生成AIは従来検索を「代替」ではなく「補完」
近年、GoogleのAI Overviews(AIによる概要)やAIモードといったAI検索機能が急速に進展し、検索環境は転換期を迎えています。
そうした中、実際のユーザーの行動実態を見ると、AIは検索を「代替」するのではなく情報を「補完」するツールとして利用されている傾向が明らかになりました。
■AI Overviewsは部分的な浸透に留まる
Google検索結果に表示される「AI Overviews(AIによる概要)」について、「よく確認している」「ときどき確認している」と回答したユーザーは全体の約42.1%でした。一方で、36.1%が「知らない/見たことがない」と回答しており、AI Overviewsは徐々に浸透しつつあるものの、現状はまだ限定的な利用段階にあることがわかります。
■生成AIは「入口」に過ぎず ― ユーザーの4割超が一次情報求めWebサイトへ
この結果は、生成AIによる要約が提示されても、ユーザーはその要約の裏付け・詳細情報または信頼できる一次情報源を求めてWebサイトへ流入していることを示唆しています。
生成AIによる要約だけで満足する層は5〜7%程度に留まっており、ユーザーはAIを「一次情報」ではなく「要約・まとめ」として扱い、詳細な判断をWebサイトに委ねています。
生成AI利用は「整理・比較」が中心 ― 信頼性への懸念も顕著に
生成AIの利用経験者は全体の約4割(38.4%)に達しており、その影響は購買行動にまで及んでいます。
しかし同時に、情報源の不透明さや精度への懸念も根強く、ユーザーは利便性と信頼性のバランスを模索している実態が浮き彫りになりました。
■購買意思決定への影響が顕在化
生成AIは、具体的な購買プロセスに深く組み込まれていることがわかりました。購入前提の商品・サービスの比較検討や選定にAIを「利用したことがある」層は52.6%に達し、さらにそのうち61.4%が意思決定に「影響があった」と回答しています。
自由回答からは、「候補の絞り込み」や「効率化・時短」、「判断の自信向上」といったポジティブな影響が確認されました。
■利用者の約4割が生成AIの情報源と精度に不安
一方で、生成AIの利用者が感じる懸念・不安については、「情報が古かったり、間違っているかもしれない」(37.0%)、「どの情報をもとに答えているのか分からない」(35.9%)といった情報源の信頼性や精度に関する不安が多数を占めています。
ユーザーはAIの利便性を享受しつつも、最終的な判断にはより信頼できる情報源を求めていることがわかります。
調査概要
調査名称:検索行動とAIの活用に関するアンケート(AI時代におけるGoogle検索行動と生成AIの活用状況に関する実態調査)
調査日:2025年10月1日〜2日
調査方法:インターネット調査(Webアンケート形式)
調査対象:20代以上の就業者500名
対象エリア:日本全国
調査目的:AI検索が一般ユーザーの検索・購買行動に与える影響を明らかにすること
出典元:株式会社グランネット
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。





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