日常生活へのAI浸透率は8割超!情報検索から心のケアまで幅広く活用される一方で、正確性やプライバシーへの懸念も【サクラサクマーケティング調査】

日常生活へのAI浸透率は8割超!情報検索から心のケアまで幅広く活用される一方で、正確性やプライバシーへの懸念も【サクラサクマーケティング調査】

サクラサクマーケティング株式会社は10歳〜50歳の男女を対象に、日常生活でのAIの利用に関するアンケートを実施し、結果を公開しました。


AI利用状況

直近のAIの利用時期と利用頻度

回答者が直近でAIを利用した時期を見ると、過半数にあたる54%が「1週間以内」と回答しています。また、「1か月以内」に利用した人も26%おり、これらを合わせると全体の80%が1か月以内にAIを利用していることになります。

AIの利用頻度については、「毎日」利用している人が19%、「週に数回」利用している人が42%となり、これらを合わせると回答者の約6割(61%)が日常的にAIを利用している実態が明らかになりました。一方で、「月に数回」利用する人は23%、「ほとんど使わない」という人も16%存在します。

これらの結果から、回答者の多くがAIを比較的高い頻度で利用しており、日常生活や業務のなかでAIが浸透しつつある様子がうかがえます。

よく利用されているAIツール

回答者がよく利用しているAIツールを複数選択形式で尋ねたところ、最も利用率が高かったのは「チャットAI(例:ChatGPT、Gemini)」で、回答者の52%が利用していると回答しました。次いで利用されているのは、「音声アシスタント(例:Siri、Alexa)」が17%、「画像生成(例:Midjourney)」が15%、「翻訳・文章校正(例:DeepL)」が14%となっています。

この結果から、会話しながらさまざまなタスクに対応できるチャットAIが広く普及している現状がわかります。また、音声アシスタントや翻訳・文章校正、画像生成といった特定の機能に特化したAIツールも、一定のニーズがあるようです。

AIの利用目的と具体的な活用シーン

AI利用のおもな目的

AIを使っているおもな目的(複数選択可)を尋ねたところ、最も多かった目的は「情報検索・要約」で、回答数の30%を占めました。

次に多かった目的は、「文章作成・メール支援」と「学習・調べ物」で、どちらも回答数の20% となっており、日常的なコミュニケーションや自己学習の場面でもAIが役立てられていることがわかります。

その他のおもな目的としては、「クリエイティブ(画像・動画制作)」が13%、「娯楽(チャット、ゲーム)」が9%、「生活支援(スケジュール管理など)」が6%と続いています。

「その他」として挙げられた目的には、「コード生成」や「プログラミング」、「暇つぶし」などがありました。これらの回答は、特定の専門的な用途や娯楽としてもAIが活用されていることを示唆しています。

AI利用で最も役立っていると感じる場面

AI利用で最も役立っていると感じる場面についての自由記述からは、多岐にわたる具体的な活用シーンが明らかになりました。回答を分類すると、以下のような場面でAIの利便性を実感している人が多いようです。

調べ物・情報収集の効率化
【以下、自由記述から抜粋】
・Google検索よりも迅速かつ正確な回答が得られる
・人に聞くのが恥ずかしいような知識についての質問ができる
・膨大な情報や検索結果の要約
・海外の論文など外国語の情報を要約・翻訳してくれる
・薬の効果や副作用の情報収集
・ニュース検索や天気予報

文章作成・校正・翻訳
【以下、自由記述から抜粋】
・メール、レポート、ブログ、資料などの文章作成・支援
・ビジネスメールなど、相手との関係性に合わせた文章を一瞬で作ってくれる
・文章のアイデア出し、壁打ち、考えの整理
・まとまっていない文章を簡潔にまとめてくれる
・翻訳や文章校正が手軽に行なえる
・英語でのメール作成
・ホームページの文章やSEO対策の文章作成
・職務経歴書作成支援
・メールのエラーメッセージの日本語訳

プログラミング支援
【以下、自由記述から抜粋】
・データベースのSQL文作成
・コード生成
・プログラムが上手く動かないときの修正・質問
・Excelの関数やVBA、マクロのプログラミング作成・検索
・エラー内容の検索

クリエイティブ制作
【以下、自由記述から抜粋】
・自分では思いつかないようなアイデアを出してくれる
・画像や動画などクリエイティブ制作(画像生成、ブログに使う絵の生成など)
・画像と文章を組み合わせた画像生成

話し相手・相談相手としての利用
【以下、自由記述から抜粋】
・自分の悩みや相談事を話したときに、優しく返してくれたり、寄り添ってくれたりする
・人間のように寄り添った対応をしてくれる
・話し相手として活用できる
・人と会話しているみたいで楽しい

定型作業の効率化・自動化
【以下、自由記述から抜粋】
・議事録作成
・買い物リスト作成
・スケジュール管理
・データ入力、フォーマット変換など

その他
【以下、自由記述から抜粋】
・自分ができないことをサポートしてくれる
・作業時間が効率化される
・わからない問題を解説してもらったり、理論を教えてもらったりする
・お店の商品比較検討
・仕事でのSNS活動
・大学の課題のサポート
・子どもに勉強を教える

これらの回答からは、回答者がAIを単なる検索ツールとしてだけでなく、文章作成、プログラミング、クリエイティブ制作、さらには精神面でのサポートまで、非常に多様な場面で活用されている様子が読み取れます。

特に、時間のかかる作業の短縮や、自分だけでは難しい作業のサポートといった点にメリットを感じている人が多いようです。

AI利用による効果・満足度

AI利用で感じている利便性

AIのどのような点が便利だと感じているかを尋ねた質問では、「情報検索や要約が短時間でできる」が最も多く、回答数の30%を占めました。次に多かったのは「翻訳や文章校正が手軽に行なえる」で19%、続いて「メール・レポートなどの文章作成を支援してくれる」が18%となりました。

これらの結果から、AIが情報収集の効率化ツールとしてだけではなく、文書作成といった日常的・業務的なタスクの効率化にも貢献している様子がうかがえます。

その他の回答としては、「画像や動画などクリエイティブ制作が簡単にできる」が13%、「定型的・単純作業(データ入力、フォーマット変換など)を自動化できる」が11%、「データ分析や可視化を素早く行なえる」が8%となっています。

上記の回答から、AIが単なる情報検索でなくクリエイティブな作業や専門的な作業、さらには定型的な作業の効率化にも役立っていることがわかるでしょう。

AI利用で感じているデメリットや課題

AI利用で感じているデメリットや課題を尋ねたところ、最も多かったのは「回答の正確性への不安」で、回答数の42%に上りました。現状、AIが出力する情報の信頼性について多くのユーザーが懸念を抱いているようです。自由記述でも「ちゃんと動作してくれない」といった声が見られました。

次に多かった回答は「プライバシー・データ漏洩」に関する不安で、33%でした。個人情報や機密情報の取り扱いについて、セキュリティ上の懸念を感じているユーザーが多いことがわかります。その他の課題としては、「使い方の難しさ」が16%、「費用負担」が9%です。なお、「特になし」という回答も一定数存在しました。

上記の結果から、AIが普及している一方で情報の正確性やセキュリティ面、使いやすさなどの面に課題を感じているユーザーが多いことがわかります。

今後のAI利用意向

今後の有料AIサービス利用意向

「今後、有料のAIサービスを利用したいか」を尋ねたところ、回答者の意向は分かれる結果となりました。

最も多かった回答は、「できれば無料で利用したい」で、回答数の34%を占めました。これは、現在の無料サービスで満足しているユーザーや、追加費用をかけたくないと考えているユーザーが一定数いることを示しています。

次に多かったのは、「内容や金額によっては利用を検討する」で26%でした。この層は、有料であっても、サービスの内容や価格次第で利用を検討する、比較的柔軟な姿勢を持っているといえます。

また、「積極的に利用したい」と回答したユーザーは23%でした。これは、AIの価値を高く評価し、より高度な機能やサービスに料金を支払うことに前向きなユーザー層が存在することを示しています。

一方で、「有料サービスは利用したくない」という回答も15%あり、有料化に対して否定的なユーザーも少なくないことがわかるでしょう。また、「わからない」と回答したユーザーも4%いました。

これらの結果から、多くのユーザーがAIの利便性を感じている一方で、有料サービスへの移行には慎重な姿勢が見られ、価格やサービス内容が今後の有料AIサービスの普及において重要な要素となることがうかがえます。

今後期待するAI

今後、どのようなAIが出ると良いかについて自由記述で尋ねた結果からは、多岐にわたるさまざまな期待が寄せられていることが明らかになりました。回答を分類すると、以下のような方向性のAIが求められているようです。

正確性・信頼性の向上
【以下、自由記述から抜粋】
・正確な情報を素早く出してくれるAI
・100%正確な情報を出力するAI
・フェイクを見抜くAI

人間性・対話能力の向上
【以下、自由記述から抜粋】
・人間と遜色なく会話できたらいい
・友達や恋人のようなAI
・おしゃべり相手になるAI
・実際の人間のように寄り添った対応をしてくれるAI
・より人間らしく自分で物事を考え、さまざまな角度で気付きを与えてくれるAI

生活支援・パーソナル化
【以下、自由記述から抜粋】
・パーソナライズされた生活支援をしてくれるAI
・予算や好みに合わせて、ネットショッピングを自動で行なってくれるAI
・先回りしてモノを準備しておいてくれる執事のようなAI
・日々の生活を支えるAI
・生活に必要な事務処理のサポート
・体調などのアドバイスをしてくれるAI

専門分野・特定のタスクへの特化
【以下、自由記述から抜粋】
・各種法律を読み込み、可能な限り正確な回答を導き出すAI
・職種によって特化したAI
・条件に合ったプログラミングを作成するAI
・正確な文字起こしができるAI
・開発プロジェクトの全体的支援を行なうAI
・工場の一括管理を行なうAI
・スポーツで有利に進めるための戦術分析を行なうAI

クリエイティブ・エンタメ分野の進化
【以下、自由記述から抜粋】
・画像生成が不十分なので、要望にしっかり合った画像を生成してほしい
・芸術作品を作るAI
・既存の動画の続きを創作するAI
・アニメーション制作AI
・漫画のペン入れをしてくれるAI
・ゲーム制作AI

操作性・アクセシビリティの向上
【以下、自由記述から抜粋】
・より使いやすく、より安価に安全で使えるようになるAI
・初心者や高齢者、子どもでも利用しやすいAI

コスト・アクセスの改善
【以下、自由記述から抜粋】
・現在の有料レベルのサービスが、より安価または無料で使えるようになってほしい
・高精度かつ無料で使えるAI
・無料で使えるAI

その他
【以下、自由記述から抜粋】
・ドラえもんのようなAI
・権利向上に役立つ技術発展を助けるもの
・脳波を感知して動くAI

これらの回答からは、多くのユーザーがより高いレベルの正確性や信頼性、人間のような自然な対話能力、そして個々のライフスタイルに合ったパーソナルなサポートをAIに期待している様子がうかがえます。

また、画像・動画・芸術作品の生成といったクリエイティブ分野でのさらなる進化や、コストや使いやすさといった実用面での改善も求められています。

調査概要

調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年5月20日 〜 2025年5月25日
調査母集団:300人
性別:男性169、女性131
年齢:10代が28名、20代が83名、30代が85名、40代が102名、50代が2名

出典元:サクラサクマーケティング株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000061639.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


マーケティング AI

関連する投稿


約7割が再来店につながらず...単発購入で終わる顧客が増加傾向?小売業のリピーター獲得に立ちはだかる壁とは【iTAN調査】

約7割が再来店につながらず...単発購入で終わる顧客が増加傾向?小売業のリピーター獲得に立ちはだかる壁とは【iTAN調査】

株式会社iTANは、小売店経営者・店舗責任者・マーケティング担当者を対象に、「小売業界における再来店促進と顧客接点の実態」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


「1円スマホ」の購入経験者は約1割も、機会があれば利用したい人は約5割と利用に前向きな姿勢あり【イード調査】

「1円スマホ」の購入経験者は約1割も、機会があれば利用したい人は約5割と利用に前向きな姿勢あり【イード調査】

株式会社イードは、スマートフォンやデジタルライフについてユーザー目線で最新情報をお届けするメディア「LiPro(インターネット)」において、1円スマホに関心のあるユーザーを対象に「1円スマホ」に関する関心・意向についてアンケート調査を実施し、結果を公開しました。


電通デジタル、リテールメディアが生活者にもたらす購買行動とブランド指標への影響についての調査結果を公開

電通デジタル、リテールメディアが生活者にもたらす購買行動とブランド指標への影響についての調査結果を公開

株式会社電通デジタルは、生活者のリテールメディアへの接触が購買行動およびブランド認知に与える影響を明らかにするため、「2025年 リテールメディア調査」を実施し、結果を公開しました。


若年層の消費行動、2025年8月に増えたのは「外食/カフェの飲食やテイクアウト」が最多【LINEリサーチ調査】

若年層の消費行動、2025年8月に増えたのは「外食/カフェの飲食やテイクアウト」が最多【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、全国の15~24歳を対象に「直近1か月で、ふだんより多くお金を使った項目」についての2025年9月期の調査を実施し、結果を公開しました。


AIエージェントを導入している企業は35%!生成AIの導入スピードを上回る【BCG調査】

AIエージェントを導入している企業は35%!生成AIの導入スピードを上回る【BCG調査】

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、MITスローン・マネジメント・レビュー誌(MIT SMR)と共同で、AIによるビジネスへの影響に関するレポート「The Emerging Agentic Enterprise: How Leaders Must Navigate a New Age of AI」を発表しました。


ページトップへ