スタバ、セブン、クラフトボスも"コーヒーから紅茶"?ブームの背景とは

スタバ、セブン、クラフトボスも"コーヒーから紅茶"?ブームの背景とは

コンビニの専用マシンで、手軽に淹れたてが楽しめるコーヒー。実は、コーヒーを軸に手がけてきた企業やブランドが、紅茶商品を展開し始めていることをご存じでしたか?今回は、「コーヒー」と「紅茶」の検索ニーズを比較。セブン-イレブン、スターバックス、サントリー「クラフトボス」に注目し、2025年の紅茶ブームを調査しました。


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「デジタル・トレンド白書2025 食トレンド編」は、2025年に注目を集めた食や飲料・お菓子などのヒット分析・トレンド解説が収録されたレポートです。物価が高騰しているなか、どのような商品が人気を博しているのか。消費者の食に対する好みや購買行動はどのように変化しているのかを分析しています。

「コーヒー」検索者は減少中

まずは、「紅茶」と「コーヒー」それぞれの検索データから、ニーズの実態を比較調査していきます。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。

「紅茶」検索者数から見た「コーヒー」検索者数は、2023年6月は約3.7倍、2025年5月は約2.8倍となっています。「コーヒー」検索者が減少傾向にあり、両者の差が縮まってきていることがわかります。

「紅茶」「コーヒー」検索者数の推移

「紅茶」「コーヒー」検索者数の推移
調査期間:2023年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

「コーヒー」はコンビニ検索が目立つ

「コーヒー」の検索者が多い要因として、コンビニでもその場で淹れられるサービスがあり、店名で検索されやすいということが考えられます。実際に「コーヒー」との掛け合わせ検索ワードランキングでは、「ファミマ」「ローソン」「セブンイレブン」「コンビニ」といったワードが上位入りしており、仕事の合間などに手軽に購入しやすいドリンクであることがうかがえます。

「コーヒー」との掛け合わせ検索ワードランキング

「コーヒー」との掛け合わせ検索ワードランキング
調査期間:2023年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

「紅茶」はカフェインが気になる女性を中心に人気?

一方で「紅茶」との掛け合わせ検索ワードでは、コンビニ名は上位入りしておらず、「コーヒー」に比べて日常的に検索するシーンが少ないことがうかがえます。

「紅茶」との掛け合わせ検索ワードランキング

「紅茶」との掛け合わせ検索ワードランキング
調査期間:2023年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

「紅茶」検索においては、店名の代わりに「カフェイン」との掛け合わせ検索が1位となっています。「カフェイン」との掛け合わせ検索後の流入ページで、首位となっているデリッシュキッチンのページを見ると、紅茶のカフェイン含有量はコーヒーの半分と記載されており、カフェインによる健康への影響を考える人は「紅茶」を選びやすいということが考えられます。

「紅茶」「カフェイン」の掛け合わせ検索からの流入ページランキング

「紅茶」「カフェイン」の掛け合わせ検索からの流入ページランキング
調査期間:2023年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

検索者の性別を見ると、「コーヒー」は女性割合が約57%であるのに対し、「紅茶」は女性が73%、さらに「ハーブティー」では女性が82%となっています。妊婦をはじめとして、カフェインを気にする女性に紅茶が人気であることがうかがえます。

「紅茶」「コーヒー」「ハーブティー(ハーブティも含む)」検索者の性別

「紅茶」「コーヒー」「ハーブティー(ハーブティも含む)」検索者の性別
調査期間:2023年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

こうした背景が、「コーヒー」と「紅茶」の検索者数の差が縮まりつつあることにも影響しているのかもしれません。

このトレンドを受けてか、「コーヒー」から「紅茶」にも注力し始める企業が増えています。ここからは、「セブン-イレブン」「スターバックス」「サントリー」の3企業の取り組みを紹介していきます。

コーヒーから紅茶へ。商品化の事例

①セブン-イレブン「セブンカフェ ティー」

セブン-イレブンは、これまで専用マシンでコーヒーの提供を行っていた「セブンカフェ」にて、「セブンカフェ ティー」を全国展開していくことを2025年3月に発表。既に一部店舗で販売を開始しており、コーヒーを飲む習慣の少ない方などに好評を得ているそうです。

ラインナップは「ホットティー」「アイスティー」「ホットミルクティー」「アイスミルクティー」の4種。茶葉は「ダージリンブレンド」「アールグレイ」「アッサムブレンド」の3種類から選べ、食事と合わせやすいオリジナルブレンドとなっています。

実際に「セブンカフェ」との掛け合わせ検索ワードランキングを見ると、「ティー」「紅茶」が首位となっており、世間の注目が集まっていることがわかります。

「セブンカフェ」との掛け合わせ検索ワードランキング

「セブンカフェ」との掛け合わせ検索ワードランキング
調査期間:2024年6月~2025年5月
デバイス:PC&スマートフォン

セブン-イレブンを筆頭に、今後コンビニ各店で紅茶シリーズが展開されるようになると、前述の「コーヒー」検索のように店名で検索する人が増え、「紅茶」検索がさらに伸びる可能性もありそうです。

②スターバックス「TEAVANA™」

スターバックスは2016年10月から、ティーブランド「TEAVANA™(ティバーナ™)」を日本で展開開始。それまでの事業基盤であったコーヒー&エスプレッソやフラペチーノ®に加えて、新たな柱として販売をスタートさせました。世界のティーマーケットは2015年時点で1,250億ドル規模とコーヒーよりも大きく、年々市場が拡大していることから、スターバックスも当市場への本格参入に至ったそうです。

参考:スターバックスが創る新たなTEAの世界「STARBUCKS® TEAVANA™」| スターバックス コーヒー ジャパン

スターバックス店舗で多数のティー商品を販売している他、ティーに特化した店舗として「スターバックス ティー & カフェ」も全国に19店舗展開されています(2026年6月時点)。

③サントリー「クラフトボス 世界のTEA」

サントリーは2025年3月より順次、「クラフトボス」の新シリーズとして「クラフトボス 世界のTEA」を発売開始。ラインナップは「フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」「ティーレモネードwithクールライム」「ブルー セイロンティー無糖」「贅沢ミルクティー」の4品となっており、2025年6月時点では期間限定品として「台湾ライチティー」も展開されています。

参考:「クラフトボス 世界のTEA」シリーズ新登場 |サントリー食品インターナショナル

サントリーは、世界的に茶カテゴリーが伸長しており、特に様々な茶葉やフルーツなどを組み合わせたアレンジティーの人気が高まっていることから着想を得て、新シリーズの発売に至ったそうです。

広告塔は松たか子さん、杉咲花さん、河合優実さん、伊藤沙莉さんが務め、CMでは「クラフトボス」お馴染みの「宇宙人ジョーンズ」の世界観に、「宇宙人四姉妹」として加わっています。

著名な女優陣を4人起用していることから、サントリーが力を入れて「世界のTEA」シリーズを拡販しようとしていることや、女性をメインターゲットとしていることがうかがえます。前述のように「紅茶」周りの検索は女性割合が高いことが反映されていそうです。

実際に清涼飲料カテゴリ内での購入金額シェアを見てみると、「世界のTEA」シリーズが発売された2025年3月からシェアを伸ばしていることがわかります。

「クラフトボス」ティーシリーズの購入金額シェア

「クラフトボス」ティーシリーズの購入金額シェア
※「クラフトボス」「tea」の商品名でヒットする商品のデータを集計
調査期間:2024年6月~2025年5月

まとめ

今回は、「コーヒー」と「紅茶」の検索ニーズを調査しながら、セブン-イレブン、スターバックス、サントリーでの紅茶の商品化事例と世間の反応を調査してきました。

依然として「コーヒー」の方が「紅茶」よりも検索者が多いものの、「コーヒー」検索者は減少傾向にあり、その差が埋まりつつあることがわかりました。「コーヒー」との掛け合わせ検索ワードとしては、コンビニ名が多数上位ランクイン。一方で、今後セブン-イレブンを筆頭に紅茶へのアクセスが向上すると、「紅茶」も同様に近くの店舗を探す検索が増えることも考えられます。

「紅茶」検索者は女性が7割以上を占め、サントリー「クラフトボス 世界のTEA」シリーズに著名女優4名が起用されている、ターゲティング戦略にも影響していると考えられます。スターバックスではティー特化の店舗「スターバックス ティー & カフェ」もオープンするなど、ティー商品に注力している様子がうかがえました。

今後、日本の紅茶市場はさらに拡大を続けるのか。市場動向から目が離せません。

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▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

1997年生まれ、大阪大学卒。データアナリストを経て、Webマーケティング・リサーチを軸に、コンテンツディレクション、SNS運用、デジタル広告運用などを担当。現在はフリーで活動しています。

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