自然検索とLLM流入は正の相関、CVRはLLM流入が優位
ChatGPTなどの生成AIを経由した「LLM流入」と、従来の検索エンジンを通じた「自然検索流入」について、同社のWebサイトにおけるページ単位のアクセスデータを分析したところ、両者には正の相関関係があることが明らかになりました。
つまり、検索エンジンからのアクセスが多いページほど、生成AI経由のアクセスも多くなる傾向にあることを意味します。
また、サイト全体のセッション数では、LLM流入の割合は1.00%と少数にとどまりましたが、コンバージョン率(CVR)は自然検索流入が0.45%、LLM流入は1.24%と、LLM経由の方が高い結果となりました。
この結果から、生成AIがユーザーの意図や文脈に合った情報を的確に提示できていることにより、コンバージョンにつながりやすい流入が生まれている可能性が考えられます。
「ニュース・お知らせ」や「コンテンツ・メディア」でLLM経由の成果が高水準に
ページ群単位での分析では、「ニュース・お知らせ」カテゴリに属するページにおいて、自然検索と比較して、LLM経由のセッション数およびキーイベント(※)数が相対的に多いという顕著な傾向が確認されました。
※キーイベント:お問い合わせ、サービス資料ダウンロード、ホワイトペーパーダウンロード
この背景には、企業独自の最新情報やプレスリリースといった一次情報としての「独自性」が生成AIに参照されやすいこと、さらに他者から引用・参照されやすい「再利用性」を備えていることが要因として考えられます。
また、同社のオウンドメディア「PINTO!」を指す「コンテンツ・メディア」カテゴリにおいても、LLM流入のセッション比率は自然検索と比例して高まり、LLM経由のキーイベントも多く発生していることが確認されました。
この傾向は、メディア内のコンテンツがユーザーのニーズや文脈に合致した「双方向性」を持っているからであると推察されます。
LLM流入比率が高いページ種別は「業界特化」「事例」「調査」「おすすめ」
ページ種別ごとの分析では、自然検索に対するLLM流入の割合(=LLMセッション比率)が高かったページタイプとして、以下の4種が上位を占めました。
1. 業界特化(2.74%):
「〇〇業界×SEO」などのテーマで構成された、特定業界に焦点を当てた専門記事
2. 事例(2.69%):
お客様の導入事例や、事例を交えて特定のテーマを解説する記事
3. 調査(2.32%):
独自の調査結果やデータに基づいて解説された記事や、調査プレスリリース
4. おすすめ(1.14%):
「おすすめの代理店」「おすすめのツール」など、文字通りおすすめを紹介する記事
これらのページは、専門知見や一次情報に基づく「独自性」、読者の特定のニーズに沿った「双方向性」、他メディアからも取り上げられやすい「再利用性」のいずれか、または複数の要素を兼ね備えている点が共通しています。
そのため、生成AIによって「信頼できる情報」として評価され、LLM流入を多く生む結果につながっていると考えられます。
一方で、「◯◯とは」や「使い方」といった一般的な解説コンテンツは、LLM経由のセッション比率・CVRともに低い傾向が見られました。
これらのコンテンツは、自然検索では流入数が多いものの、今後の生成AIのさらなる普及に伴って、“無意味ではないが、かけたコストに対して得られるリターンが次第に小さくなる可能性が高いコンテンツ”になっていくと予想されます。
出典元:株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ
SEOを中心にデジタル領域全般のマーケティング支援を行う株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ(本社:東京都品川区、代表取締役:鳥居本 真徳)は、生成AIが普及したいま、どのようなコンテンツがユーザーとの新たな接 …
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