麻辣湯ヒットの裏側。「七宝麻辣湯」公式サイト"3.8倍増"に隠された顧客心理とは

麻辣湯ヒットの裏側。「七宝麻辣湯」公式サイト"3.8倍増"に隠された顧客心理とは

ここ1年で、ダイエッターを中心に「麻辣湯(マーラータン)」人気が高まっていることをご存じでしたか?担々麺など、中華料理には豊富なバリエーションがある中で、なぜ今「麻辣湯」なのか。ブームの火付け役的な存在である専門店「七宝麻辣湯」に注目し、トレンドの担い手やニーズについて調査しました。


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「デジタル・トレンド白書2025 食トレンド編」は、2025年に注目を集めた食や飲料・お菓子などのヒット分析・トレンド解説が収録されたレポートです。物価が高騰しているなか、どのような商品が人気を博しているのか。消費者の食に対する好みや購買行動はどのように変化しているのかを分析しています。

「七宝麻辣湯」とは

七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」は2007年に東京・渋谷で創業した麻辣湯専門店で、日本における麻辣湯文化の先駆け的存在です。豊富なバリエーションの中から具材やスープ、麺、辛さなどを選び、自分だけの麻辣湯を楽しむことができます。

「美容健康・医食同源」をコンセプトにしており、薬膳スパイスのデトックス効果や脂肪燃焼サポート成分と、野菜やきのこなどの具材、春雨麺を掛け合わせて、ヘルシーで美味しい麻辣湯を提供していることがポイントです。

「七宝麻辣湯」では他にも、薬膳火鍋やルーローハンといったメニューも提供しています(店舗によって異なります)。

参考:18年間愛され続け、日本で麻辣湯文化を広めてきた「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」が大阪に3店舗オープン! | 株式会社ダイニングイノベーション

2024年の約4倍!麻辣湯への関心高まる

まずは「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者数を見ていきましょう。分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。

閲覧者は2024年9月以降伸び始め、2025年6月には78,500人と、前年同月の約3.8倍にまで伸長しています。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者数推移

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者数推移
調査期間:2023年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

同様に、バイキング形式で具材、辛さを自由にカスタマイズできる麻辣湯専門店「楊国福麻辣湯」の公式サイト閲覧者数も、2024年9月以降で伸びを見せています。

「楊国福麻辣湯」公式サイトの閲覧者数推移

「楊国福麻辣湯」公式サイトの閲覧者数推移
調査期間:2023年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

七宝麻辣湯、楊国福麻辣湯どちらもサイトの訪問者数は伸びており、麻辣湯ブームが来ていることがわかります。

トレンドの担い手はどんな人?

ここ1年で盛り上がりを見せている麻辣湯。このトレンドにいち早く乗っているのは、どのような人々なのでしょうか。「七宝麻辣湯」のサイト閲覧者の人となりを深堀り分析していきます。

20~40代女性に人気

まず男女比を見ると、女性が7割弱と過半数を占めています。「七宝麻辣湯」は、女性一人でも入りやすい落ち着いた雰囲気づくりを目指しており、メニューもヘルシー志向であることから、実際に女性に選ばれやすい傾向にあることが見て取れます。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:性別

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:性別
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

サイト閲覧者の年代は、20~40代がそれぞれ約25%を占めており、若年寄りであることがわかりました。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:年代

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:年代
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

閲覧者の居住地域は関東が70%超を占めており、東京を中心に関東に店舗が集中している出店状況が反映されています。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:居住地域

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:居住地域
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

「七宝麻辣湯」は、東北や北陸、関西、九州でも一部地域に出店しており、2025年7月24日時点では全国に33店を展開しています。プレスリリースの情報によると、2025年2月時点で24店舗、2025年5月時点で31店舗となっており、順調に店舗数を拡大していることがわかります。

参考:18年間愛され続け、日本で麻辣湯文化を広めてきた「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」が大阪に3店舗オープン! | 株式会社ダイニングイノベーション
<東北初出店> 50種の具材×選べる辛さ=無限の組み合わせ!“自分だけの一杯”が楽しめる「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」が仙台に5月30日(金)オープン! | 株式会社ダイニングイノベーション

新しいもの好き、口コミ重視の「ダイエット」関心層

さらにサイト閲覧者の人となりを詳しく分析するため、ここからはヴァリューズの分析ツール「Perscope(ペルスコープ)」を用いて調査していきます。

「七宝麻辣湯」サイト閲覧者の興味関心を見ると、「グルメ・レストラン」「ダイエット」「料理」がリーチ率・特徴値ともに高く、食やヘルシーな生活へのモチベーションが高い人が集まっていることがわかります。

※リーチ率:対象者のうち、アンケートで当該項目に回答した人数の比率
※特徴値:対象者のリーチ率−ネット人口全体のリーチ率

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:興味関心

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:興味関心
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

サイト閲覧者の情報収集媒体としては「SNS」が特徴的です。若年寄りの特徴が現れていると考えられます。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:情報取集媒体

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:情報取集媒体
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

購入時の重視点としては「口コミ・評判」が最も高くなっています。実際にSNSで「七宝麻辣湯」に来店したユーザーの口コミを見て、興味を持つ人が多いのかもしれません。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:購入時の重視点

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:購入時の重視点
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

購入時には特に「新商品」に注意が向きやすいようです。トレンド意識が高い人が、最近の麻辣湯ブームにいち早く反応している様子がうかがえます。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:購入時の行動

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:購入時の行動
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

麻辣湯ヒットの理由は?

担々麺にない「ヘルシーなカスタマイズ性」

中華の定番麺メニューとして担々麺も挙げられますが、なぜ今、麻辣湯に注目が集まっているのでしょうか。

麻辣湯がトレンドになっている背景として、「カスタマイズ性」と「ヘルシーさ」が考えられます。

特に「七宝麻辣湯」は常時50種類以上のトッピングを提供するなど、組み合わせの自由度が非常に高く、自分好みの麻辣湯を作ることができるのに加え、「次はこのカスタマイズを試してみよう」とリピートも喚起しやすいと考えられます。

また、30種類以上の薬膳スパイスを使ったスープや、ベースの麺が春雨であること、たっぷり野菜が摂れることもあって、実際にダイエット意識が高い層から注目されていることも今回の調査からわかってきました。

この「カスタマイズ性」×「ヘルシーさ」の掛け合わせが支持されていることは、「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者の、普段の検索キーワード13位に「もうやんカレー」が挙がっていることからも読み取ることができます。

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:普段の検索キーワード

「七宝麻辣湯」公式サイトの閲覧者:普段の検索キーワード
調査期間:2024年7月~2025年6月
デバイス:PC&スマートフォン

「もうやんカレー」は、通常の3倍量の厳選野菜をじっくり焙煎し、無添加グルテンフリーの漢方薬膳スパイスで仕上げたカレーを提供。ビュッフェ形式で楽しめる点も、「七宝麻辣湯」に似たカスタマイズ性があります。

ヘルスリテラシーが高い層は、食べるものに人一倍気を遣っているため、メニューを自分でヘルシーにカスタマイズできることは大きな魅力であると考えられます。

まとめ

今回は、麻辣湯ブームの火付け役ともいえる「七宝麻辣湯」に注目し、トレンドの実態を調査してきました。

ここ1年弱で公式サイトの閲覧数が約3.8倍に伸びるなど、新しいもの好きな層を中心に、人気が拡大している「七宝麻辣湯」。豊富なカスタマイズ性とヘルシー志向なメニュー設計により、特に若年寄りの女性から高い支持を得ています。春雨麺をベースに、薬膳スパイスや豊富な野菜を組み合わせることで、「美味しさ」と「健康」の両立が叶う点が、食やダイエット意識の高い層に人気の理由と考えられます。

順調に出店地域を拡大する「七宝麻辣湯」。今後全国に出店が広がり、SNSで口コミが拡散されることで、注目度のさらなる高まりが想定されます。長期的なトレンドになるのか、今後の動向にも注目です。

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▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでキーワード分析やトレンド調査を行えます。無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

1997年生まれ、大阪大学卒。データアナリストを経て、Webマーケティング・リサーチを軸に、コンテンツディレクション、SNS運用、デジタル広告運用などを担当。現在はフリーで活動しています。

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