売上を上げている企業ほど、最新手法を積極的に活用・CRMを活用し適切なアプローチを実施【フュージョン調査】

売上を上げている企業ほど、最新手法を積極的に活用・CRMを活用し適切なアプローチを実施【フュージョン調査】

フュージョン株式会社と、株式会社ネオマーケティングは全国の20歳以上の男女を対象に「マーケティング活動」をテーマにインターネットリサーチを実施し、その結果を公開しました


今期のBtoC/DtoC向けビジネスで注力しているマーケティング手法

今期のBtoC(Business to Consumer)またはDtoC(Direct to Consumer)向けビジネスにおいて、注力しているマーケティング手法について質問したところ、前年よりも今期が増収見込みの企業(以下、「増収企業」)は30%〜40%前後となった手法が多く、前年と比較して売上が変わらない/減収見込みの企業(以下、「横ばい/減収企業」)よりも、全体的にどの手法も満遍なく力を入れていることがわかります。

両者とも「メールマーケティング」に重きを置いている点は共通していましたが、増収企業の場合、SNS広告やリスティング広告などといったWeb広告も約40%と、メールマーケティングと同等に注力しているようです。

一方、横ばい/減収企業の場合、約30%となったメールマーケティングを除くと、20%前後にとどまる手法が散見されます。増収企業も横ばい/減収企業も、ダイレクトマーケティングの代表的な手法である「郵送ダイレクトメール」を25%程度選択しており、オンライン施策に加えオフライン施策にも取り組んでいる企業が一定程度存在することがわかります。

増収企業と横ばい/減収企業の注力差が特に大きかったのが「リスティング広告」や「SNS広告」といったWeb広告と、「SEO」「CRM(Customer Relationship Management)」「インフルエンサーマーケティング」といった近年注目されているマーケティング手法。

売上を上げている企業ほど、最新手法を積極的に活用しているということ、またCRMにより顧客解像度を高め、Web広告でより効果的なプロモーションを実施していることが読み取れます。

自身が担当するビジネスで顧客分類をおこなっているか

次に、自身が担当するビジネスにおいて、顧客分類をおこなっているか質問しました。上記のグラフは、今期の売上見込み別に回答を分けたものです。

増収企業は、全体の83.7%が顧客分類をおこなっていました。横ばい/減収企業の企業でも、約半数の52.0%が顧客分類をおこなっていましたが、両者の差はなんと31.7ポイント。

この結果から、「売上を上げている企業ほど顧客分類をおこなっている」という実態が読み取れました。

顧客分類に使っている変数

顧客分類をおこなっている人に対し、分類に使っている変数を質問したところ、「購入頻度」が51.3%と、顧客分類の変数として最もメジャーであることがわかりました。

そこに「購入1回あたりの購入金額」「累積購入金額」など金額に関する変数や「顧客満足度」が続きます。一方「顧客のデモグラフィック属性」は35.0%となっており、使用割合はやや低めという結果でした。

また、本設問についてローデータを確認し、使用している変数のチェック数をカウントしたところ、
増収企業が使用する変数の平均個数は【3.9個】、横ばい/減収企業は【2.5個】ということがわかりました。

つまり「売上を上げている企業ほど、顧客分類において活用する変数が多い傾向にある」と言えます。

顧客分類における課題

顧客分類における課題について質問したところ、「リソース不足」は、増収企業・横ばい/減収企業のどちらも割合がトップとなっており、両者共通の課題であることがわかります。

増収企業の場合、ロイヤルカスタマーが思うように増えていかなかったり、またそのせいでロイヤルカスタマーのニーズを正しく把握できているか不安が出てきたりといった、ロイヤルカスタマーを定義し施策を打った後の“結果”に関する課題が多くなっていました。

顧客分類ごとにコミュニケーションを変えるか

前掲した設問【自身が担当するビジネスで顧客分類をおこなっているか】にて「顧客分類をおこなっている」と回答した人に対し、顧客分類ごとにコミュニケーションを変えているか質問したところ、顧客分類をおこなっていても、せっかく分けた分類ごとにコミュニケーションを徹底して変えられていないという企業は約40%いました。

前掲した設問【自身が担当するビジネスで顧客分類をおこなっているか】では半数以上がおこなっていた顧客分類ですが、その先の「分類ごとに適したコミュニケーションを取る」という段階までは踏み込めていない企業がまだまだ多いようです。

前掲した設問【顧客分類における課題】でも挙がっていたように、リソース不足や、顧客の分類は定義したもののそれぞれのニーズをしっかりと汲み取るところまでできていないことが、要因として考えられそうです。

現在抱えているマーケティング課題

現在抱えているマーケティング課題を質問したところ、増収企業・横ばい/減収企業のどちらも、約60%と、半数を大きく超える割合で「新規顧客獲得」がトップとなっています。新規の獲得は、両者の共通したマーケティング課題であるようです。

また、増収企業は40%以上、横ばい/減収企業は30%以上が「既存購入頻度増」「顧客との関係性構築」に課題感を抱いていることがわかります。

これらの課題は、自社の顧客がどのような行動を取っているのか・なぜ自社商品やサービスを選択しているのか・自社に何を求めているのかなどといった、細かな顧客情報を適切にキャッチできていない、もしくは情報を施策に上手く落とし込めていないことが要因となり発生する課題。

CRMツールなどを導入していても、せっかくキャッチできた膨大な顧客情報を活用しきれていないという企業が多いのかもしれません。

今後より力を入れていきたいマーケティング手法

今後の業務において、より力を入れていきたいマーケティング手法について質問したところ、トップが「SNS広告」で36.3%、そこに「メールマーケティング」「CRM」が30%弱で続きました。

前掲した設問【現在抱えているマーケティング課題】では、トップが「新規顧客獲得」、そこに「既存購入頻度増」「顧客との関係性構築」が続いていましたが、その課題がそのまま本設問に表れているといえます。

若年層にもリーチしやすいSNS広告にて新規を獲得しつつ、既存顧客との関係性構築のためCRMにて情報獲得・分析、メルマガにてアプローチをするという流れが、多くの企業にとっての理想の流れであると言えそうです。

調査概要

調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳以上69歳以下の男女で、toCビジネスにおいてマーケティングを担当している人
有効回答数:300名 
調査実施日:2023年7月19日(水)~2023年7月25日(火)

※結果数値(%)は、少数点第2位を四捨五入しており、内訳の合計が100%にならないことがあります。
※複数回答の場合、回答者数に対する割合を表示しているため、構成比の合計が100%を超えます。

出典元:フュージョン株式会社

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000030423.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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