東京アプリユーザーは320万人を突破!
2025年2月にリリースされた「東京都公式アプリ(東京アプリ)」は現在どのくらいの人が利用しているのでしょうか。
株式会社ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて分析していきます。
まず、アプリユーザー数を確認すると320万人以上が利用していることがわかりました。
東京アプリのユーザー数
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
また、ユーザー数の推移を見てみると、アプリリリース当初は毎月25~50万人程度にとどまっていましたが、2025年11月以降ユーザー数が急増していることがわかります。
東京アプリのユーザー数推移
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
2025年12月には約250万人が利用しており、注目度の高さがうかがえます。
東京アプリってどんなアプリ?
東京アプリとはどのようなアプリなのでしょうか。
東京アプリは、分散している行政サービスの窓口を一元化し、都や区市町村が提供する各種サービスのプラットフォームを提供する目的で開発されました。
現時点(2026年2月)では、都が提供するアプリやサービスが集約されていますが、詳細は外部ページへ遷移する仕様となっています。将来的には、マイナンバーカードによる本人確認機能を搭載し、行政手続きや給付金の申請などがアプリ上で24時間365日いつでも行える環境の構築を目指しているようです。
そんななか、現在アプリのメイン機能となっているのが「東京ポイント」の獲得・利用です。
参照:「東京アプリ公式サイト」
東京ポイントは、各種キャンペーンへの参加などで獲得でき、自治体施設のチケットに利用できるほか、民間決済事業者のポイント(1ポイント1円換算)と交換し、日々のお買い物にも活用できます。
東京アプリユーザーはどんな人?
東京アプリのユーザーはどのような人なのでしょうか。まずは、ユーザーの性別を確認します。
東京アプリのユーザーの性別
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
性別には大きな偏りはなく、男女比は全体割合とほぼ同じでした。
では次に、年代分布についても確認していきましょう。
東京アプリのユーザーの年代
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
年代別にみると、20代以下の若者の割合が低く、40~60代の中年~高齢層の割合が全体割合よりも高くなっていました。
最後に、居住地についても確認していきます。
東京アプリのユーザーの居住地
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
約90%のユーザーが東京都在住でしたが、残りの約10%は都外在住者でした。東京アプリは主に都民向けに提供されていますが、東京ポイントの獲得・利用は都外在住者でも利用できるため、近隣地域の在住者を中心に都外在住者でも一定数利用している人がいるようです。
なぜ東京アプリは注目された?
東京アプリはなぜこれほど注目を集めたのでしょうか。東京アプリ公式サイトへの流入経路から、その要因を分析していきます。
東京アプリ公式サイトの集客構造(ノーリファラーを除く)
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
東京アプリ公式サイトの集客構造を見ると、約9割が自然検索からの流入でした。そこで、自然検索による流入キーワードを確認しました。
東京アプリ公式サイトの流入キーワード
集計期間:2025年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
上位10個のキーワードの中には、「東京アプリ」などアプリ名による検索のほかに、「ポイント」「キャンペーン」「7000円」などのキーワードによる流入が多く見られました。このことから、ポイント付与キャンペーンを目的にアプリ利用を検討したユーザーが多かったと考えられます。
都民注目のポイント付与キャンペーン「東京アプリ生活応援事業 (11,000pt)」とは?
では、都民が注目を寄せるポイント付与キャンペーンとはどのような内容なのでしょうか。
このキャンペーンは「東京アプリ生活応援事業」と呼ばれ、東京アプリの普及促進と物価高対策を目的に実施されます。参加条件を満たしたユーザーには、11,000円相当の東京ポイントが付与されます。なお、当初は7,000円相当の付与が予定されていたため、流入キーワードでは「7000」が上位に入っていたと考えられます。
対象者は15歳以上の東京都在住者で、NFC対応スマートフォン(NFC:端末をかざして通信する仕組み)とマイナンバーカードを持つ人であれば誰でも参加できます。参加方法は、東京アプリとデジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」に登録後、東京アプリ上でマイナンバーカードによる本人確認を行うだけです。
ポイント付与がアプリ普及を促進した事例
東京アプリのようにポイント付与キャンペーンがユーザー数拡大につながった例はいくつかあります。
■PayPay
2018年10月にサービスを開始したPayPayは、同年12月4日から「100億円あげちゃうキャンペーン」と題して、20%のポイント還元キャンペーンを行いました。このキャンペーンを皮切りにPayPayは急速に普及し、現在では7,000万人を超えるユーザー獲得に成功しています。
■さいたま市みんなのアプリ
自治体が提供するアプリの例ではさいたま市が提供する「さいたま市みんなのアプリ」が挙げられます。
このアプリは、行政のさまざまなサービスを集約している点や、デジタル地域通貨機能(さいコイン)およびポイント(たまポン)の獲得・利用ができる点など、東京アプリと共通する特徴を持っています。
さいたま市みんなのアプリでは、これまでに複数回ポイント還元キャンペーンを行っています。
さいたま市みんなのアプリのユーザー数推移
集計期間:2024年1月~2025年12月
デバイス:PC、スマートフォン
図に示したように、キャンペーンが開始された月はいずれも前月を上回るユーザー数を記録しています。特に最初に行った最大33%還元キャンペーンでは、キャンペーン開始により、前月からユーザー数が約2倍にまで増加しており、多くの新規ユーザー獲得に成功したことが推測できます。
このような事例から、アプリリリースの初期段階で、ポイント付与キャンペーンを実施することは、ユーザー数拡大とアプリ普及を促進するうえで有効な施策であると考えられます。
自治体アプリは今後どうなる?
■自治体独自の地域通貨は一般化するのか?
東京アプリの「東京ポイント」や、さいたま市みんなのアプリの「さいコイン」「たまポン」など、自治体独自の地域通貨・ポイント(以下、自治体PAY)が近年増えています。そして、物価高対策の一環として、自治体PAYへのポイント付与を行う動きも増加しています。
例えば港区では、「みなトクPAY」を通じて、2026年3月に全区民へ1万円分のポイント付与を予定しています。
自治体PAYでのポイント付与は、現金給付と比較して地域内消費につなげやすいというメリットがあります。そのため、物価高対策と地域経済活性化を両立する手段として、今後さらに一般化していくかもしれません。
■行政手続きはアプリで完結へ?自治体DXの今後
行政サービスをアプリで一元化する動きも各地で進んでいます。東京アプリやさいたま市みんなのアプリに加え、神戸市では「神戸市スマート申請システム(e-KOBE)」を開始し、申請や届け出をオンラインで完結できる環境を整えています。
行政手続きは窓口対応時間が限られることが多く、アプリ上でいつでも手続きできる点は、住民にとって大きな利便性向上といえます。
さらに東京アプリでは、AIによる行政手続きサポート機能の搭載も計画されています。AIに質問しながら進められる環境が整えば、高齢者などオンライン手続きに不慣れな層にも利用が広がると考えられます。
また、多くの地方自治体で若者の流出が課題となる中、行政手続きの利便性向上やデジタル化は、「住みやすい自治体」という評価につながり、定住促進や地域活性化を後押しする可能性があります。東京都がこうした取り組みを先行して進めることは、他自治体のデジタル施策を加速させる契機となるかもしれません。
まとめ
本記事では、東京都が提供する公式アプリ「東京アプリ」について、注目の理由を分析しました。
その結果、11,000円相当のポイントを付与する「生活応援事業」をきっかけに、多くの都民ユーザーを獲得したことがわかりました。こうした施策は他の自治体アプリでも行われており、今後もさらに広がる可能性があります。
また、自治体アプリを通じて、行政手続きをオンラインで完結できる環境整備も各地で進んでいます。こうしたデジタル化の動きは全国に波及していくと考えられ、私たちの生活に直結する自治体の取り組みとして、今後も注視していく必要がありそうです。
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2026年4月に入社予定の大学院修士課程1年生です。大学では分子生物学系の研究に取り組んでいます。