BtoBサイトのCTAは「文脈に合わせた配置」より「文言の変更」で商談化率が2倍に【Cone調査】

BtoBサイトのCTAは「文脈に合わせた配置」より「文言の変更」で商談化率が2倍に【Cone調査】

株式会社Coneは、BtoBサービス企業で働く方を対象に、ウェブサイトのCTA(Call To Action)に関する意識と成果について調査を実施し、結果を公開しました。


CTAクリックユーザーの分類と効果

調査の結果、CTAをクリックするユーザーは大きく二つのタイプに分かれることがわかりました。

ひとつは、まず情報収集のために軽くクリックしてみる層で全体の42.2%を占めています。もうひとつは、すぐに資料を確認したり問い合わせしたりする意思を持った層で34.4%でした。

この数字からも、CTAのクリック行動が「まだ調べたい層」と「いますぐ層」に二極化していることがはっきりと見て取れます。

では、この二つの層はどのようなCTAに反応するのでしょうか。導入検討度とCTAの種類をクロス分析した結果が以下になります。

お役立ち資料系のCTAは、情報収集層に特に支持され、全体の41.3%がこの層からのクリックでした。つまり、資料系CTAは検討の「入口」として幅広いリードを取り込む役割を果たしています。

一方で、見積もりやデモ、担当者相談系のCTAは即アクション層に集中し、クリックの70%がこの層から発生していました。こうしたCTAは、商談に直結するリードだけを選別するフィルターとして機能していることがわかります。

さらに、ユーザーがCTAをクリックした理由を尋ねると、最も多かった回答は「興味のあるテーマや課題に合致していた」というもので47.6%に上りました。

つまり、CTAは単なる誘導手段ではなく、ユーザーが求める情報と自分の課題がマッチした瞬間にクリックされる、戦略的な入口であることがわかります。

この結果からも分かるように、BtoBサイトでは単に目立つボタンを置くだけでは不十分です。ユーザーが「どんな情報が得られるのか」「次に何をすればいいのか」を直感的に理解できる文言設計と、各CTAがどの検討フェーズに向けたものかを戦略的に考える視点が不可欠です。

しかし、このことは多くのBtoBマーケティング担当者にとっては「知っていること」かもしれません。実際に検討フェーズに応じたCTA設置は定石として広く行われていますが、それだけでWebサイトの成果が劇的に変わるわけではありません。

実際、調査では多くの企業がこの事実を理解していながら、成果には結びつけられていないことがわかりました。

位置変更だけでは商談化率は伸びない

多くのWebサイト運用担当者は、CTA改善としてまず位置やデザインの変更に取り組む人が多いと思います。実際に、今回の調査でも約60%の担当者がこれらの施策を経験していました。

しかし、現実の商談化率を見ると、30%以上を達成できたのはわずか31.2%にとどまり、期待した成果を得られていないことがわかります。

つまり、クリック数を増やすための見た目や位置の改善だけでは、リードの質や商談化には大きく寄与していないのです。

では、なぜ成果につながらないのでしょうか。その背景には、担当者の意識が「目立つボタンを置く」「配置を工夫する」といった表面的な改善に偏っている点があります。調査では、位置やデザインは整えても、実際にユーザーの行動を左右する文言やコピーの質を高める努力が十分でないことが明らかになりました。

実際、改善の優先順位を見てみると、多くの担当者はまず「どこに置くか」という位置の調整に着手しており、CTAの設置箇所を変えることでユーザー導線を意識していることは理解できます。しかし、位置変更だけでは商談化率の30%の壁を突破することは難しいのです。

一方で、実施率は決して高くないものの、文言・コピーの変更に取り組んだ担当者は、57.2%が商談化率30%以上を達成していました。

これは、位置変更の31.2%と比べると約2倍の効果にあたります。この結果から明らかなのは、CTA改善において重要なのは単にクリック数を稼ぐことではなく、文言を戦略的に変えてリードの質を高めることであるという点です。

つまり、ユーザーの関心を引くだけでなく、行動の意図を明確に示し、適切なターゲットにだけ響く文言を用いることこそが、商談化率を大きく伸ばす決定打になるのです。

商談化率を高める文言の使い分け

ここまで見てきた通り、CTAの位置変更だけでは商談化率の大幅な向上にはつながりません。では、どのような文言やコピーを用いれば、クリックを商談につなげられるのでしょうか。

今回の調査では、即アクション層と情報収集層、それぞれに響く文言の傾向や具体例も明らかになりました。

たとえば、検討度の高いユーザーに対しては「今すぐ相談する」といった明確な行動を促す表現が効果的であり、一方で情報収集段階のユーザーには「無料で資料を入手」といった心理的ハードルを下げる文言が適していることがわかりました。

こうした文言の使い分けによって、の高いリードを選別しながら商談につなげることが可能になります。

BtoBサイトのCTAは「文脈に合わせた配置」より「文言の変更」で商談化率が2倍に | Coneのコンテンツ制作所

https://cone-c-slide.com/see-sla/blog/btob-site-cta-investigation/

BtoB企業のウェブサイトを運営するうえで、多くの担当者が直面する課題のひとつが「CTA(Call To Action)の効果」です。どれだけ充実したコンテンツを用意しても、訪問者が次の行動に進まなければ、情報発信の効果は限定的になってしま

調査概要

調査対象:
BtoBサイトのCTAクリック経験者:64名
BtoBサイト運用者:37名

調査期間:
2025年11月7日〜11月10日

調査方法:
インターネット調査

調査実施:
BtoBサイト制作サービス「c-web」を運営する株式会社Cone

出典元:株式会社Cone

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000089413.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


約7割が再来店につながらず...単発購入で終わる顧客が増加傾向?小売業のリピーター獲得に立ちはだかる壁とは【iTAN調査】

約7割が再来店につながらず...単発購入で終わる顧客が増加傾向?小売業のリピーター獲得に立ちはだかる壁とは【iTAN調査】

株式会社iTANは、小売店経営者・店舗責任者・マーケティング担当者を対象に、「小売業界における再来店促進と顧客接点の実態」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


「1円スマホ」の購入経験者は約1割も、機会があれば利用したい人は約5割と利用に前向きな姿勢あり【イード調査】

「1円スマホ」の購入経験者は約1割も、機会があれば利用したい人は約5割と利用に前向きな姿勢あり【イード調査】

株式会社イードは、スマートフォンやデジタルライフについてユーザー目線で最新情報をお届けするメディア「LiPro(インターネット)」において、1円スマホに関心のあるユーザーを対象に「1円スマホ」に関する関心・意向についてアンケート調査を実施し、結果を公開しました。


電通デジタル、リテールメディアが生活者にもたらす購買行動とブランド指標への影響についての調査結果を公開

電通デジタル、リテールメディアが生活者にもたらす購買行動とブランド指標への影響についての調査結果を公開

株式会社電通デジタルは、生活者のリテールメディアへの接触が購買行動およびブランド認知に与える影響を明らかにするため、「2025年 リテールメディア調査」を実施し、結果を公開しました。


若年層の消費行動、2025年8月に増えたのは「外食/カフェの飲食やテイクアウト」が最多【LINEリサーチ調査】

若年層の消費行動、2025年8月に増えたのは「外食/カフェの飲食やテイクアウト」が最多【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、全国の15~24歳を対象に「直近1か月で、ふだんより多くお金を使った項目」についての2025年9月期の調査を実施し、結果を公開しました。


AIエージェントを導入している企業は35%!生成AIの導入スピードを上回る【BCG調査】

AIエージェントを導入している企業は35%!生成AIの導入スピードを上回る【BCG調査】

ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、MITスローン・マネジメント・レビュー誌(MIT SMR)と共同で、AIによるビジネスへの影響に関するレポート「The Emerging Agentic Enterprise: How Leaders Must Navigate a New Age of AI」を発表しました。


ページトップへ