、商材やサービスの“見せやすさ”“体験の訴求しやすさ”といった特性が、ライブ配信と相性良く作用していると考えられます。

『美容・健康(60.9%)』『教育(57.1%)』業界でも6割前後が実施済みと回答しており、実演・解説型コンテンツを軸とした販促手法として浸透しつつあります。

業界ごとに導入率に差が出る背景には、費用対効果や表現手法の適合性など、戦略的ハードルの違いがあるといえるでしょう。

業種別に異なる「重視KPI」、購買重視派も多数

また「ライブ配信において重視した、または重視したいKPI・目的を教えてください」と尋ねたところ、『商品・サービスの認知拡大』が全体的に高く、特に『EC・小売(74.6%)』業界で際立ちました。

『エンゲージメント(コメント・いいね等)』は『エンタメ(55.0%)』『美容(50.0%)』業界など感情接点を重視する業種で支持され、『購買促進』は『旅行(56.3%)』『教育(50.0%)』など、成果指標を重視する業界で高い関心が見られました。

このように、ライブ配信の目的は業種によって大きく異なり、「どのKPIを優先するか」を定めた上で施策設計を行う必要があります。

ブランド構築よりも“即効性ある結果”を求める傾向がある現段階においては、ターゲットや商材特性をふまえた目標設計が成果を左右することになるでしょう。

調査概要

【調査テーマ】ライブ配信を活用したリアルタイムマーケティングに関する調査
【調査期間】2025年5月20日(火)~5月21日(水)
【調査方法】PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
【調査対象】企業のマーケティング・PR担当者/ライブ配信を視聴したことがある10代~60代までの男女
【調査人数】509名
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

出典元:株式会社PRIZMA

ライブ配信を活用したリアルタイムマーケティングに関する調査

https://www.prizma-link.com/press/whitepaper/form/whitepaper101

リサーチ&企画力、コンテンツ力、メディアリレーション。 3つの要素を組み合わせることで、PRの新たな地平を生み出す。 PRIZMAは全く新しい形のPRエージェンシーです。

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000082.000149156.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング

関連する投稿


国内電通グループ、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足

国内電通グループ、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足

国内電通グループの5社(株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社電通総研、イグニション・ポイント株式会社)は、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足したことを発表しました。AIに関する専門的リソースを結集した体制を構築し、電通グループや顧客の企業変革の加速に貢献していくといいます。


「データは若者の武器になる」― ヴァリューズが実践する、学生支援と社会貢献のカタチ

「データは若者の武器になる」― ヴァリューズが実践する、学生支援と社会貢献のカタチ

ヴァリューズ代表・辻本に社会貢献活動にかける想いをインタビュー。「マーケティングの力で日本を元気にしたい」―創業時の情熱を胸に、大学へのDockpitの提供や同志社大学のビジコン支援など未来を担う若者育成にも注力するヴァリューズ。本記事では、社会貢献活動の具体的な取り組みと、その根底にある企業理念、「世の中のマーケティング力向上」への熱意を紐解きます。


お店が集客目的で口コミ依頼するケースがあることを知っている人は約9割 集客目的の口コミ依頼への印象は"信頼性が低下する"が最多【マイスタースタジオ調査】

お店が集客目的で口コミ依頼するケースがあることを知っている人は約9割 集客目的の口コミ依頼への印象は"信頼性が低下する"が最多【マイスタースタジオ調査】

株式会社マイスタースタジオは、全国の男女を対象に「集客目的の口コミ依頼に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


生成AIを日常的に使う人の割合は70%超の一方、従業員の利用率は51%にとどまる【BCG調査】

生成AIを日常的に使う人の割合は70%超の一方、従業員の利用率は51%にとどまる【BCG調査】

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、日本を含む世界11の国・地域において、職場におけるAI活用に関する意識調査を実施し、調査結果に基づくレポート「AI at Work 2025: Momentum Builds, But Gaps Remain」を発表しました。


Taboola、AIで潜在顧客をセグメントしてリーチする「Predictive Audiences」の提供を開始

Taboola、AIで潜在顧客をセグメントしてリーチする「Predictive Audiences」の提供を開始

Taboolaは、同社が提供するマーケティングプラットフォーム「Realize(リアライズ)」の新機能として「Predictive Audiences(プレディクティブ・オーディエンス)」を発表しました。redictive Audiencesにより、これまで広告でアプローチできていなかった”コンバージョンに至りやすいターゲット”をAIで発見し、効果的かつ規模をもってリーチすることでマーケティング目標の達成を効果的に支援するといいます。


最新の投稿


国内電通グループ、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足

国内電通グループ、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足

国内電通グループの5社(株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社電通総研、イグニション・ポイント株式会社)は、AI活用・開発の中核を担うグループ横断組織「dentsu Japan AIセンター」を発足したことを発表しました。AIに関する専門的リソースを結集した体制を構築し、電通グループや顧客の企業変革の加速に貢献していくといいます。


教科書のマーケティングを実践に落とし込む 一橋大学上原渉ゼミのDockpit活用

教科書のマーケティングを実践に落とし込む 一橋大学上原渉ゼミのDockpit活用

一橋大学商学部の上原渉教授は「学生たちに継続的なデータ活用環境を」という思いから、ゼミ生にWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を導入しています。なぜ学生のうちからデータ活用のスキルを身につける必要があるのか、どのような活用をしているのか。今回は上原渉教授、そしてゼミ生の伊藤亜起さんと大日方佑衣さんに、取り組みの詳細をうかがいました。


「データは若者の武器になる」― ヴァリューズが実践する、学生支援と社会貢献のカタチ

「データは若者の武器になる」― ヴァリューズが実践する、学生支援と社会貢献のカタチ

ヴァリューズ代表・辻本に社会貢献活動にかける想いをインタビュー。「マーケティングの力で日本を元気にしたい」―創業時の情熱を胸に、大学へのDockpitの提供や同志社大学のビジコン支援など未来を担う若者育成にも注力するヴァリューズ。本記事では、社会貢献活動の具体的な取り組みと、その根底にある企業理念、「世の中のマーケティング力向上」への熱意を紐解きます。


お店が集客目的で口コミ依頼するケースがあることを知っている人は約9割 集客目的の口コミ依頼への印象は"信頼性が低下する"が最多【マイスタースタジオ調査】

お店が集客目的で口コミ依頼するケースがあることを知っている人は約9割 集客目的の口コミ依頼への印象は"信頼性が低下する"が最多【マイスタースタジオ調査】

株式会社マイスタースタジオは、全国の男女を対象に「集客目的の口コミ依頼に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


【徹底分析】証券会社の申し込み完了前後のWEB行動

【徹底分析】証券会社の申し込み完了前後のWEB行動

近年、資産運用を行う人が急増しています。消費者の検索も、年間の「証券」に関する検索を行う人は、VALUES調べによると約1600万人にも上り、 WEB行動からも多くの関心が集まっていることが分かります。そこで本資料では、直近半年間で証券会社の口座を申し込んだ消費者を対象にWEB上の検索行動を追跡し、その背景を分析・推察した内容を解説。消費者のCV前後の検索行動から、関心のきっかけや情報収集プロセスを把握する分析の有用性がお分かりいただける内容となっています。※資料は記事末尾のフォームから無料でダウンロードできます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ