商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にする人は9割超!参考になるレビューの特徴は「デメリットも記載されている」が最多【マイスタースタジオ調査】

商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にする人は9割超!参考になるレビューの特徴は「デメリットも記載されている」が最多【マイスタースタジオ調査】

株式会社マイスタースタジオは、同社が運営する「みん評」にて、全国の男女を対象に「レビュー記事に関する意識調査」を実施し、結果を公開しました。


商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にする人は95.8%

「商品やサービスを調べるときにレビュー記事を参考にするか」と聞いたところ、参考にする人は「よくする」「たまにする」が合わせて95.8%にのぼりました。

レビュー記事は、商品検討段階における重要な情報源となっていることがわかります。

購入前にレビュー記事を参考にする理由としては、「失敗を回避したい」「ある程度商品の使用感などを予想して、安心して購入したい」という気持ちがあるためだと考えられます。

参考になるレビューの特徴1位は「デメリットも記載されている」

「参考になるレビューの特徴」の圧倒的1位は「デメリットも記載されている(54.2%)」で、半数以上の人から回答を得ました。2位「具体的な記載がある(36.4%)」、3位「視覚情報がある(19.4%)」が続きます。

上位の回答傾向から、消費者がレビュー記事を読む際に重視するポイントは、「信頼性」「具体性」「視認性」に分類できると考えられます。情報が具体的で写真などの視覚情報で証拠を提示することで、信頼性が高まると考えられます。

1位 デメリットも記載されている

・メリットよりも、デメリットを多く書いてあるほうが参考になる(20代 男性)
・良いレビューよりも悪いレビューを読むようにしています。デメリットを踏まえてでも欲しいと思えるかがわかるので、悪いレビューは助かります(30代 女性)
・良いレビューより悪いことを書いているレビューのほうが参考になります。良いところばかり見ていると、実際利用した際にがっかりすることも多いので(50代以上 女性)

メリットばかりの記事は「サクラ・ヤラセではないか」と疑われやすくなります。実際に「良い評価を信じて購入したが期待外れだった」という失敗経験があり、デメリットに注目するようになった人もいました。

反対にデメリットも記載しているレビュー記事は、「誠実」「率直」という印象を与えて、信頼されやすい傾向にあります。

またアンケートからは、「悪い部分も知ったうえで、納得して購入したい」「購入後のギャップを最小限に抑えたい」という考え方も伺えました。デメリットを知っておくことで、自分が購入・利用をしても後悔しないかを判断しやすくなります。

2位 具体的な記載がある

・実際に使ってみてどうだったか、具体的なレビューがいいです。例えば機械なら「使用感」や「すぐ壊れた」などの情報、食品なら「味」や「調理の簡単さ」の情報など(30代 女性)
・文章が具体的で、読んでいると使い勝手がイメージできる(40代 男性)
・使っているから書ける具体性のあるレビューであること(50代以上 女性)

実体験に基づいた具体的なレビューは、ネットやカタログで調べればわかるようなスペックだけではなく、「実際の利用シーン」や「消費者が感じる価値」を伝えられます。

そのためレビュー記事に具体的な記述があると、消費者は「自身の使用シーン」を明確にイメージできます。例えば「屋外で使いたいんだけど、不向きではないか」「不器用な私でも、簡単に使えるか」などです。

また具体的な情報があると、「実際に使ったうえで書いているのだな」という信頼感にもつながります。

3位 視覚情報がある

・商品レビューの場合は、大きさや色味がわかる画像や動画が添付されているもの。また画像や動画がなくても、「公式の写真より青みが強いです」など言葉でわかりやすく説明されていると参考になる(20代 女性)
・文字だけでなく、画像や動画での検証や考察がなされていること。視覚情報があるだけでわかりやすい(30代 男性)
・その商品やサービスを実際に使っているとわかることが最も重要。写真や動画があると信憑性が高まるため、まずはイメージできるものがあるか探します(40代 男性)

照明やカメラの具合により、公式サイトの商品画像と実際の色味が違うことは少なくありません。実際に商品・サービスを利用した人が撮影した写真や動画があると、質感や色味などがわかりやすいですよね。

また実物の写真・動画は実際に使っている証拠にもなるので、レビュー記事の信頼性を高めます。

4位 詳細に説明されている

・丁寧な文章で、体験談などを詳しく書いてある(10代 女性)
・細かいことまで書かれている内容があること(30代 男性)
・「良かった」などだけではなく、「どこが」「どのように」など、ちゃんと詳細が記載されていると参考になる(40代 女性)

詳しいレビューは「実際に使用して得た感想」の裏付けになるので、信頼性が高まります。一般的には、実際に使用していなければ詳しいレビューは書けないと考えられるからです。

また説明が詳しいと、商品のスペックや利用シーンもよくわかり、参考にしやすくなります。例えば「美味しい」ではなく「唐辛子がきいていて、ピリ辛で美味しい」と書かれているだけでも、自分の好みに合うか合わないかを判断しやすくなります。

5位 比較対象がある

・他社の商品やサービスと比較されているとかなり参考になる(30代 男性)
・類似品との比較が書かれている。使用感などの感想をもとにした比較ならいらないが、スペックなどを比較してくれると、自分で調べる手間がへって参考になる(40代 女性)

ひとつの商品のみを取り上げたレビュー記事では、「この商品が自分にとって最も適切な商品なのか」はなかなか判断しにくいものです。レビュー記事を読みながら、「良さそうではあるけれど、もっといい商品があるのでは」と考えてしまう人もいます。

そのため、同ジャンル・同価格帯・同機能の商品との比較情報があると、参考にされやすくなります。

なお「ターゲット別におすすめしてくれると参考になる」という回答もありました。複数商品を比較したうえで「△△の理由で、○○な人には商品Aがおすすめ」とおすすめする記事も、参考になりやすいと考えられます。

6位 投稿者の属性がわかる

・洋服だったら、買った人の身長や骨格など。自分にも似合うか想像しやすいから(20代 女性)
・実際に利用するときのことを想像しやすいので、「年齢」「性別」「どのようなシチュエーションで利用したか」など、書き手の情報は多いほうがいいです(30代 女性)
・使用者がどのような人物なのかがわかりやすい記事(40代 女性)

属性重視の傾向は、コスメやアパレルなど、肌質や体型が重要となるジャンルで顕著です。

レビュー記事執筆者やレビュー投稿者から属性の開示があることで、「身長○センチなら、どれくらいの丈感になるのか」などが参考にできます。コスメやアパレルで重要な属性は、例えば「性別」「年齢」「肌質」「身長」などですね。

7位 スペックが記載されている

・商品だとサイズ、サービスだと料金が記載されていると参考になる(30代 女性)
・店舗の場所や周辺環境について。トイレの有無など、店舗内の様子(40代 女性)
・機能や価格帯について、網羅的に紹介されているレビュー(50代以上 男性)

スペック情報とは、「素材」「サイズ」「ガジェットのメモリ容量」などを指します。飲食店やサロンであれば「立地・アクセス」「駐車場の台数」「バリアフリー対応」「営業時間」などがスペック情報です。

公式・販売サイトで調べれば入手できることが多いものの、「調べるのが面倒なので、レビュー記事で網羅的にまとめてほしい」というニーズもあるとわかります。

参考にならないレビューの特徴1位は「メリットしか書いていない」

反対に「参考にならないレビューの特徴」を聞いたところ、最も多かった回答は「メリットしか書いていない(30.0%)」でした。

2位「情報量が少なすぎる(23.0%)」、3位「具体的な記載がない(16.0%)」、4位「実際に使用していなさそう(11.8%)」が続きます。

「参考になるレビューの特徴」の裏返しになる項目が多くランクインしました。「表面的かつ偏った内容では参考にならない」と感じる人が多いとわかります。

1位 メリットしか書いていない

・気持ち悪いほどにベタ褒めしてるレビューは、まったく参考にならない(20代 男性)
・やけに褒めてばかりの文章や、整いすぎていてキレイすぎる文章だと、「お金もらって書いた人かな?」と思ってしまいます。「何も言うことなし、最高です!ここのお店以外絶対に考えられません!」みたいな、テンションが高く褒めすぎている文章は怪しいと思っています(30代 女性)
・商品を必要以上に褒めちぎっていると、サクラではないかと疑ってしまう(40代 女性)

メリットや称賛のみで構成されたレビュー記事は、信憑性に欠けると受け取られてしまいます。誰にとってもデメリットがまったくない商品・サービスは珍しいからです。過剰な称賛は不自然だと受け取られ、不安を誘ってしまうとわかりました。

リアルなレビュー記事として共感を得るには、メリット・デメリットのバランスが重要です。

2位 情報量が少なすぎる

・内容が薄いものは参考になりません(30代 女性)
・「良かった」「悪かった」だけで、情報がほとんどない(40代 女性)
・レビュー記事が全体的に短く、商品やサービスに関する内容が伝わらない場合。「わざわざレビューする必要があるのか?口コミする必要があるのか?」と感じるくらい大したことのないレビューや口コミが多い場合、まったく参考にならないと感じます(40代 男性)

短文や一言だけのレビューは、判断材料として機能しません。レビュー記事を読む人は「購入前の不安を解消したい」「公式・販売サイトでは足りない情報を補いたい」と考えているからです。

不安を解消するためには、十分な情報量が必要となります。ダラダラ長く書く必要はないですが、「どう使ったか」「良かった・悪かったと感じた理由」は明記することが重要だと考えられます。

3位 具体的な記載がない

・主観的な感想のみで具体性に欠けるコメント(40代 男性)
・体験談が書かれていなくて情報源にならないもの(50代以上 女性)

実際の使用状況や効果を感じた場面の記述がないと、信頼性や説得力が弱くなります。また読者が、「自分が商品・サービスを利用している姿」を想像できません。具体的な記述がないと、本当に使用したのかすら疑われてしまう可能性も。

そのためレビュー記事には「商品・サービスを使用した具体的なエピソード」「写真」などの客観的な情報を盛り込むことが効果的です。

4位 実際に使用していなさそう

・使用していなくても、想像で書けそうなことしか書いていないもの(30代 女性)
・実際に使用していたのかわからない感想が書かれているレビューです。サプリメント関連で多い気がします(40代 男性)
・「きっと使ってないんだろうな」と思われるもの。見た目の評価しか書いていないもの(50代以上 男性)

実体験に基づいていると感じられないレビュー記事は、読者にとって参考になりにくい情報です。具体的には「公式・販売サイトを見ればわかるような情報ばかりで、具体的な体験談がない記事」「商品の見た目についてのみ書かれているもの」などが当てはまります。

信頼されるレビュー記事には「購入のきっかけや目的」といったストーリーや、「使用頻度」「使用後の変化」などの体験情報を盛り込む必要があります。

5位 PRのようなレビューである

・PRと明示されていないのに、広告や案件っぽさが隠しきれていない(20代 女性)
・明らかに企業からのサンプルをもらい、忖度しているもの(50代以上 女性)

レビュー記事に「広告っぽさ」「商品を売ろうとする圧力」を感じた場合には、参考にしないという人もいます。広告っぽい記事は「企業側の都合で書いている」「本音では書いていない」と思われがちだからです。

広告っぽさを感じるポイントとしては「PR表記がある」「販売サイトへのリンクが張られている」「企業への遠慮が感じられる」などがあります。

また、「PRっぽいのにPR表記がない記事」への嫌悪感について回答した人も。PRであれば明記したうえで、正直な感想でレビューすることが大切です。

6位 感情的である

・執筆者の感情的な部分だけしか書かれていない(20代 男性)
・「あまり好きじゃない」などの主観的なレビューは参考にならないと思う(30代 女性)
・感情的に商品・サービスをこきおろしているレビューは、分析以上に主観が入っているように思えて、私はあまり参考にしていません(40代 女性)

批判的なレビューやデメリットを記載したレビューを参考にする人は多いですが、あまりに過剰な感情表現については避けられてしまうことも。感情的で客観性を欠いている記事については、意見が偏っている可能性が高くなり、参考情報としての価値が低くなると判断されるからですね。

デメリットや嫌なことがあったとしても、できるだけ感情を抑えながら「なぜそう感じたのか」を冷静に説明することで、参考にされやすいレビューになると考えられます。

7位 ありきたりな内容である

・どんな商品にも当てはまることを書いているだけ(30代 女性)
・内容が公式サイトで書かれていそうな情報ばかりな記事(30代 男性)
・一般的な内容の感想は、何が良くて何が悪いのかわからないので、参考にならない(50代以上 女性)

「自分で調べたらすぐわかりそう」「あたりさわりがなくて、どんな商品・サービスにも当てはまりそう」といったレビューは、参考にされません。

レビュー記事を書くのであれば、「投稿者・執筆者ならではの視点」「企業側が提供していない情報」を盛り込む必要があるとわかります。

レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがある人は94.8%

「レビュー記事が商品やサービスの購入・利用のきっかけになったことがあるか」という問いには、「よくある(38.6%)」「たまにある(26.2%)」と回答した人が、合わせて94.8%という結果に。

多くの消費者がレビュー記事によって、購入・利用を検討するきっかけを得ていることがわかります。

そもそも消費者は、商品・サービスに興味をもってレビュー記事を読むわけです。そのためレビュー記事で「良い体験談」「自分に合いそうな使用感」などポジティブな方法を仕入れると、購入意欲が喚起されやすくなると考えられます。

調査概要

調査対象:全国の男女
調査期間:2025年5月1日~5日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性350人/男性150人)
回答者の年代:10代 1.0%/20代 15.6%/30代 35.8%/40代 26.4%/50代以上 21.2%

出典元:株式会社マイスタースタジオ

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000058030.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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